アニメ業界への道 1問1答! 第9回 「アニメーターの“出来高制”とは?」(その2)

昔に比べて新人でも出来高制にプラスして固定給が付く会社は増えてきましたが、依然として多数派である固定給がなく出来高のみ支払われる賃金体系の「完全出来高制」についてお話しします。

完全出来高制は出来高制と同じく「描いた動画枚数(原画はカット数)×1枚(カット数)あたりの単価=賃金」ですが、これ以外の賃金が全くありません。
つまり、出来高制で得られた賃金のみで生活費や税金・保険料を支出しなくてはいけないということです。

実際に完全出来高制で働くとどうなるか計算してみましょう。

動画単価については作品によってばらつきが大きいため、例として1枚あたりの単価は200円と設定します。
その場合1ヶ月に頑張って200枚描いたとして、1ヶ月の賃金は4万円という計算になります。慣れていない新人なら初めの頃は200枚描けないこともあるかもしれません。
さらに、管理費や指導料を引かれる会社の場合だと単価が160円になったりするわけですから、月収が10万円を切るのは非常にリアルな数字です。

このような状況では自力での生活は難しく、実家暮らしや親に頼る、貯金を崩すという選択を迫られることも少なくはありません。せっかくアニメーターになれたのに精神的に追い詰められるということも現実です。
苦労するからこそ成長できると生活が苦しいことを肯定的に捉える方もいらっしゃいますが、できれば安定した賃金が得られる社員雇用の会社、またフリーランスでも固定費がつくなどといったところを目指した方が精神的にも安定すると言えます。


アニメ業界への道 1問1答!

次回、第10回 「アニメ業界の“会社選びの基準”とは?」へ続く!→

筆者:秋吉 亮
編集協力:天木麻乃(あまき まの)
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