心の片隅にしまっていた、友人関係のヒビを思いだす

アラフォーの私は、今まで生きてきた中で一度だけ「オンナの友情」に微妙なヒビが入ってしまい、疎遠になってしまった友人たちがいる。

ザ・人見知りで浅く広く交友関係を持つのは苦手なので、基本友人といえる方々はなんでも話せる間柄だ。

ヒビが入るきっかけは、突然だった。

画像1

みなさんはこれを見て、「あー、しあわせの四つ葉のクローバーね」と思われるだけかもしれない。(その前に、この私が描いたものがクローバーと理解していただけたかどうか不明だが。)

私にとっては「にっくき敵(憎い敵)」である。

3年ほど前、友人Aがこのにっくき敵の儲け話をママ友から聞いてきた。そして「これは本当にすごい仕組みで、ビットコインを日本に広めた人がはじめていて、その人はすでに億万長者だから自分の儲けなんてどうでも良くて、自国である日本からどんどん億万長者を出したいってがんばっている人で、リップルってしってる?今はまだクローズドのなんちゃらかんちゃら...」と私と他の友人Bにも話し始めた。

「秘密裏にまだ水面下で初めてることだから、今は始めればこの後ものすごいことになる。」という漠然としたワクワク感がとまらない、この後理由もなく爆発的に高騰するという儲け話だ。

正直その頃の私は新しい話が大好物だったので、「まぁトライしてみてもいいかな?仮想通貨興味あるし。」という感じだった。MLMの話とスピリチュアルの話を聞くまでは…。

3万円出してもそのうちの30%しか仮想通貨にならない、しかもリップルではなくてクローバーだと。ダメじゃね?全然ダメじゃね?

申込書を見せてもらった。

昭和感まるだしの複写式だった。

これからの時代をになう「仮想通貨」の申込書が、オンラインじゃなくてなんで「複写式」やねん?しかも日本の銀行口座から、四つ葉の会社に銀行振込(!!)をして、「振込証明書」を「複写式」の申込書に添付して、アメリカから日本へ「郵送」しなきゃいけないと。おいおい、どないやねん?

日本の母に電話した。「こういう話を聞いたんだけど…」と。すると母は一回電話を切りその会社について調べた。そしてすぐに連絡をしてきて「あんた、この会社やばいわ。資本金もおかしいし、経営者の履歴もびみょうだわ。」と。

セドナのパワーや各地のパワースポット、神社仏閣、占い好きな日本女子は多い。私の友人たちもそうだった。私はスピリチュアルは大嫌いな人間だ。占いなんてもってのほかだ。20歳の頃に手相をみてもらい「将来玉の輿に乗る」と言われた。全く当たっていない。ますますスピリチュアルは大嫌いになった。

友人たちの間で有名なスピリチュアルの人が日本でクローバーをめちゃくちゃ増殖させていたらしく、そのスピリチュアルが「経営者の一人、元サッカー選手に似た名前の人のオーラがすごくて観音様が背後に見える」的な事を言っていると。私はその元サッカー選手に似た名前の人の写真を見たが、どっからどう見ても銭ゲバだった。なんどもいうが私はスピリチュアルが大嫌いだ。

それを迷っていた友人Bに伝えた。友人Aはもうすでにどっぷり申し込みを完了していた。

その後友人Bがどっぷり申し込みをし、自分の日本の友人にも広めていることを知った。

友人Aは私が申し込みせず断っても「私は私。あんたはあんた。」という感じで普通だった。友人Bが私が断っていても、それでも「この前日本で四つ葉のパーティがあって、著名芸能人がたくさん来て、元サッカー選手に似た名前の方もいらして…でも経営者2人が今分裂中で、元サッカー選手に似た名前の人が今別の会社を立ち上げようとしてて…」って。芸能人が写るパーティーの写真を見せてもらった。中には、パーティー会場に全く同じ花がずらっと並び、それぞれに有名芸能人の名前が書いてあった。正直こわかった。全く同じ花を贈るの?おかしくね?

ダメだこりゃ。チョーさんもびっくりのダメだこりゃ。

私に友人たちが信じているものを止めさせる権利はない。だから聞かれなければ答えていなかった。でもあまりにも遠回りにすすめてくるので(いま思うと、私にすすめていたのではなかったのかもしれない。ひょっとしたら素直な友人Bは、自分が素晴らしいと思っているものを友人である私にも知らせてあげたいという思いやりだったのかもしれない。)、「でもさ、私があんたから買わずに、友人Aから買ったらあんた儲からないでしょ?(MLMだから)」と言ったらびみょうな空気になった。友人Bは友人Aから買っているので、私が友人Bから買えば二人とも儲かるが、私が友人Aから買うと友人Bには一銭も入らない。

なんとなく、距離ができてしまったようにみえた。

いや、私だけが勝手に距離を作ってしまったのだと思う。

そういう時、どんどんズケズケ入り込むのは私は苦手だ。話を変えた。

その半年後に別の友人Cが久々にAとBと会ったそうだ。Cいわく、AとBはうれしそうに四つ葉の話をしていたそうだ。Cははっきりと二人に「そんなの絶対おかしいよ。二人がやりたければやればいい。だけど、仮想通貨の知識のある女子はそれには手は出さない。」とアメリカ式にど直球でガツーンと伝えたそうだ。でも二人は「まぁ、投資は自己責任だから、自分たちでも分かってる。」と。

それから3年間。ほぼ連絡もとらずにいた。お互いどうしてるかな?とは思っていたと思う。だけど、それぞれ日々忙しいし、私以外は子供が何人もいるママさんだ。子供が成長するにつれて平日も土日も忙しくなる。だからそれも合わせて特に「会おう」という連絡はしなかった。

つい最近、日本の首相の薄暗い交友関係を暴くニュースで、四つ葉の会社の社長が取り上げられていたのを見た。これがきっかけで、心にしまっていた友人たちのことを思い出した。この会社のニュースを調べ始めた。「自分は億万長者で儲ける気はない」と言われていた元サッカー選手に似た名前の元経営者は、四つ葉のクローバーの売り上げでザ・高級車を購入していた。三途の川を豪華客船で渡るらしい。お前は歩いて渡れ。大体こんなビジネスして三途の川渡る権利あるんか?日本で億万長者は出たのかもしれない。けど、ただどこかのお年寄りの何千万円がMLMのトップのふところに移動しただけじゃないか。

ふ〜う。深呼吸深呼吸。

にっくき敵なので、グチを書き出すと止まらなくなってしまう。

現在この会社は絶賛返金するする詐欺中で、どこかの県では返金要求の集団訴訟も起こされたそうだ。

おい、スピリチュアル野郎、出てこいや!オケツ100叩きしたろかボケ〜!

あーダメだダメだ。にっくき的なのでどんどんクチが悪くなってしまう。

友人AとBもMLM式なのでいくらか儲けたのだろう。けれど、仮想通貨としての価値が無い事は間違いない。

今回の首相関係のニュースからこの会社の破綻っぷりを見て、なんだか安心した。今ごろは友人たちの勧誘熱も冷めているだろう。この四つ葉のおかげで友人関係になんともいえないヒビが入るのをみた私。でも元々は二人とも大変なアメリカ生活を支え合った古い友人だ。こんな会社のせいでヒビ入れたままにするのは、なんだかシャクにさわる。

数年ぶりに友人たちとのグループLINEを開く。

「元気ー?そろそろ会おうぜーい!」

すぐに会うことになった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?