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スウェーデンの女性のように

色々あって
仕事でイラストレーター兼、ライター
のようなことを引き受けることになった。

前職が広告の制作会社だったので
デザイナーやコピーライター、カメラマン、イラストレーターなど様々なクリエイティブな人たちと一緒に長年働いてはきたが
私は?と言うと営業で、
その人たちの作るものを見て、
クライアントと調整して、
時間やお金を数える、
それがメインだった。

プライベート、趣味以外では絵や文を書いたことはない。

が、どんな巡り合わせか

親会社の肝入りプロジェクトについて
私が書いたり、描いたりして良いらしい。

ふと書いた叩き案が採用された模様。
これからクライアントと詰めて
ブラッシュアップする作業はマストだが、
私がやる
ということについては
クライアントもアグリーらしい。

まじか。



ずっと絵を描く仕事がしたかった。
文章を読むのも好きなら、書くのも好きだ。
上手いか下手かは置いておいて

5歳になった息子にさえ
しょっちゅう描いた絵を見せて
「お母さん、ほんとは絵を描くお仕事がしたいんだよね」
なんてこぼしたりするほど
特に絵を描く仕事は、ずっとしたかった

夫が自営業なもんで
私は心配症なもんで
会社勤めを辞めれない

絵を描くならば
副業しかない

そう思って いつかいつか と念じて
ずっとコソコソ絵を描いては
インスタに載せたり、
息子に見せては
「じょーずだねー」なんて
褒めてもらいながらヒッソリと自尊心養っていた。

だからこれは
今の会社員という立場のまま、絵を描ける。
仕事で私の絵を、文を使ってもらえる。
それは
私にとっては
「チャンス」でしかないんだけど
急だし、本当に私でいいの?と
ガラにもなく、びびってもいた。

そんな折
ふと、「男女平等ランキング」にまつわる記事を目にした

スウェーデンは世界でも
福祉が進んでいる国として有名だが、
世界の男女平等ランキングでも
常連の上位国であるらしい。
そんな男女平等ランキングトップを突っ走る
スウェーデンの女性が
ランキング下位常連の国、日本の女性についてこう言っていた。

「スウェーデンの女性は、仕事で
『あなたやってみない?』と抜擢されたら、
ラッキー!!と思うより前に『やります!』と
即答する。でも日本の女性はそういう時に謙遜なのか『私にはまだ早いです』とか『私には荷が重いです』とか言う、全くもって信じられない」

なるほど。
たしかに。

もしかしたら
その抜擢がその人にとっては、全然やりたくないことでチャンスでもなんでもなくて
ふんわり断っただけの可能性もあるけど。
そうじゃないならば、
チャンスだったならば
その発言は日本人の
「女性は奥ゆかしくあれ」的な文化、美学、教育からくるものが半分くらいはあるはずだ。
きっと日本人の中年女性ならば誰しもが
少しくらい思い当たる節があるんじゃないだろうか。

「私なんて」「私にはまだ」
その言葉の後ろには
「誰か私の背中をもう一押しして」がきっと隠れている。

もしかしたら
「私はやりたいわけじゃなかったけど、あの人がどーしてもって言うから」とか
「みんなが言うから」とか
失敗したとき、いや、成功したときにも使える
「言い訳」が欲しいのかもしれない。

でも、
誰かが、その背中をさらにもう一押してくれる
そんなお節介は現実には都合よくは起きない。
チャンスというものは取り合いなのだ。
だからきっと
そんなことしていたら一生チャンスは掴めない。
大体、そんな弱気なやつに、他力なやつに
大事なプロジェクトは任せたくない。
少なくとも私なら。

そもそも
抜擢された方も奥ゆかしければ、
きっとその抜擢をした方も奥ゆかしいんだろうから
「あらそう?本人に負担になったら悪いから
じゃあ違う人で」
と思っても不思議はない。

千載一遇の大チャンスには、本来
即答で「YES」以外の答えは無いのだ。

スウェーデンの女性はこうも言っていた
「とにかくやってみる!で、ダメだったら謝って、また出直せばいい。ダメだった時にはじめて、
まだ早かった。と思えばいいだけ。」

本当にその通り。

日本の男女平等ランキングがなかなか上がっていかないのは
男性が、世の中が、教育が、
家事育児が、
などとその女性の周りの環境のせいにされがちだけど

本当は女性自身のせいなのかもしれないと思ってしまった。
もしかしたら
世の中(日本)は本当はもっと開かれていて
女性の活躍を望んでいるが
当の女性本人が自らを低く見積、もしくは謙遜して、誰かに背中をもう一押してもらえるのを待っていて
その舞台に上がらないだけ
ということも実は結構あるのかもしれない。

なんだか、王子様から手を差し伸べてもらうのを
上目遣いで待つ可愛らしいお姫様みたいだ。
あなたが絶対にふさわしい、
みんなからそう思われて
スポットライトが当たるのを待つ。



でも、私はお姫様ではない。
図太く、貪欲な、アラフォー、ワーママだ。

誰も背中なんて押してくれない
自分の足でしか、本当に自分が望む、好きなところへは行けない
誰も連れて行ってはくれない。
スポットライトなんていらない。
そのことをよく知っている。

びびってる場合ではない。
甘えるな。
誰もその姿を見て可愛いとは思うまい。
少々かっこ悪くてもいいのだ。
図々しいと思われてもいいのだ。
そんなことより

チャンスなのだ。


めいいっぱい頑張ってみようと思う。
図太く
自分を自分で、引っ張り上げていこう。


で、ダメだったら
歳とかクライアントとか関係なく
御免なさいと素直に自分の言葉で謝って
自分の責任として頭を下げて
また出直そう。
少しくらいは傷つくだろう。
こっそり養ってきた自尊心も挫けるだろう。
でも
きっとそこには
厳しくも新しい学びがあるのだろう。


伸び代は沢山あったほうがいい。

まだまだ、人生は続く。

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