【心理支援】人と関わりたいけど、困ってます!
この記事は、選択性緘黙症で困っているお子さんの、啓蒙活動として書いています。少ない人数ですが、当事者の方々はとても困っています。それでは論文をもとに解説していきましょう。
ネタバレ
選択性緘黙症は脳の機能異常と言われる。
緊張してしまうけど、実は色んな人たちと関わりたい気持ちがある
安心できる環境では、自分を表現することができる。
緘黙症の方々の生の声
選択性緘黙症とは?
選択性緘黙症のお子さんの90%以上が、社会恐怖や社会不安も持っており、そのため学校などの特定の場面で話せないという特徴があり、会話や社会的交流に対して実際に恐怖を感じています。
このお子さん方は、気軽で安心でリラックスできるような場では、普通に話すことができます。
なぜ、選択性緘黙症になるのか?
選択性緘黙症のお子さんは、恥ずかしがり屋さんで、気の小さい子どもをより極端にした印象です。しかし、脳内では『扁桃体』が大きく関係しています。
扁桃体とは、ヒトの脳の奥に存在する、アーモンド(扁桃)のような形をした場所で、沢山の神経細胞の集まっています。その神経は、感情の処理や記憶において、とても重要な役割を果たすことが示されています。
外側からのちょっとした刺激で、この扁桃体が、大きく反応してしまい、恥ずかしい気持ちや不安、パニックなどのネガティブな感情が強く起きてしまうことが分かっており、原因の1つではないかと言われています。
特徴
話さない
無表情、笑わない、視線が合わない、社会的交流を避ける
言葉を使わない受け答えも難しい
心配、不安への過剰傾向
他の人からの働きかけに反応がゆっくり
感覚過敏(聴覚・味覚・触覚など)
感受性が強い(芸術肌)
学校生活(超大切!)
緘黙症のお子さんは、とても不安であるものの、他のクラスメートや先生と関わりを持ちたい、話しかけてほしいという気持ちを持っています。ただ不安な気持ちが強いだけで、学校生活を楽しく送りたい気持ちは、どのお子さんも同じです。
このことを前置きとして、続きの記事をご覧ください。
学校生活(人との関わり)
緘黙症のお子さんは、その過剰な不安から、学校生活でも話せないことがほとんどです。また話せないだけでなく、先生やクラスメートとアイコンタクトやジェスチャーを使うことも難しいため、人と関わることを避ける傾向があります。
さらにその特徴から、クラスメートがどのように関わって良いのか困ることがあり、その結果、学校生活では孤立してしまうことが多いと言われ、より話さない状況を作ってしまうことがあります。
学校生活(休み時間・給食・掃除)
学校生活の中では、ハッキリとに何をするのか決められていない時間として、休み時間や、給食、掃除があります。このように個人の意思で行動できる時間は、緘黙症のお子さんにとって、何をして良いのか分からず、苦痛な時間になりやすいと言われています。
適切な対応
担任の先生は、緘黙症のお子さんの行動や気持ちの特徴を十分に理解したうえで、緘黙症について、クラスメートの理解を促し、良好な関係性を築くこと
苦手な課題や場面には、様々な手段を用いるなど柔軟に対応すること
緘黙症のお子さんが孤立しないように、活動への参加を可能な範囲で促すこと
近年、学習指導要領の変更で、『アクティブ・ラーニング』が導入されているが、緘黙症のお子さんには十分な配慮が必要である
まとめ
論文を元にまとめてみましたが、やはり当事者の生の声を聞くのが1番だと思います。ほんのちょっとした言葉かけや気遣いが、緘黙症のお子さんの勇気や力になると思います。STとして、何かお手伝い出来ることがあると良いなぁ。
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