【創作雑談】安易な道を選ぶな
こんな小説の相談を見かけました。
それはやめてください。安易な道です。
●主人公視点からでも相手が思っていることは描写で伝えられる
例えば、主人公の視点からでも、ヒロインが主人公のことを好きなことは「描写」で伝えられるはずです。
主人公はヒロインがなぜそんな態度をとるのかわからないけれども、読者はそのヒロインが主人公のことを好きだと感じ取れるような「描写」はいくらでも表現できます。
それなのに、安易にヒロイン視点で心情描写を入れて、直接的に好意を表現するのは安易すぎます。
むしろ、視点をころころと入れ替えることで、読みにくくなります。
マンガであれば、そのような表現は可能となります。
マンガは様々な人物の視点を同時に描けるからです。
でも、小説においては、とある人物の視点から物語を語るために、安易に他人の視点を入れるべきではありません。
例えば、主人公に対してツンばかりしているヒロインが、後々ヒロイン視点で語られた時に実はヒロインは主人公が大好きだけども、つい意地悪をしてしまっていたとわかる、というのならまだわかります。
でも、主人公視点だとヒロインが主人公をどれだけ好きか伝わらないので、ヒロイン視点を取り入れる、というのは安易な道です。
●安易な道を選びがち
あくまでも上記は一例ではありますが、物語をつくる上で安易な道を選びがちです。
その他にもいろいろとありますが、作品制作中に「難しい」と感じる壁にぶち当たると、そうした安易な道を選びがちです。
それでは、作品の質も落ちます。
●難しいからこそ盛り上がる
『ジョジョの冒険』の荒木飛呂彦先生は、第四部のボスの吉良吉影をあまりにも無敵に描いてしまい、「どうやって主人公たちが倒すのか」と頭を抱えたそうです。
しかしながら、だからこそ主人公が仲間達と力を合わせて吉良吉影を倒す展開が熱く、盛り上がったわけです。
『五等分の花嫁』も全員ヒロインが魅力的であるからこそ、どの子にもファンがつくわけだし、主人公が最終的に誰を選ぶのか読者はわくわくドキドキするわけです。
そんなわけで、物語をつくる時には安易な道を選んでいないか、をよくよく考えてみてください。
その安易な道は物語の質を落としているかもしれません。
これは創作者としての自分自身への戒めでもあります。
最後までご覧いただきましてありがとうございました。
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