母はすぐには母になれない、子もすぐには大きくなれない

前回、前々回と子育てのプラス面マイナス面という切り口で書きましたが、やはりそうスパッと分けられない部分がありますね。
今回は標題に関し、思ったことを徒然なるままに…

まず、子育てにはなんの見返りもありません。
将来的には感謝の意を述べたりとか、老後の面倒見てくれたりするのかもしれませんけども。
乳児のうちは、ただ泣く子供の欲求(メシ、フロ(ケツ気持ち悪い)、ネル)をなんとか満たすことが子育てです。
一つの仕事、という視点で見ると全く金にならないし、理不尽に、空気も読まないわがまま上司です。超ブラック企業。

乳児の頃は見返りといえば、たまに見せる笑顔くらいですかね。これも数ヶ月たたないとでませんが。
母親も、初めはただの義務感でしか動いてません。死なせてはいけないという危機感から世話してます、わりと。
そしで、徐々にこの泣きかたの時はメシ!(ミルク)みたいに、お互いの阿吽の呼吸ができてきます。

幼児くらいになると、上記阿吽の呼吸がだんだんしっかり定着して(全集中・常中!)、子供が離乳食を食べ、言語を話せるようになり、コミュニケーションとれるようになったら、やっとちゃんと育ててる実感が湧くような気がします。母親してるじゃん、私!

私の場合は、乳児期〜幼児期の頃が一番つらかったです。
乳児期の間は、ある程度やることが決まってて、なんだ派遣社員じゃんみたいな。仕事内容決まってて、上司(赤子)の指示通りに動いてればよい(メシ、フロ、ネル)。でも残業多いよ。(給料出ないけど)
しかし、幼児期は上司(幼児)の指示が明確でない(欲求の多様化につき)ため、自分で察して仕事をしなければならず(何、何が気に入らないの⁈)、さらに自分から新しい仕事をしなければなりません(離乳食、しつけetc.)。そして残業多いよ。(やっぱり給料出ないよ)おぉ…ブラック中小企業正社員…ザ・社畜…

このように、派遣社員→正社員のギャップに苦しんでいたのです。上司(我が子)の態度の豹変ぶり、仕事内容(お世話内容)、賃金の低さ(自分時間の減少)…
そんなこんなでこの時期はけっこう病んでました。もう社会人(母親)無理!辞める(出て行く)!というくらいに…

それから数年経ち、今はそんなこともあったなぁと穏やかに思い出せるくらいに落ち着きました。
子供が大きくなり、きちんと欲求を伝えられるようになったこと。
母が働くことによって、母親という役割のみに縛られなくなったこと。
それによって、ようやく母と子は深い絆を結ぶことができたのでした。
ちゃんとした母親になることを諦めて、ようやく私は母親になれた気がします。

この記事を読んだ方には、母親になりたくてもなれない人、過去そうだった人、望まないのに母親になった人。そのような方のそばにいる人、過去いた人。周りにそんな人いないという人。色々な人がいると思います。

母と子、ひいては家族という関係にはどうしても暖かい幸せなイメージがつきまといます。本、映画やドラマなどで、そのようなものとみんな認識してしまっているからです。
でもそのような在り方に縛られなくてもいいんじゃないでしょうか?
あんなの都合の良いようにいいところだけすくいとった、ただの上澄みです。現実は、その下のどろどろが普通です。どこもそんなもん。

何事も初めてのことは不安なものです。ましてや子供なんて未知のものを産み育てるなんて。話も通じないし、ほとんど宇宙人です。
初めてだからこそ、やり方にこだわらなくてよいのではないかと思います。
あなたはあなたなりの落としどころを見つけてください。
そして本当に辛い時は、投げ出す前に周りの人に助けを求めてください。
世の中優しい人ばかりでないし、助けてくれないこともあるかもしれませんが、何かが変わるかもしれません。
助けを求めることで、あなた自身が変わることもあるかもしれません。

私はそうでした。夫に助けを求め、直接的な助けは得られなかったものの、自分がかなり危機的な状態にあることに気づけました。それから専門の病院で治療を受けることに決めました。
何か一つ変われば状況が大きく変わることもあります。

あせらず無理せずゆっくり母親になってください。
時間はたっぷりあります。子供もすぐには大人になれないのですから。

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