「東京行き」【詩】
葬儀のあと
やけにさっぱりした顔が映る
雨の車窓
頭のなかはかたくなで
吐く息はぬるい
言葉もつきた この深夜に
凝固した星ぼしの
いっさいはとめどなく流れてゆく
死んだら ひとはどこへ帰るんやろうな、と
だれかがささやいた気がした
わたしの生まれた故郷の訛りで
ぽつりぽつりと灯が落ちる
心はいま ずっと軽やかで
古い歌をきき
すこし涙する
おみやげのメロンパンを齧りながら
ラジオのボリュームをほんのすこしあげよう
ゆっくりと
明るんでゆく
夢もいくつか途絶えてしまった
なに