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ナイス・アドバイスは突然に

ひょんと思いがけないところで、その日・その時・その場所で自分が求めている答えや必要な気づきが与えられることがある。本、TV、初めて会う人。私はそれらをすべて神様からの使者だと思うことにしている。偶然と思うより、必然と思うことの方が自分的にしっくりくるからだ。

パートナーの不在時に動かなくなってしまった彼の車の手当てをするため、今朝JAF的な会社に連絡した。3週間ぐらい全くエンジンをかけていなかったからか、キーレスでドアは開かずにエンジンが掛からなくなってしまった。

電話してから30分後にようしゃべる修理工が到着。車のボンネットをゆっくり上げ、調子どう?あらららー、バッテリーがすっからかんだね、どうしちゃった?と言いながら、ポータブルのチャージャーをバッテリーに接続する彼。私にエンジンをかけてアクセルを踏むように依頼するが、私はパートナーの車がよう分からずでうまくできず、結局その修理工にやってもらった。じゃぁこれ誰の車?と聞かれ、そっから私の身の上話が始まった。

実は私、ここ数ヶ月真剣に悩んで決めかねていることがある。アメリカの永住権を捨てて日本に永久帰国をするという事だ。家族も仲の良い友人もみんな日本にいる。実家に通える距離に住んで、家族や友人達と時間を過ごしたい。それが今一番の希望だ。年を重ねれば重ねるほどいい加減帰る時期を決めなければ…と考えてきた。日本は履歴書に年齢を書き、顔写真を貼る国だ。中年女子の私が就活した場合、仕事が簡単に見つかる保証は無い。だから早めに…と焦っている。  就活に年齢の障害がないアメリカでに慣れてきたので、ここにきて自分の年齢の数字の多さに恐怖を感じている。

さて、今日の修理の話に戻るとしよう。修理工から、何年アメリカに住んでいるのか、なにがきっかけでなんのビザでアメリカに来たのか、アメリカの生活が好きか、何歳の時に来たのか…と矢継ぎ早の質問を受ける。 いつ来たかは言わん!逆算すな!と答えると、あんた若くみえるよ、なんて言うもんだから、年齢のことで悩み始めていた私は、気が楽になってついつい木に登りそうになった。マスクをして目から下が隠れているからと言えども、純粋にうれしいもんだ。

私が日本に帰りたいと言うと、その理由を聞かれた。アメリカに住んでいても日系のスーパーで買い物して日本食ばかり食べてると言えば、俺だってアメリカに住んでメキシカン料理食べたりするよ、と返された。日本の家族や友達に会いたいと言えば、それが1番の理由だね、コロナで2年も帰れてなくてホームシックになっているんだよ、日本で家族や友達と楽しい時を過ごしたいよね、って言われた。そ、そうだよ。作業着を着た神様の使者は作業の手を止めて話し、なんだか私の心理カウンセラー的役割を担い出した。別に「日本に帰ればいい」とか「アメリカに残った方がいい」とか「こうすればいい」と助言するわけではない。ただ話を聞いてくれるカウンセラー。

彼はすっからかんのバッテリーに時間をかけてチャージするつもりだったようだが、手っ取り早く新しいバッテリーに変えてもらうことにした。トラックの荷台からバッテリーを取り出し、手際良く取り替えて、計測機につなげて問題なく作動するのを見せてくれた。1週間に一回1時間は運転するようにしてね、バッテリー使わんかったらまた無くなるよー、なんでも永遠じゃないよーと言われた。「なんでも永遠じゃない」って、深いな。さすがMessenger from God。

バッテリーの支払い時にクレジットカードとJAF的会社の会員証、運転免許証を渡すと、私の写真を見て彼がやっぱり若いじゃん、と言った。生年月日も書いてあるのに、そっちは目に入らなかったのか。生年月日はデカデカと真ん中に書いてある。だからからかって言っているのかと思ってすこし照れくさくなったので、私は歳いっちゃってると返した。すると彼から、そんなこと自分で言わないでよ、自分で言うと本当に年老いちゃうよ…と返された。彼の返しはなんか深いぞ。そして、はっとした。私はもともとそういう彼と同じ考え方をしていたのに、日本の履歴書や就活を考え始めたことでおかしな思考になっていたのかも知れない。気づかせてくれてありがとう、使者。

彼が会社に連絡して、経理担当者がクレジットカードの支払いの手続きをしている間も、私と彼は話し続けた。彼は妹と一緒に日本に行きたいと言った。日本の景色に興味あるし、アニメも…と言ったところで食い気味で、私も最近アニメを観ていることを伝えると、二人の会話はどんどんテンポが上がっていった。私がDemon Slayer(鬼滅の刃)から始まって、今はBleachを観ていて今200話目ぐらいだからまだ半分ぐらいで先が長いと伝えると、彼はNarutoをなげーーーと思いながら観続けていて、あとは進撃の巨人と…と色々語り出した。私はにわかファンなためアニメのことで話せる友人が身近にいないから、彼から情報を聞くのが嬉しかった。彼はUSJの進撃の巨人のアトラクションをどうしてもみたいそうだ。学生時代の、友人とお互いの好きなテレビ番組の話をする、あのノリでずっと話した。何年ぶりだろう。このノリに飢えていた自分に気づいた。なにも考えず、ただただ好きなものを話し合うノリ。

クレジットカードのレシートと一緒に、彼の会社のビジネスカードの欄外に彼のおすすめのアニメのタイトルを書いて渡してくれた。会社に連絡している最中に書いていたらしく、そのスムーズな動きになんだかめんくらった。

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Soul Eater ソウルイーター
Sword Art Online ソードアートオンライン
Akame Ga Kill アカメが斬る!

今日の神様からの使者はなかなか良さそうなアニメを紹介してくれた。私の日本永久帰国という悩みに対する答えは出ていない。だけど、そればかりを考えて本来の自分を見失ったり、おかしな思考を始めたり、日常の楽しいことだったりうれしいことだったりへの反応が鈍くなるのはいかん。もうちょっと肩の力を抜いていかなきゃな。

よし!Bleachはまだまだアランカル編が観終わらないけど、神様からの使者のオススメも並行して観るとしよう!悩むより今を楽しもう!

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