オススメ参考書7 やさしい高校数学 きさらぎひろし著
オススメ度 ☆☆☆☆
初学者向けの参考書として大切だと思うことがいくつかある。
1. わかりやすさ
当然のことだが初学者が理解しながら読み進められること。丁寧に書いてあることが重要。これについては僕の目線では推測になってしまう部分もある。
2.大切なことがしっかりと書いてあること
講師目線になってしまうがこの問題を扱うならここをしっかり解説してほしいと思うところがある。間違えやすいポイントや数学的に正しいことが書いてあるかなど。この点は受験生目線ではわかりづらいのではないか。
3.到達度の高さ
使用する人が到達度が低いことを理解したまま割り切って使うのなら問題ないのだが、それなりに苦労して1冊仕上げたのならある程度の学力に達していてほしいものだと思う。巷の参考書レビューではこのあたりの本をなんでも入門レベル、教科書レベルと片付けているがかなり差があることに留意したい。
以上、そういった点を総合的に考慮したうえで入門レベルの参考書として薦めたいのが本書である。
入門レベルとしては入門問題精講を以前薦めた。そこで、今回は入門問題精講との違いも含めて説明しておきたい。
現在、入門問題精講はⅢが出ておらず、本書はⅢまで出ている。
本書は入門レベルの内容をゼロからわかりやすく説明する本だ。会話形式になっておりとても読みやすい。途中式も丁寧に書いてあるが式変形だけの点で言えば入門レベルのものとしてはそこまで丁寧ではないかもしれない。証明は書いていないものもある。一方で典型問題としてはそこそこレベルの高いものまで紹介しており網羅性もある。受験問題で点数を取れるレベルまでの力をはやく身に着けるということとわかりやすさに長けた参考書であるように思う。
(どんな人に向いているか)
1つのイメージとしてだが、進学校の中3や高1などで先取りしたい生徒、比較的数学の得意な生徒には入門問題精講を薦める。それに対して数学があまり得意でない生徒、特に高3などあまり時間のない生徒には本書を薦めることが多い。
◎予備校や塾に通っているがそれ以前のレベルが怪しく授業についていけない生徒(特に浪人生)
◎数学から離れていた再受験生
◎数学Ⅲの先取り
〇ゼロから学びたい生徒
(問題のレベル) 1~4or5 (10段階)
数学ⅡBで言えば入門問題精講は群数列の扱いがない。また、積分では1/6公式を扱っておらず、接するときもカタマリ積分ではなく普通に積分計算している。
それに対して本書は群数列だけで2問扱い、積分の分野も網羅性がある。1/6公式はもちろん放物線と円の囲む面積などやや難しいレベルまで受験で頻出な典型問題を扱っている。
(気になる点)
かなり分厚い。ただ読みやすいので厚さの割にははやく進む。
公式の証明は全て紹介しているわけではない。
また、本当に数学が苦手な人は読んでもわからないという意見も聞く。そのような人はとにかく自分で読み進められるものをなんでも良いから進めるのが大切。
※参考書を批判する目的ではなく良いものを紹介する目的です。すべての参考書で気になる点を挙げています。
※手元にはⅢしかないが職場にⅠAⅡBもあり、一通り目を通している。
youtubeの参考書紹介も是非ご覧ください。
オプスタ
僕が代表講師として立ち上げたオンラインプロジェクトです。
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