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3月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は電気・ガス料金の負担軽減策で3%台の伸び率継続に。3月貿易統計で、輸出の前年同月比は低い伸び率にとどまり、出超額は赤字継続に。―日本の主要経済指標予測(2023年4月7日)―

3月全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+3.1%程度と2月と同程度か(4月21日発表)

3月の全国消費者物価指数・総合の前年同月比は+3.2%程度と2月の+3.3%から0.1ポイント程度鈍化するものの19カ月連続の上昇になると予測しました。1月分の+4.3%からは1.1ポイント程度上昇率が政府の電気・ガス料金の負担軽減策の影響(寄与度、2月は▲1.01%)や全国旅行支援の影響(寄与度、2月は▲0.13%)により鈍化するとみました。

3月の全国消費者物価指数・生鮮食品を除く総合の前年同月比は+3.1%程度と2月の+3.1%と同程度の上昇率、1月の4.3%からは1.1ポイント程度の鈍化で、19カ月連続の上昇になると予測しました。3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は+3.8%程度と2月の+3.5%から0.3ポイント程度上昇率を高め、12カ月連続の上昇になるとみました。3月31日に既に発表されている3月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)と3月大阪市消費者物価指数(中旬速報値)のデータを地域差による若干のウエイトの違いを考慮し利用することで予測しました。

関連データである3月東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)では、総合の前年同月比は+3.3%と2月の+3.4%から0.1ポイント上昇率が鈍化しました。1月は+4.4%と高かったのですが、2月からの政府の電気・ガス料金の負担軽減策の影響(寄与度)で3月は▲0.93ポイント上昇率が鈍化しました。天候要因に左右される生鮮食品の3月前年同月比は+4.9%で2月の+5.4%から0.5ポイント上昇率が鈍化し、総合・前年同月比寄与度差で▲0.02ポイント分の低下要因になりました。一方、食料品の値上げは続いており、生鮮食品を除く食料の前年同月比は+8.1%で2月の+7.8%から上昇率が高まり、総合・前年同月比寄与度差は+0.05ポイントになりました。一方、大阪市消費者物価指数・総合・3月(中旬速報値)前年同月比は+3.9%で2月の+3.6%から0.3ポイント伸び率が高まりました。1月は+5.0%でした。

3月の東京都区部消費者物価指数(中旬速報値)では、エネルギー全体の前年同月比は+0.3%で2月分の+5.3%から上昇率が鈍化し、総合・前年同月比寄与度差で▲0.27%の下落要因になりました。内訳は、電気代▲0.13%、都市ガス代▲0.13%、ガソリン▲0.01%です。

3月の宿泊料の前年同月比は0.0%と、2月の前年同月比▲6.1%の下落から横ばいに変わりました。この分での総合・前年同月比寄与度差は+0.07ポイントです。総務省の試算によると全国旅行支援の影響(寄与度)は▲0.15%の下落要因だということなのでそれを相殺する、インバウンド需要増加などの上昇要因もあるとみられます。ちなみに、地方の観光地でも例えば、金沢兼六園の入園者数の前年同月比は1月+35.1%、2月+200.4%、3月+320.2%と増加率が大幅に高まっています。

3月分の生鮮食品を除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は+3.2%で2月の+3.3%から0.1ポイント上昇率が鈍化しました。1月からは1.1ポイントの鈍化です。一方、大阪市の3月は前年同月比+3.7%で2月の+3.4%から0.3ポイント上昇率が高まりました。1月からは1.2ポイントの鈍化です。3月の生鮮食品及びエネルギーを除く総合の前年同月比は、東京都区部(速報)は+3.4%と2月分の+3.1%から0.3ポイント上昇率が高まりました。一方、大阪市の3月前年同月比は+4.3%で2月の+3.9%から上昇率が0.4ポイント高まりました。

※全国消費者物価指数3月前年同月比は筆者予測

3月貿易統計・通関収支差▲16,600億円程度、輸出・前年同月比+1.1%程度、輸入・同+14.4%程度か(4月20日発表)

3月の貿易統計で、輸出額から輸入額を差し引いた通関収支差は▲16,600億円程度と20カ月連続の赤字になると予測します。前年同月の▲4,649億円から赤字幅が+257.0%程度拡大するでしょう。なお、3月上中旬の通関収支差は▲7,481億円で、前年同旬比+802.1%赤字幅が拡大しています。

3月の輸出額は8兆5,483億円程度、前年同月比は+1.1%程度と25カ月連続増加になると予測します。3月上中旬で輸出額は前年比+1.1%でした。輸出が大きく増加した品目は自動車、鉱物性燃料、半導体製造装置で、大きく減少した品目は自動車の部分品、プラスチック、電気回路等の機器でした。3月の輸入額は10兆2,083億円程度、前年同月比+14.4%程度と26カ月連続の増加になると予測します。3月上中旬で輸入額は前年比+13.0%でした。輸入で大きく増加した品目は、石炭、石油製品、衣類・同付属品でした。大きく減少した品目は非鉄金属、医薬品でした。

3月上中旬の原粗油の単価、数量、輸入金額の前年同旬比をみると、単価は72,473円/klで前年同旬比+9.7%程度の上昇でした。数量は前年同旬比▲10.8%程度の減少、金額は前年同旬比▲2.1%程度の減少でした。

※2023年3月は筆者予測値

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。