何があっても乳首を口から離してはいけない
自分で移動することができず、唯一できるのは「手足をじたばたさせる」「泣く」という動作だけ。
眠くても泣く、寂しくても泣く、そして何より腹が減ったときはこの世の終わりのように泣く。
唯一口にする「ミルク」という飲み物を与えてもらったときは、「待ってました!」と言わんばかりに哺乳瓶の乳首にかぶりつく。
洋服やお風呂は無くても最悪しばらくは生きていけるかもしれないが、ミルクが無ければすぐに死んでしまうから彼らとしては当然だと思う。
何かの拍子に乳首が口から外れると、またすぐにこの世の終わりのように泣く。テレビやスマホを見ていてうっかり乳首を口から外してしまいこの泣き声を聞くと、親として本当に申し訳ない気持ちになる。
彼らが満足するまで、何があっても乳首を口から離してはいけない。
たとえ自分がトイレに行きたくなっても、
たとえ自分が体のどこかがかゆくなっても、
たとえ佐川急便が玄関でピンポンしていても、
たとえ職場から電話がかかってきても、
たとえ火をつけていたみそ汁が鍋から吹きこぼれても、
たとえ耳の近くに蚊が飛んでいても、
たとえ震度3の地震が来ても、
たとえ握力に限界が来ていても、
たとえ横で妻が怒鳴っていても、
たとえ粉ミルクと水の割る配分を間違えたことに授乳中に気づいても、
たとえ授乳クッションにミルクがこぼれまくっていても、
たとえ実家の祖母が危篤でも、
子が満足するまでは哺乳びんの乳首を口から離してはいけない。
・・・というのはただの誇張だとしても、親として、乳児の数少ない毎日の楽しみに水を差さないために、最大限気を付けてやりたいなあと思った。
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