別荘税と空き家税
先日大都市で初、京都市が「別荘税」導入へ という記事が出ていました。
別荘税は以前から熱海市で導入されている税制ですが、今後京都でも導入の方向の様です。
背景としては、首都圏や海外の富裕層に、市内のマンション、空き家が別荘(セカンドハウス)として買われ、京都の子育て世代が住まいを確保できず市外に流出している実態を踏まえての事。
年間最大約20億円の税収を見込むこの税制は、空き家問題、税収減に悩む自治体の空き家税導入のきっかけになるのか。
空き家税はフランスで1998年 7 月に導入された税制で、住宅が空き家のままであって賃貸に付されない場合に空き家である住宅の所有者等に課される税金です。
1998年制度創設時では、その年の 1 月1 日の時点で少なくとも過去 2 年空き家であることであったが,2013年改正後は 1 年とされた。
空き家税の導入については、以前から固定資産税との二重課税になるので、難しいのではないかとの意見もありました。
別荘税での熱海市の見解は「固定資産税は家屋の評価額に、別荘所有税は家屋の延べ床面積にそれぞれ課税しており、課税標準が違うので二重課税ではない」ということでクリアできそうです。
となるとどこで課税・免税の線引きをするかが問題になってきますが、このあたりは神戸市における、下記1~3のいずれかの要件に当てはまる空き家は、地方税法でいう住宅に該当しないとの見解が一般的になりそうです。
こちらの記事は☆☆☆でご確認下さい。
・構造上住宅と認められない状況にある場合
・使用の見込みはなく取壊しを予定している場合
・居住の用に供するために必要な管理を怠っている場合等で今後人の居住の用に供される見込みがないと認められる場合
これについて、以前空き家管理士協会のHPにお問い合わせいただいたケースを紹介します。
現在、空き家管理士による月に1回及び災害時などの臨時巡回をしていますが、記事にある「長年放置され地域の景観を損なう建物については住宅と見なさず、所有者などに解体・修繕の意思がなければ「更地」と同様に固定資産税の支払いを求める。」に該当するかどうか。
というものでした。
この件について神戸市の担当課に問い合わせてみたところ以下のような回答をいただきました。
・単に巡回しているだけでなく修繕などが適宜なされていること
→巡回はしているが、草がぼうぼうで中に入れない状態であったり、屋根が破損して崩れかかったまま放置している状態
・他人に迷惑をかけていないかだけでなく、建物、住宅として成り立っているか
→敷地から草や枝が出ているわけではないが窓が割れて行き来が自由だったり、屋根が抜けていて雨風が凌げず、住宅として利用できない状態
→などに該当すれば住宅用地に対する特例措置が適用されない場合がある、という事です。
現状空き家管理士の皆さんが通常通り巡回して、破損個所などの修繕を行っている限り適用されることはないです。
今回の京都市のケースは、今後税収を増やすため、放置された空き家等を減らすためにも、こういった税制がいろんな自治体で検討されるきっかけになるのではないかと思います。