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【ゲーム感想】テイルズ・オブ・アライズ

 ようやくテイルズシリーズ最新作『テイルズ・オブ・アライズ』をクリアしました。
 プレイ時間は50時間ほどとなります。

■テイルズらしくないテイルズ(ネタバレなし)

 全体としては新しいテイルズを目指してグラフィックや演出、バトルのスピーディーさが強化されてよくなったところもありつつ、一方で既存のテイルズのよさが薄れてしまったところもあります。

 以下、ネタバレあり感想となります。

■アニメ的な3Dグラフィックはとても素晴らしい

 洋ゲーがフォトリアルな方向に進んで、いかに実写に近づけていくか、というところに力を注いでいますが、今作は日本が培ってきたアニメ的な3D造形となっており、とてもキャラクターの演技は自然でした。

 昔はかなり違和感がありましたが、プレイヤー自身が見慣れてきたためもあり、また、開発側もアニメ的なキャラクターとリアルなグラフィックをなじませる努力をしてきたこともあって、3Dアニメを見ているような臨場感があり、逆に要所要所で差し込まれる2Dアニメに違和感さえ感じました。

 ここら辺は変に洋ゲー路線に走らずに、日本アニメを今時の形にアップデートしたところはとても素晴らしいと思います。

■アクションバトルはとてもよい

 これは誰もが認めるところですが、ゲーム中盤以降、バトルが著しく派手になります。

 ド派手な全体攻撃の必殺技や仲間との連携技をバンバン撃ち、しかもストレスに感じないように数秒で行われるので、非常に見ていてスカッとします。

 これはかなり時間調整も含めて開発側が力を入れたところではないでしょうか。

 ただ、連携技や必殺技にもう少しレパートリーがほしかったなと思います。6人パーティーなので30パターン+全体技6パターン+αあるのですが、連携技はあと各1パターンあるとよかったと思います。

■重厚な世界観やテーマに対して小さい話

 ここら辺はもったいないなと思ったのが、本作はダナ人とレナ人という二つの種族の対立を描いた物語となっています。

 支配される側と支配する側の対立。

 それは今の格差社会や世界情勢を扱っているようにも見えます。

 主人公のアルフェンはダナ人、ヒロインのシオンはレナ人であり、二人が旅をする中でさまざまなダナ人とレナ人と出会いをくり返しながら、格差社会を壊してダナ人とレナ人が調和する世界を目指すことがテーマでした。

 テーマ設定はとても今時でよいと思うのですが、これを生かせていたかというとまだまだ荒削りだなと思います。

 虐げられていた種族を解放→対立する種族が和解の道へと進むというテーマが後半はうやむやになって、全く別の敵が現れてそれを倒すという話になります。

 ここら辺はもっとテーマに絞って展開できなかったかなと思います。
 リアルなことを考えれば確かに二つの種族対立から和解までに時間はかかるでしょう。

 ですが、自分なら例えば最終決戦に向けて、主人公たちパーティーを今まで出会ったダナ人とレナ人が協力して助けるなどして、二つの種族が和解の兆しを見せるなどできたと思うのです。

 さらに、世界観としても主人公たちは各所領に出かけて、悪代官のような領主を倒すという水戸黄門のようなストーリー展開になっていたのは残念でした。協力者もあくまでもゲリラ活動している人たちばかりだし。

 ゲリラ活動も主人公達に情報をくれるだけで、実際にゲリラとして戦っているシーンは少ないので、虐げられていた人々が蜂起している感覚が薄いのですよね。

 領主5人を倒すと唐突に現れるラスボス……。
 実はレナ人も元はダナ人であり、ある目的のためにシステム化された戦いであったことがわかる、というのは肩透かしでしたね。

 もう少し国全体が広がっている感じが伝わるとよいと思いました。

■キャラの魅力も薄い

 キャラクターデザインはとても魅力にあふれていると思いますが、実際のキャラクターとしての魅力は薄いかなと思います。

 アルフェンの武器好きやシオンのごはん好きがわざとらしく見えます。

 アルフェン以外のキャラクターも回想という形でバックボーンをもっと丁寧に見せてくれたらもっと感情移入できたかなと思います。
 シオンやリンウェルの幼い頃も見せてくれたらよかったと思います。

 声優さんの演技は素晴らしかったし、キャラクター同士の会話は従来のテイルズらしさがあってよかったですし、後半は結構各キャラクターのことが好きになりましたが、浮いているところも多かったので、キャラクターとしての魅力はもう少しほしいです。

 ストーリーとテーマとキャラクターがしっかり結びついていなかったのがもったいなかったと思います。

 そんなわけで、新しいテイルズを創作しようという挑戦的な姿勢は評価したいですので、次回以降に期待したいです。

 最後までご覧いただきましてありがとうございました。

 

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