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「おんなじ夏」【詩】

手をひかれ
川あかりの夏
雨……のにおいが急にきて
どこへ駆けだすのか

そんなにあせらないでもよかったのに
ぼくらはふいに言葉をあきらめ
背中を丸めた
夕暮れる町

ああ
ちゃんと話しておけばよかった
もう遅いのか
無言のその手にまねかれて
この空の下
どこまでいっても
おんなじ夏がある

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