【毛玉】
もふもふ毛玉のぼく
部屋のなかをころころ転がる
新しい毛玉とひっついて
もっと まるまると大きくなる
はじめは小さな毛玉だったのに
もっと、もっと と大きくなる
いつしか、毛玉に目がついて
キミの顔をはじめたみたよ
いつしか、毛玉に耳がついて
キミの声をはじめてきいたよ
優しいキミの笑顔、
そして、ぼくを呼ぶ声
ぼくのココロが踊りだす
ぼくもキミに喜んでもらいたいのに
どうすればいいかわからない
こんなに想いがいっぱいあるのに
見つめているだけでは伝わらない
ぐるぐる、ぐるぐる
こんなにも苦しいなんて
ぐるぐる、ぐるぐる
こんなにも伝えたいなんて
すると、いつしか口がついて
やっとキミに伝えられる
今までの気持ちを心から
絵:もりやま あきこ