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あるとき 太陽が尋ねた 美しい翼のかわりに 想像力をもらった人間が なぜ羽ばたこうとしないの…
季節が ぼくの体に流れてゆく ぼくの体は すべての季節の去ったあとで 透明な澱となる どこか…
遊覧船の甲板から わたしの投げた石ころは みずうみのまんなかに 小さな波紋をえがいて消えた …
言葉とは 悲しみの結晶 喜びの余韻 悴む手に触れる 雪の花 つんと痛む その一瞬までも 慈しみ…
夏の夜 きらびやかな都会暮らしに 疲れてしまって 少年は 川ぞいの緑のなかを どこまでも歩い…
晴れの日の相方よりも 雨の日の相方を 生涯の友にえらぶ うれしいときをすごすことよりも 悲…
人として生まれたどうしが 傷つけあうことを 心から憎むあなた あなたはときどき そっぽを向いた冷たい他人を 無性に傷つけてしまいたくなる わたしには痛いほど あなたの苦悩がわかるし ある意味では米粒ほども あなたのことはわからない ああ 21世紀の地球人よ わたしとあなたとの かけがえのない同胞よ 鋼のような矛盾を だきしめて 傷つきながら 生きよ そうして 傷をもったどうしでしか 本当に慰めあうということは できないのだから
うたかたの 夢をえがいて 冬の朝に 車輪はきいきい歌っているが ぼくは孤独を噛みしめる 凍雪…
水に手をふれるとき 心がうたいはじめる 流れるようなメロディが 透明の言葉をのせてくる つ…
お腹をすかしたきみに ぼくはパンをあげられない ぼくは歌をしかあげられない 日常につまずい…
サファイア色の目玉二つと 真一文字にむすぶ唇 たったそれだけを動かして 60年代のスーパーマ…
あどけない 白雪よ あの子の 美しい 傷跡に 精いっぱいの 若さと 銀河のような 痛みを とどけ…
桜の花の 咲いて 散るまでの 一瞬を わたしは 永遠とよぼう 終わることのない夜さえも 目をと…
雪という字の下はんぶん どうして白ではいけないの こんなにも白いものをわたしは ほかにしらないのに 時という字の右はんぶん 古いお寺に美しい日があたる そんな景色をおもうとわたしは 時間をとめてみたくなる 空という字の上はんぶん 空に穴があいていることなんて 想像したこともなかったけれど たしかに両手をひろげてみると わたしはこのまま宇宙のかなたに 吸いこまれてもいいとおもう