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【空き家法の改正セミナーレポート】専門家が語る空き家の未来

こんにちは、空き家買取専科 子育て広報の三輪です。2023年〜2024年にかけて空き家に関する法改正が続いていますね。2023年12月には、空家等対策の推進に関する特別措置法の改正(改正空家法)がおこなわれました。

それにともない、2023年12月に、メディア向けセミナー「空き家法改正で、どう変わる?ー空き家法改正ガイドラインを徹底解説!法改正後の影響とは?ー」を空き家に関わる企業の皆さんと開催しました。空き家問題に向き合う専門家たちが一堂に会した貴重なセミナーとなりました。


メディア向けセミナーを開催

「空き家法改正で、どう変わる?ー空き家法改正ガイドラインを徹底解説!法改正後の影響とは?ー」

このセミナーは、改正空家法の詳細とその社会への影響を深く掘り下げる場となり、セミナーは2部構成で進行しました。

第1部:改正空家法を徹底解説!

第1部では、国土交通省住宅局の石井秀明室長が登壇し、改正空家法の背景と目的、そして具体的な内容について詳細な解説を行いました。

石井室長によれば、改正法の最大の特徴は「管理不全空き家」の概念の導入です。これまでは手付かずだった、窓の一部が割れていたり、雑草が生い茂っていたりするなど放置すれば「特定空き家」になる恐れがある空き家に対し、自治体が指導や勧告を行うことが可能になりました。

これにより、地域の安全と美観の保持がより一層強化されることが期待されます。また、石井室長は、改正法が空き家の活用促進にも力を入れている点を強調しました。具体的には、自治体が「空家等活用促進区域」を指定し、そのエリア内での接道規制や用途規制の緩和が可能になりました。これにより、商業施設やコミュニティスペースなど、多様な用途での空き家の再活用が促されることになります。さらに、自治体が民間企業と連携し、空き家の管理や活用を進める「空家等管理活用支援法人」の設立も可能になったことは、官民パートナーシップの新たなモデルとして大きな注目を集めています。

第2部:専門家によるトークセッション

第2部では、空き家問題の解決に日々取り組む4名の専門家がトークセッションを展開しました。

株式会社クラッソーネの堀口晃司氏、株式会社アドレスの坪山励氏、株式会社カチタスの森川晶氏、そして弊社、空き家買取専科の黒田淳将が、改正法によってどのようなビジネスチャンスが生まれるのか、また空き家問題にどのように対応していくべきかについて、それぞれの視点から深い洞察を提供しました。

クラッソーネの堀口氏は、空き家の除却を検討している物件の中には、改正法によって活用の可能性が見出されるケースが増えると指摘しました。改正法により、空き家の活用に関する情報提供や支援が強化されることで、多くの空き家がコミュニティの資産として再生される可能性が高まっていると話しました。

一方、カチタスの森川氏は、新築住宅市場の縮小とリフォーム需要の高まりを背景に、空き家の再生が地域経済にもたらすプラスの影響に期待を寄せました。空き家の再生には、新築とは異なるスキルが必要とされるため、地元の工務店や職人との連携を強化し、地域全体で空き家問題に取り組むことの重要性を強調しました。

弊社の黒田からは、「改正法により、これまで法的な制約で躊躇していた空き家の有効活用がしやすくなり、私たちのような空き家買取を行う企業にとっても、より多くの選択肢と解決策を提供できるようになる」と語りました。特に「管理不全空き家」に対する新たな取り組みに注目し、これによって空き家がコミュニティの資源として再評価され、地域に新たな価値をもたらすことに期待を寄せました。

さらに黒田は、空き家の活用促進を目指す上での課題にも言及し、「法改正は空き家問題に対する大きな一歩ですが、実際の活用にはまだ多くの課題があります。例えば、空き家の状態や立地によっては、活用に向けたコストが大きなハードルになることがあります。これらの課題を乗り越え、空き家を地域社会にとっての貴重な資源に変えるためには、自治体、事業者、地域住民が一丸となった取り組みが必要です」と述べ、全ての関係者が協力して空き家問題に取り組む必要性を強調しました。

このセミナーを通じて、改正空家法が空き家問題への新たなアプローチを提供し、空き家を地域の資源として活用するための道を開いたことが明らかになりました。黒田をはじめとする専門家たちの貴重な洞察は、これからの空き家問題の解決に向けた議論に新たな視点をもたらし、法改正がもたらすポジティブな影響に期待が高まります。

​​空き家対策特別措置法の改正ポイント

改正空き家特措法(令和5年6月14日公布、令和5年12月13日施行)の主要な内容は次の通りです。

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/akiya-taisaku/index.html

所有者の責務強化

空き家の所有者は、適切な管理の努力義務に加え、国や自治体の施策に協力する努力義務が課せられます。

活用拡大

空家等活用促進区域が設定され、市区町村が用途変更や建替えを促進します。市区町村は所有者に指針に合った活用を要請できます。NPO法人や社団法人などが空家等管理活用支援法人として指定され、普及啓発や相談対応などを行います。

管理の確保

特定空家(周囲に著しい悪影響を及ぼす空家)の未然防止に向けて、市区町村からの指導・勧告が行われます。勧告を受けた管理不全空家については、固定資産税の住宅用地特例(例えば1/6に減額される措置)が解除されます。

特定空家の除却等

緊急代執行制度が創設され、緊急時の代執行が可能になります。
所有者不明時の代執行費用は確定判決なしで徴収できます。
市区町村長に財産管理人の選任請求を認め、相続放棄された空き家の管理・処分を対応できます。

財政・金融・税制の支援

空き家対策総合支援事業やフラット35地域連携型など、空き家の活用や除却に関する支援が拡充されます。相続した空家の譲渡所得の特別控除が拡充・延長されます。

詳細 国土交通省 WEBサイトをご覧ください。
住宅:空き家対策 特設サイト

住宅:空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報

相続登記の義務化が学べるセミナーを開催

また、2024年4月1日より『相続登記の義務化』が行われます。
静岡県民の皆様に向け2024年3月21日に、「相続登記義務化直前 空き家セミナー 2024年4月相続登記義務化 あなたの不動産は大丈夫? 〜空き家の法改正と最新情報〜」を開催します。

このセミナーは、相続登記義務化を前に、静岡県民の方々の相続・空き家に対する知識を深め、今後の行動に繋がればと計画いたしました。講師には司法書士法人よつばの杉本氏を始め、静岡県住まいづくり課の職員、藤枝市住まい戦略課の職員、空き家買取専科の黒田が登壇。相続登記義務化、所有者不明土地、空き家の法改正、補助金やサポート、活用・売却について詳しく解説します。
民間企業の事例紹介や個別相談会も予定しており、具体的な対策や相談に役立つ内容が満載です。
どなたでもご参加いただけます。ご参加をお待ちしています。

【イベント情報】
■開催日 3月21日(木)14:00~15:30
■会場  藤枝市民会館 会議室
■参加費 無料
■定員  30名(個別相談 先着5名)
     ※要予約 3/5〜募集開始
■申込先 藤枝市住まい戦略課(TEL 054-631-5750)
■主催  藤枝市空き家ゼロにサポーター
■後援  静岡県・藤枝市

相続登記義務化について

相続登記義務化については、法務局 WEBサイトをご覧ください。
所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)

https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.htm