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後に妻となる女性にやけっぱちで告白した選択

大学1年生、入学して間もない6月に、後に妻となる女性に告白した。
ぎこちない告白だった。
思い出しても恥ずかしい。
いや、色々と細かいところを思い出せない。
おそらく脳が思い出すのを拒否している。
「好きです、つきあってください」
ということを言ったのだろう。
同じ学部学科だった彼女を講義の後に呼び出して、外国語センターか何かのロビーのソファに座って告白したことは覚えている。
そもそも、その日の朝まで告白などする気は無かった。
ポイントは前日の夜だ。
気持ちが盛り上がって不眠になっていた。
おそらくその日までの言動で彼女は自分の思いに気づいていただろう。
同じサークルの周囲の人々にもバレバレだった気がする。
前夜はほぼ不眠で通した。
朝方になって、もう苦しい、辛いと思った。
ここから解放されるには、告白してフラれるしかない、と考えたのだ。
つまり、楽になりたかったから告白するという選択をしたのだ。
勝算も何も無かった。
自分に自信も無かった。
何しろ大学受験に失敗し、2年間浪人した結果、ようやく大学生になれた時点ですでに二十歳、お酒も堂々と飲めるし、煙草も吸えるおっさんだったのだ。
告白もまったくスマートではなかった。
戦略も戦術もゼロ。
しかし、予想外なことにすぐにはフラれなかった。
そこから告白の返事が曖昧なまま宙吊りの期間が続いた。
今となっては、その宙吊りが恋愛の醍醐味だったとわかる。
しかし、当時はきつかった。
毎日のように心が右に下に揺れた。
熊本動物園のバイキングのように吐き気がした。
それでも、結果、その女性が後に妻となったのだから、当時の自分のやけっぱちの告白を賞賛したいと思う。
恥をかいてもいい。
ちょっとブルーハーツの甲本ヒロト的なノリで告白とか、色々とやってみたことが未来に接続していると感じる。
ジョブズの点を打つような話でもある。

#あの選択をしたから

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