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リクガメの赤ちゃんを飼ってはいけない理由

この記事を読んでいるあなたが、ペットショップで今まさに可愛いリクガメの赤ちゃんをお迎えしようかどうか迷っていて、検索してこの記事に、ありついてくれたならば、是非一度立ち止まって考えてもらいたいと思います。

結論から言うと、リクガメの赤ちゃん(いわゆるピンポンサイズ)をお迎えすることはおすすめしません。
飼育がとても難しいからです。

もっと正確に言うと、「リクガメ飼育未経験者がベビーを飼うのは辞めたほうがいい」と思います。リクガメをすでに飼っていて、2匹目はベビー、ということだったらいいと思うのですが、他の爬虫類を飼っていても初めてのリクガメは、安心サイズ(1歳半くらい)くらいを、強くお薦めします。

というのも、筆者は1年前、東京レプタイルズワールドというイベントで、ロシアリクガメのベビーをお迎えして私の知識経験不足で体調を崩させ、お迎えしてたったの3ヶ月で命を落とさせてしまった経験があります。

自分への戒めと、同じ辛いことが、亀さんや飼育者さんに起きませんよう、起きるケースが少しでも減ればと思い、記事にさせていただきます。

ロシアリクガメ赤ちゃんは、『亀丸(かめまる)』と名付けて、本当に可愛がっていました。
もう今も書いてて泣きそうなのですが、、かめまるのことは本当に大好きで、大好きで、本当に可愛がっていました。亀はこんなに可愛いものかと。ネットで飼育方法なども調べて、リクガメを20年以上飼っている人に話を聞いたり、ペットショップの亀に詳しい人に聞いたりして、飼うには十分な環境だと思っていました。しかしそれだけでは結果として、不十分でした。

夏でしたが、保温が足りなかったようで、体調不良に気づけず病院に連れて行ったときは、もう手遅れでした。

なんとなく一度図った温度を信じ込んでケージ内に温度計は常備せず、冷房をつけるようになってからは温度が下がったことに全く気が付きませんでした。
今や大変お世話になっているレプタイルクリニックで、先生に「亀飼う資格無いよ」と厳しいお言葉もいただきました。亀丸はそのまま入院となりました。

亀丸の体調不良は夏バテくらいだろうと思って連れて行った私は、帰宅して亀丸がいた空のケージの前で愕然として、自分の情けなさに涙しました。亀丸は私が用意した環境で生きるしかなく、何も悪くないのに、とても寒かっただろうに。愛情をどんなにかけて可愛がったって、しっかりした飼育知識がなく育てた自分が未熟で不甲斐なく、亀丸に申し訳ない気持ちで一杯でした。

温度計を買ってきて、適切な温度を作り、朝と昼と夜の3回、亀丸の居ない空のケージ内の温度の記録を取りました。いつ亀丸が帰ってきてもいいように。

亀丸は入院して3日目で息を引き取りました。 
2019年8月27日のことです。
スマホに病院からの電話番号が表示されたときは、目の前が真っ暗になりました。

その日のうちに亀丸を引き取りにレプタイルクリニックへ。先生へ三日間のケージ内の記録を見てもらいました。
やはり少し温度が寒すぎるのと、暖突の下は少し暑すぎた。ケージ内の勾配がつき過ぎていたようでした。

先生は本当に本当に優しいので、目をパンパンに腫らした私に、せっかくケージがあるのだからまた亀飼いなさい、その時は小さい子じゃなくて少し大きいサイズのね。赤ちゃんすごいかわいいけど、安心サイズがいいですよ。と言ってくださいました。その言葉がなければ、間違いなく今私はまた亀を飼えてなかったと思います。

今冷静に考えれば、
ネットで調べるとある程度情報が出てくるので「知っている」気になってしまっていました。
ロシアリクガメは寒さに強いし丈夫だとか、そういったある意味「情報に溢れている」状況を過信していたと思います。

また、レオパとフトアゴを飼うことにもそれなりに成功していたので、爬虫類飼育員経験者だし大丈夫だろうという過信もあったのだと思います。

実際は、その個体の状態は然り、自分の部屋の間取りやケージが置かれているラックの段数など色々な要素が飼育状況としてそれぞれ影響してきます。ベビーはそのうちの一つでも欠損していたら、体調を崩し最悪命を落とすことになります。

先生曰く、
・飼育後2週間後に健康診断を受けること
(飼ってすぐじゃ飼育環境がわからないので)
・育った個体を選ぶこと

をおすすめしてくださいました。

つい先日、亀丸は一周忌を迎えました。

亀丸が教えてくれたことが、私だけでなく、これを読んでくださった亀を愛するどなたかの心に届くと嬉しいです。

リクガメさんたちが健康で素敵な飼育者さんに出会えますように!

あきやん

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