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ときどき立ち止まり振り返ること

もうすぐ東京での個展が始まります。その個展直前の今、急に思い立って手を動かしています。無計画、毎度のことですが。

マルスを始めてから、ものを作って買っていただき、生業にするということについて考えながら進めてきました。

作ることは趣味ではないからしっかり計画を立ててやらなくては。と常々思いながら自分のお尻を叩いていましたが、2020年一念発起して東京に拠点を移そうかとひそかに計画を進めていました。

その前年まで関西、主に大阪の百貨店や年に一度のギャラリーでの個展や時々イベント出店、が活動の場でした。正直そのサイクルの中でやっている自分に対して疑問や苛立ちが沸々と、もう少し広い世界を見たいという気持ちになっている時に東京で個展をしてみようと場所を探し始めました。

周りの方にお話を聞いた中でとても素晴らしいギャラリーを知り、ぜひここでやりたいけど敷居が高いなぁ、、とりあえず百聞は一見にしかずだと、東京へ。久々に夜行バスを利用し、初めて一人で旅した時のことを思い出してワクワク。

実際ギャラリーの方のお話を伺って、2020年に個展をすることを快諾いただきました。そして滞在中に東京のとある区で行政が行なっているものづくり支援プロジェクトを知ります。

若手の(始めて間もない)ものづくりを支援、バックアップしていただきつつ期限付きで機材等設備が整うアトリエを借りながら活動を行うというもので、その後事業計画書を書きエントリーして数回の面接を経て、なんとパスしていました。

その頃大きな合同展示会に出展する機会もあって、いよいよ大海へ!という2020年2月。なんか客船の中で新種のウィルス云々のいうニュースが流れ出しマスク売ってないと大騒ぎしている頃です。展示会自体の集客数は激減だったようですが、とてもいい出会いがあり、大海に手漕ぎボートで乗り出した瞬間でもありました。

この騒ぎで、というわけではないのですが色々自分の中の問題、しっくりいかない何か、があって東京へ拠点を移す計画を白紙に戻し、大阪に拠点を置いたまま東京で年に一度個展をしていくことに決めました。

そこからご存知の通りどんどん状況が悪くなっていき、出店予定がキャンセル続き日常生活自体も危うくなっていくという状況。アトリエと住居を別にしていたのをひとつにしようと物件探しを始めようかというタイミングで、奈良の物件を教えてもらい内見、即決。東京ではなく、なんと奈良に拠点を移すことになりました。

東京の個展も延期にしてもらって、落ち着くことを願いながら縁もゆかりもない奈良の暮らしをスタートさせました。

この1年のために前年から一念発起して、計画してきたことが何ひとつ計画通りにならなかったこと。予期せぬ事態とはいえ、計画するってなんだ?というそもそも計画を立てるなんて無縁だったんだから、よおおおし!ってわざわざ計画するぞーっていう構えはいらないのかもしれないと思ってやめた。

思うままに。その思うままを世に出すスケジュールを組むだけで、練りに練ったマルスの事業計画的なものを立てないことにした。とても自然なこととして。

そもそも趣味でも仕事でも手仕事は美しいし、私の好きな手仕事は生活の中にある手仕事だった。

構えすぎず、自分の中にあり続ける好奇心や知りたい欲求を満たし、アウトプットしたいことをかたちづくる作業を続けていくだけだと改めてここに記しておきます。

たまにくじけることもあるので、備忘録として。手漕ぎボートは休みながらもゆっくり旅を続けていきます。

2回目の立ち寄りの船着場である東京ハコギャラリーさん、今回はどんな展示になるのかな。楽しみにしています。


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