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IDE「火花-Theri 」見てきました(ネタバレ有り感想)

はじめに


インド大映画祭シークレットB扱いになっていた作品、『火花-Theri』を見てきました。
チラシ画像では、上記の田舎のほのぼのした親子の映画風ですが、まぁそこはタラパティ映画なので、派手なアクションもありました。
ということで、ネタバレ含む感想を自分の記録として残しておきます。

ここから若干ネタバレ含む感想をつらつらと。

映画開始から、このテーマ曲巻き舌で「テゥ~リッ!」と歌いたくなる。

ケララ州でベーカリーを営むジョゼフは娘と2人で暮らしていた。彼はある出来事から過去を隠し、この地に他州から移って来たが平穏な日々は続かなかった。彼の過去とは?なぜ過去を消さねばならなかったのか?
監督:アトリ           
主演:ヴィジャイ/サマンタ
作品データ:2016年/151分/タミル映画

https://www.ks-cinema.com/movie/ide2023/
インド大映画祭2023 
 作品紹介ページより

そういえば冒頭、字幕で「大将 ヴィジャイ」とバーンみたいなのを期待していたんですが、全然なかったですね。
ここ数日、インディアンムービーウィークさんの方でタラパティ作品連続上映していたから、それで慣れていたんで期待していたんですが。

過去をふせてひっそりパン屋をやっているジョセフと娘・ニヴィちゃんのシーンから始まるんですが、主導権にぎった娘ちゃんが見ていて本当ににやにやしてしまうくらい。演技達者だなと。

アトリ監督と、子役のナイニカちゃんのオフショット▼


はじまってすぐは父と娘と、学校の先生(※インド映画で髪が短いヒロインって珍しい。しかも眼鏡)の日常シーンが続くんだけど、ある日地元のならず者といざこざになってしまい、そこから彼の過去がさぐられてしまう……という流れ。

彼が自分の素性を隠していると確信した学校の先生が、ネットで色々調べ始めて彼が警官だったことを突き止め、彼のパン屋へいって、レジにいるハゲ(※字幕で度々そう言われていたから/役名わからない/ガラガラ声なのでどこにいてもすぐわかるね)店員に事情をきく……

ここで主人公の過去シーン。

かつて警官だった彼は、レイプ事件の容疑者だった男が親の権力で(捕まえても)すぐに釈放されることを見越して、逮捕ではなく彼を始末した。それによって命を狙われ、同居の母親と妻を殺される。爆発する家から、なんとか赤ん坊と二人で逃れ、彼は妻の遺言通りに、警官であることを捨て、田舎でひっそり娘と暮らすことにした。

この時点で、一旦警官としての彼は世間的には死亡していることになっていて、敵も彼を探そうとはしなかったんだけど、前述のいざこざのせいで身バレしてしまい、再び娘ともども危機にさらされる……という話。

どうやらこの作品、アトリ監督とヴィジャイさんの初タッグ作品らしいのですが(ツイート見かけた)、え、初の割に、ヴィジャイさんのファンが見たいものてんこ盛りで凄い豪華で、判っているなって感じなんですが。
ヴィジャイさんの童顔が、子役ちゃんとの共演でいっそう可愛さ増すの、これ本当に相乗効果ってやつですね。
他の作品でも、子役と一緒に居る時のキラキラ感増幅度が凄いし。

素性を隠してパン屋として過ごす時の眼鏡姿(しかも襟足のちょっと出た毛をうしろで束ねている!)の可愛さと、
警官のカーキ服(この数日前に「ジッラ」を見ているから、ちょっと思い出してしまう)時代のアクションとか、
お母さんに頭のあがらない可愛いところとか、
そして冒頭の娘ちゃんとの可愛いやりとりとか。
色々詰め合わせセットでした。

ダブルヒロイン物ではあるものの、過去シーンでの奥さんとの描写に比べて、学校の先生とのシーンはあまりなかった。
先生も、主人公の過去を知りたがる余計なお世話系のグイグイくるタイプじゃなくて、ちゃんとわきまえているヒロインだったのが好印象。
娘ちゃんは、どうやら先生とお父さんの仲が良くなるのに賛成っぽいので、将来再婚説もあるけれど、あくまでもこの映画のライスとではまだ父兄と先生の関係だった。
一緒にパン屋で働いていたハゲた彼は、警官時代の部下で、最終的にずっとこの先も一緒なんだろうな、と。上司と部下というより、もう兄貴と弟分みたいなコンビになりつつある気がする。
主人公、娘ちゃん、学校の先生、この部下、4人で暮らしているような描写で終わるんだけど、絶対このメンバーで仕切るのは娘ちゃんなんだろうな。

最終的に執拗におってくる敵はすべて始末をつけ、さらに警官としては死んだままにしたうえで、依頼で色々と請け負うことで生活をしているような終わり方。

最後のエンドロールは、まるでジャッキー映画みたいに、NG集があった。
シリアスなシーンで吹き出して「カット!」ってなるシーン。
ヒロインもなんか凄い顔していたな。
こういう裏ネタ大好きです。もっと見たい。


この程度のネタバレあっても、タラパティ映画の楽しさは半減しないと思ってます。
前半の親子ほのぼの可愛いシーンも、中盤の事件の辛いシーンも、後半の殴り合いのアクションも、全ては見てみないと伝わらないから。

是非、Theri(テリ)見て下さい。

余談

インド大映画祭で、同じ日に「野獣一匹Ⅱ」と「Theri」を続けてみた訳ですが、この順番が逆だったらずっと重い気持ちのまま帰らなければいけなかったので、「Theri」がラストで良かったです。
どちらも違った方向性で好きな映画になりました。