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ディシューム(マサラ上映で)見てきました(ネタバレ有り)


はじめに

先月、インド大映画祭で、ジョン・エイブラハム氏の「野獣一匹Ⅱ」を見てきたので、既にみた事ある俳優さんがいる映画だから、やはりディシュームも見ておこうと、シネ・リーブル池袋さんのマサラ上映を見てきました。
事前にダンスシーンの振り付け指導があったのと、(いつもならマサラ上映はすぐ埋まっちゃうと思うんですが)今回は夏休み期間で色んな映画がどばっとこの二週間で上映開始されたので、そちらに行く人が多くて、マサラ上映なのに1個置きくらいに席に座れたから、のびのび踊れて快適でした。
前にいったマサラ上映、密で、終わった後の汗だく感が凄かったから、今回は、ちゃんと冷房きいた室内で、それでも楽しく盛り上がれたのが良かったです。
別の映画館でも、ディシュームのマサラ上映すでに決まってますが、そちらは時期的にきっとチケット争奪戦になりそうなので、今のうちに参加できて本当に良かった!

ここからネタバレ有りの感想をば。

ディシューム J&K(2016年製作の映画)
Dishoom
製作国:インド
上映時間:124分
ジャンル:アクションコメディアドベンチャー・冒険

あらすじ
アブダビでのクリケット世界大会決勝直前、インド・チームのキャプテンが行方不明に。カビールとジュナイドの凸凹刑事コンビに与えられた時間は36時間。男の友情を描くバディ・ムービーとしても楽しめるアクション。

フィルマークス映画紹介ページより
https://filmarks.com/movies/70692



キャスト

◆カービール(特殊部隊?の警官):ジョン・エイブラハム(John Abraham)
◆ジュナイド(新人地元警察官):ヴァルン・ダワン(Varun Dhawan)
◆イシカ(携帯電話の女性スリ師):ジャクリーン・フェルナンデス(Jacqueline Fernandez)
◆ヴィラージ(クリケットトップ打者選手):サーキブ・サリームSaqib Saleem
◆クリケットの賭けビジネスの商人・ワガ:アクシェイ・カンナ(Akshaye Khanna)
◆サミール・ガージ(プールサイドのウォーターバイクの男):アクシャイ・クマール(Akshay Kumar
◆アブダビ地元の悪党・カブリ・チャチャ (カメオ出演):ヴィジャイ・ラーズ(Vijay Raaz)


※(複数サイトで検証してますが、配役や俳優さんのカタカナ読みに間違いがある場合はお知らせ下さい)



上記の公式トレーラーにある通り、身長差あるデコボコ警官バディもの。
冒頭に歌のシーン、中盤にダンスシーン、エンディングでダンスシーンがあるものの、短期で真面目な警官・カビールは踊りまくったりはしない。
せいぜいヒロインかかえて歌うくらい。

クリケットトーナメントの決勝戦・インド対パキスタン戦の48時間前に、インドのスーパー打者であるヴィラ―ジが突然姿を消した。
インドの外務大臣の元へ、熱狂的なパキスタンファンを名乗る犯人から映像が届き、ヴィラージ不在のまま決勝戦をすれば、試合の後に選手を解放するというメッセージが入った。
国際問題に発展しかけない事態に、インド当局は誘拐事件を隠した形で、特別部隊のカビールを、試合が行われているアラブ首長国連邦のアブダビへ一人いかせ、試合が始まる前までの36時間以内に彼を救出するよう言い渡す。
到着したカビールは、地元警官と当初はコンビを組むが、反りが合わず、結果として新人警官であるジュナイドと組む。



まずはヴィラージのとまるホテル周辺などの防犯カメラの映像などから、誘拐される直前の彼の足取りを追う為、当日夜に遭遇した人物に次々聞き込みに行く二人。(誘拐を表沙汰にできないため、ヴィラージの財布を探しているという建前)

ジュナイドの携帯の着メロがスーパーマリオのテーマ曲で、この後、色んな場面で電話がかかる度に、マリオが流れる。どんなシリアスなシーンでも、だ。そこも見どころ(ききどころ)。

この聞き込み途中で出てくる、自宅(?)プールで豪遊している謎の男性役、どうやらTLで時折名前を見かけるアクシャイ・クマール氏らしい。英語版のウィキペディアを日本語で自動翻訳したら、「パーティーでヴィラージと出会う街一番のパーティーアニマルのサミール・ガージ役」って出てきた。
まだ主演作見ていないから、映画見ている最中は一致しなかったけれど。
下の動画のサムネにもなっている。その髪型はなんだろう。謎過ぎる。
可愛い男性が好きらしく、ジュナイドに色目つかっていた。
まだインド映画初心者だから知らなかったんだけど、note感想かくために色々俳優さんググったら、そもそもこの曲自体が、アクシャイ・クマールさんとジョン・エイブラハムさん主演の作品「Desi Boyz」の「Subha Hone Na De」のリミックスバージョンらしい。
知っている人が見たら、この曲が流れた瞬間に、ゲストでアッキー出てくるんじゃないの?!ってなるってことか。
ちなみに彼に聞き込みする為に、プールに入って来いと言われ、カビール達二人が下着姿になるシーンも。いやそれ、下着じゃなくて水着じゃないの?って思ったけれど。

パーティ会場で見かけたヴィラージに、サミールが記念撮影をお願いするシーン(2分20秒あたり)も、独特のキャラになっていて、クールなスター選手であるヴィラージが唯一「え?」って顔で写っているのが笑える。
そういえば、このサミールの元へ二人が聞き込みに向かう前に、地元のギャングのボスっぽい人のところいくんだけど、そこで二人とも銃を突きつけられるシーンがあって、ジュナイドが何か地元の言葉?でしゃべった途端、彼らが笑いだして銃を下ろすというところ、日本語字幕がはぶかれていたんだけど、下ネタ的な科白だったんだろうか。ジュナイドが何をいったか判らなくて「?」ってなっているカビールと同じ気持ちになった。

屈強なスポーツ選手を誘拐するのに、犯人が一人だけではないはずと複数犯を想定するカビール。

やがてヴィラージの携帯電話を所持していたスリのイシカが捕まり、そこからその携帯電話を持っていた人間の似顔絵を作成し、特徴を掴む。
一方、外務大臣に送り付けたビデオに映っていた自称パキスタンチームの熱狂的ファンである男を逮捕するが、実は真犯人に脅されて、芝居をしただけの売れない役者だったと判明。
そして彼に芝居をさせた男と、イシカが証言した男が同一人物と判る。
やがて男が発した言葉遣いから、出身地が割れ、カビールとジュナイドは、彼の故郷へ行き、似顔絵を元に聞き込みする。やがて街の地下へ導かれ、腕相撲勝負で女性を我が物にする勝負をしかけている似顔絵の男と遭遇。
しかしカビールがヴィラージはどこかと尋ねたことで、イシカを連れて逃亡する男。あと一歩のところで、男はカビールたちの目の前で射殺され、ヴィラージ奪還に繋がる道が絶たれた。
カビールとジュナイドは事件から担当を外され、カビールはインドへ戻るよう言い渡される。実際、犯人への繋がりが一切なくなってしまい、やることがなくなったカビールは仕方なく帰ることに。ジュナイドとイシカは、空港の外で彼を見送る。
カビールが飛行機に乗ったころ、彼への思いを互いに話していたジュナイドとイシカ。そこへ以前、迷い犬を見つけた際に、彼がもう迷子にならないようにつけておいた首輪の映像情報が、ジュナイドの携帯に入る。
飼い主の元で元気に暮らしていることを喜ぶジュナイドとイシカだったが、やがてその犬が連れられた船に、誘拐されたヴィラージが居ることを知る。(中盤からこの伏線は出ていたし、ご都合主義だけど、この展開、大好き)
ヴィラージの居場所が判った!として、慌てて離陸直前のカビールの飛行機に飛び乗り、彼をハイジャック犯として飛行機から連れ出すことに成功。
そのまま二人で、犬の首輪からの映像を元に、監禁である船を探し回る。途中、犯人である飼い主が映像にばっちり映るので顔も判明するが、相手がカメラの存在に気付いたため、映像は中断。
船を探し出して、犬も見つけるが、船室にいたのは時限爆弾をとりつけられたヴィラージだった。服を脱ごうとすると、爆弾が作動する。脱ごうとしなくても、残り時間がつきれば爆発する。
犬の首輪に書かれた連絡先を元に、ジュナイドの携帯に電話してくる犯人。
彼の要求は、ヴィラージを助けるために、50億ルピーを要求。インド政府に事情を離し、犯人の指定口座に送金をするが、彼は「その爆弾に解除方法はない」と言い放つ。

3人をのせた船は爆発。
一方クリケット決勝戦の会場に現れた犯人は、ヴィラージの名を呼ぶ少年に「残念ながら彼は今日でないよ」と笑顔。
しかし試合場が歓声につつまれ、ヴィラージが登場する。
失敗を知った犯人は、車で逃げ出すが、カビールとジュナイドはヘリで追いつき、彼を捕獲するのだった。

とにかく楽しい。


犬が大活躍。その犬を見つけて首輪をつけたジュナイドもグッジョブ。
ダブルわんこの大活躍よ。
本当に、本作ジュナイドのわんこっぷりが凄かった。
爆破から三人が逃れられた種明かしは、ヴィラージの肩を外して、むりやり服をやぶることなく脱いで、三人は水中に逃げていたということらしいが、このクリケットの選手、誘拐前の試合で肩が外れてた時も、壁に肩を打ち付けて自力で肩を戻して痛い思いをしているのに、このマッチョ警官二人に次々に肩を殴られて外され、そしてその後、クリケットの試合にいくの、凄すぎないか。
あとこの選手もただずっと監禁されていたわけじゃなくて、誘拐された時に、犯人から八百長をせまられて一旦はそれを引き受けたことで開放されるんだけど、見知らぬ場所で解放されたので、そこに居合わせた警官姿の人に声をかけて「実は脅されて……」と事情を話して、警察に連れて行ってくれって彼の車にのって警察署長の家へ……
となって連れていかれたのが、先程まで監禁されていた場所で、実は声をかけた警官姿をしたのは、ただの警官コスプレしていた犯人(八百長を依頼した当人)だったという、絶望的な状況に。
先程の売れない役者を使って政府に送ったビデオは単なる時間稼ぎで、当初の目的は選手本人への八百長依頼だったのか。
監禁場所がばれてしまったので、仕方なくそのまま拘束し、場所を移すことになった犯人たち。


当初のこの誘拐、本当に金をもたせて八百長依頼だけだったら誰も死ななかったんだろうけど、予想外の事態で複雑化したことで、面が割れた犯人のうちの一人は射殺されたし、彼に借金をかえせずに訪ねてきた男性も、ヴィラージの目の前で殺されたし、本当だったら犯人も殺しまでは想定していなかったのかもしれない。ただ躊躇なく殺すあたり、今までもこうやって自分が不利な状況になった際に、邪魔な人間は殺していた可能性もある。

とはいえ、犯人の誘拐の目的が、クリケットの試合の賭け事で、インドが勝つたびに自分の収益が減るから、インドには決勝戦には出て欲しいけれど負けて欲しいという、超個人的な理由。
冒頭のシーンで、国際問題に発展しかねない演出をしておきながらの、犯人が政治がらみでもマフィアでもなく、私利私欲の個人だったっていうのが若干の物足りなさはあったかな。
犯人を演じたアクシェイ・カンナさんの出演作はこちらのページに色々紹介があった。(ネット上に彼の日本語ページがあまりないので、参考にさせていただきます)
なんというか、常に困り眉の写真が多い人ですね。

さてこの作品。ヒロインのイシカが格好良くて好きなタイプだったのと、カビールや地元警官たちががシリアス貫く中(?)、イシカやジュナイドが割とコメディ部分担当して、笑いを誘うし、王道だけど変化球も要所にあって楽しかった。何より、ダンスシーンの↓ここで皆で踊るのが楽しかった。

見ている時は気付かなかったけれど、この時のカビールとジュナイドの服の色、マリオ(赤)とルイージ(緑)なんだね。今、気付いたよ。くすみカラーだけど。まさか着メロネタ、ここまで引っ張ってくるとは。

最後、事件を解決して今度こそ帰国するカビールに、淋しいともらすジュナイドと、それをぎゅっするカビールのシーンは、歓声があがってました。
そして話の序盤で彼女にうらぎられて傷心だったカビールが、最後はイシカを連れて帰国するのも良かった。

バディ同士がぎゅっと抱き合うシーンは、1分40秒すぎ辺り。
そういや映画の冒頭ではまるでメンインブラックみたいな感じのスーツ姿の二人が拝める。そこから中盤でスーパーマリオになったり、お揃い下着姿になったり、色んな恰好の二人が見られるのも楽しい。
(下の曲の歌詞付き動画はこちら


でもこのままカビールとジュナイドのバディは終わっちゃうのか……と思って、エンディングに入ると、ジュナイドのお見合い相手がジュナイドに好意をもっていて、彼が会いに行ってダンスシーンという、がらっと場面がかわった予想外のエンディング。
映画みた時はその流れの意味が判らなかったんだけど、この見合い相手に会いに彼がインドへ向かうって、ウィキペディアに書いてある。ってことはその後、インドでカビールと再会?
続きを匂わせるエンディングってことでいいのかな。

この映画は、こんな方向け?

バディものが好きな人
バイクアクションが好きな人
コメディ要素があるのが好きな人
主人公とヒロインがベタベタらぶらぶしすぎていないのが好きな人
(全く無い訳じゃないが、基本ヒロインの登場シーン限られているので)
映画の中に他の作品への小ネタが色々あるのが好きな人
わんこキャラが好きな人

出演者については英語版ウィキペディア参照しました。

キャスト記載欄に本人役が二人ほどいるんですが、これってもしかしてクリケット大会の実況席にいる二人ですかね。