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長い道のりのアナウンサー試験

就職試験は、攻略しようとしないで欲しいと、前回書きましたが、アナウンサー試験はなおのこと攻略しようとしても無駄なのかも、と思います。
最後は人間力ですから。

もちろん、上手く面接を潜り抜け(と言っては失礼ですが)たとえアナウンサーになったとしても、アナウンサー生命がとても短い人もいるのです。
それってどうですか?

私たちのアナウンススクールでは、本当に長い年月喋りの現場で活躍してきた先生方に講師をお願いしてきました。
せっかくアナウンサーという、いわば特殊な職業に就けたのなら、身につけた技術を使ってなるべく長く活躍して欲しいというのが、一つの大きな理由でした。

アナウンサー試験に合格する人の中には、アナウンススクールになんか行かなかったという人も結構います。
一昔前には、アナウンススクールなんかに行かない方が受かるもんだ、などという噂話もあったくらいです。

人には無い、何か光るものがあればアナウンサーになれる!と自分を信じるのも大事なことではあります。
が、ここ10数年前からでしょうか、アナウンススクールにも通わずにアナウンサー試験を受けにきたとは、この仕事を甘くみている!と面接で指摘された生徒さんも出てくるようになりました。
アナウンスの勉強をしてから受けに来い、と。
あ、これはもちろん実話です。

放送局の収益が良い時代には、アナウンサーとして採用してから、じっくり一年ほど我が社で育てましょう、などという局もありました。ところが、特に地方局など、テレビ離れの影響もあり収益が悪くなってくると、そんな悠長なことは言っていられなくなったのです。
新人アナウンサーを採用するにも、即戦力になる人が欲しい。

そんな事情から、アナウンサー志望の人は、アナウンススクールに通って基礎を勉強し、ある程度の原稿読みのスキルなどは身につけておく必要があります。もしくは、学生リポーターやタレント活動をしていた人は、やはり確かに試験には強いと言えます。
ですから、局アナウンサーを目指す方はぜひアナウンススクールでの授業を受けて下さいね。
チャンスがあれば学生リポーターなどにも挑戦してみてもいいかもしれませんね。

ただ、アナウンスのスキルを身につけた、学生時代タレントをしていた、という人が誰しも試験に受かるでしょうかと言えば、答えはノーです。それがあれば楽勝!などと決して思わないでください。
そこから差がつくのが人間力なのです。

私達のスクールに通っていた人の中にも学生タレントとして活動していてアナウンサーを目指す人が何人もいました。
そんな人が全てアナウンサーになれたかと言えば、そうではありませんでした。

往々にして、学生タレントとして放送局に出入りし、それなりに仕事をしていると、慣れや横着さが前面に出てしまう人が多いのです。
即戦力ではあるけれど、フレッシュさが無かったり、媚びる術を身につけてしまったことが仇になり、局アナウンサーまでは辿り着けない。そういう苦しみを味わう人も少なくありませんでした。

学生時代に、様々な経験を積むことはとても素晴らしいことです。
ですが、それが常に武器になるとは限らない。
本当に難しいものですね。アナウンサー試験。
即戦力になれるほどのスキルと、相反する謙虚さフレッシュさ。
これがどちらも身につけば鬼に金棒かもしれません。

でもそんな難しい試験だからこそ、トライする価値は充分にあると私は思います。
長い就活の間に、たくさん悩み挫折しながら、あなたの人間力は知らず知らずのうちに高まっていくはずです。
何が足りないんだろう。何が必要なんだろう。自問自答しながら、人として成長して行きます。逆に、順調に行きすぎる人ほど、成長できていないものですよ!
私もスクールの生徒さんをずっと応援して来ましたが、失敗しながら成長していくたくさんの姿を見てきました。
そんな人は本当に尊敬に値するほど素敵な大人になって行きます。

そう考えれば、面接の失敗も必要悪です。乗り越えて行きましょう。

長い闘いとなるアナアンサー試験に、ちょうど今挑戦している人もいるかもしれませんね。
どうかみなさん頑張って下さい!

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