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【イベントレポ】空き家の会 50,000人記念イベント

こんにちは、子育て広報の三輪です。
2024年6月末、東京渋谷(スペースマーケット本社)にて空き家問題の解決に取り組む全国の関係者が一堂に会し、知識の共有やネットワークを深めるイベントを開催しました。

このイベントは、空き家活用の国内最大のコミュニティ「空き家の会」の会員が50,000人を突破したことを記念し、空き家の会・空き家買取専科・スペースマーケット・カチタスが共同で企画しました。とても濃い内容の充実した内容となりました!今回のnoteでは、主催者であり参加者でもある私の視点からの感想を交えてレポートをお届けします。

空き家の会 代表 光山さん

イベント開催の背景

このイベントは、今年の1月頃に、空き家の会代表の光山さんに、「空き家の会の会員が50,000人達成のタイミングで、都内で空き家活用のリアルイベントを開催したい」と相談を持ちかけられたのがきっかけでした。そこで私は、空き家関係の企業の広報さんたちと開催している、空き家広報会のカチタス、スペースマーケットの広報さんに声をかけ、企画を進めることになりました。

神戸市に住む光山さんと、静岡市に会社がある私ではありましたが、都内に会社がある、カチタスとスペースマーケットのおふたりに助けていただきながら、準備を進めました。企画メンバーは、「こんな方々の話が聞けたら、これから空き家活用をしていきたい人にとって、とても有意義な会になるんじゃないか?」と、当日のスケジュールを企画し、登壇者に声をかけ、登壇の方々にも快くお引き受けいただくことができました。集客についても、あっという間に定員いっぱいになりました。

50,000人記念イベント開催

イベント開始

当日私は、司会などの運営を担当しました。会場は、はじめから参加者の期待と温かい雰囲気で溢れていました。
まずは、空き家の会代表の光山さんが開会の挨拶を行い、空き家の会の目的や、この会がここまで大きなコミュニティになったこれまでの振り返りや、これからの展望について熱く語りました。

また私からは、空き家問題の現状や法改正について、「空き家ゼロにの日」についてお話し、この記念日の意義と啓発活動の成果を紹介しました。

今回のイベントの目的は、「空き家再生・活用の業界を、一般の方・企業の方と伸ばすため」としていたため、全国各地で活躍する方々に登壇していただきました。

【登壇者一覧】(敬称略)

  • 空き家の会代表 光山さん

  • スペースマーケット濱本さん、スペースモール唐木さん

  • ジェクトワン 熊谷さん(特命空き家仕事人)

  • ADDress 用宗A邸家守 八木さん

  • カチタス 森川さん(オンライン収録にて)

  • 空き家買取専科 黒田さん、三輪

  • AlbaLink 井口さん

事業発表セッション

スペースマーケット 濱本氏、スペースモール 唐木氏

スペースマーケットの濱本昭弘さんと、スペースモールの唐木大耀さんが登壇し、取り組みについて発表しました。
スペースマーケットは、空きスペースに新しい価値を吹き込み、テレワークやイベントスペースとして活用するシェアリングエコノミープラットフォームの運営をおこなっています。掲載されているスペースは全国47都道府県にわたり、その数は34,000件を超えます。種類も豊富で住宅、会議室、飲食店、スポーツ施設はもちろん、廃校、お城、寺院など今までは借りることができなかったユニークなスペースもあります 。

空き家を時間単位でレンタルスペースとして提供し、女子会やホームパーティ、商用撮影など多岐にわたる用途で利用されています。具体的な事例として、年間700万円の売上を上げる秋葉原にあるスペースや、年間1200万円の売上を上げる錦糸町にあるスペースが紹介されました 。
スペースマーケットとスペースモールは、さらなる市場拡大を目指し、スペースの空き時間の有効活用や空き家問題の解決に貢献する姿勢を強調しました。

ADDress(アドレス)用宗A邸家守 八木氏

次に登壇したのはADDress用宗A邸家守の八木さん。八木さんは、2022年に開催した空き家ゼロにイベントがご縁であり、空き家買取専科の事務所とADDress拠点が近いことなどでいつもお世話になっています。

ADDressは、空き家をシェアハウスとして活用し、地域コミュニティの再生を目指しています。空き家を新しい居住空間として提供し、地域住民との交流を促進しています。
八木さんは、静岡用宗A邸の活用事例を中心に、空き家をシェアハウスとして再生する取り組みを紹介しました。定年後に空き家を買い、自身でリフォームをし、ADDress拠点をつくり、今では全国各地にあるアドレス拠点の中で最も支持されている家守大賞に選ばれた家守さんなんです。
八木さんのおかげで、全国各地から読み方がわからず、あまり知られていない【用宗(もちむね)】に人が集まるようになっています。さらに先日、「家守が見た!他拠点生活がもたらすこれからの生き方 7プラス1」という本まで出版されました。

ジェクトワン 熊谷氏

ジェクトワンの熊谷氏が登壇し、空き家再生の現場から具体的な取組事例まで紹介してくださいました。
熊谷さんは、特命空き家仕事人として、新潟県三条市にて空き家対策を地域の方々を巻き込んで取り組んでいます。三条市は、熊谷さんが就任後、空き家問題の解消に向けて大きな成果を上げています。過去2年間で空き家に関する相談件数は20倍以上に増加し、空き家の流通は約6倍に拡大しているそうです。

空き家自治会ローラー作戦と名づけ、令和5年度には、市内全域で職員が現地調査を行い、約1,500件の空き家を確認、令和6年度には、未調査地区の継続調査と、地域主体のモデル自治会の募集を進めているそうです。
一般社団法人 燕三条空き家活用プロジェクトも立ち上げ、空き家対策・移住促進、商店街・エリア活性化など様々な活動をおこなっているとのこと。
ぜひ、現地に足を運んでみたいですね。

スクリーフ(空き家の会) 光山氏

空き家の会代表の光山さんは、個人としても会社を立ち上げています。スクリーフとして、神戸市平野商店街の活性化プロジェクト「KIKKAKE PLACE」を推進しています。

光山さんは、船舶エンジンメーカーや家業の石材店での経験を経て、2020年に有馬温泉にある空き家を再生したことをきっかけに、空き家再生の重要性を実感しました。KIKKAKE PLACEは、シェアキッチン、レンタルジム、イベントスペースなどを備え、地域住民や若者がDIYで空き家を再生しながら、経済活性化と新しいイノベーションを生み出す場として機能しています。
光山さんは、大学生と一緒に様々なイベントを開催するなど、空き家を若者や地域の人々が挑戦しやすい場所に変え、地域社会に新しい価値を提供することを目指しています。

カチタス 森川氏(オンライン動画)

カチタスの森川さんがオンライン動画で参加し、買取再販業の事例を紹介しました。カチタスは、地方の戸建ての空き家を買い取り、リフォームして再販する事業を展開しており、買取再販業者ではダントツの実績を持つ企業で、グループ会社も合わせると空き家の再生を年間6,000件以上も取り組んでいるとのこと。 空き家問題や活用に関してものすごく貢献してる企業さんです。

森川さんからは、空き家の問題は一人で解決できるものではなく、多くの人が関わることが重要です。家族間でも話し合い、みんなで考えることが大切です。我々も地方の戸建ての安全性や構造の問題に対応し、専門家を活用しながら事業を進化させていきたいと思っています。空き家を問題ではなく資源として活用し、日本をより良くするために協力をお願いしたいです。とのメッセージもいただきました。

パネルディスカッション(空き家の活用)

次に、光山さんのファシリテーションでパネルディスカッションが行われました。
テーマは下記の4つで、それぞれの視点からの意見がとても興味深かったです。
1.空き家の課題と可能性:登壇者の地域ごとの空き家の実態とその活用の可能性について
2.政策と規制の影響:地方自治体や国の政策、規制が空き家活用に与える影響と課題
3.地域コミュニティとの連携:地域住民や地域団体との協働による空き家活用の成功事例とノウハウ
4.これから空き家活用をしようと思っている方に伝えたいこと

空き家買取専科 黒田氏

休憩を挟み次に登壇したのは、空き家買取専科の黒田さんです。
私たちの事業である、静岡での空き家を買取り、リノベーションをし次世代へつなぐ買取再販事業の事例紹介や、官民連携で取組む「藤枝市空き家ゼロにサポーター」での取組などについてお話ししました。

AlbaLink(アルバリンク) 井口氏

続いて、アルバリンクの井口さんが登壇。なんと「空き家ゼロに」をミッションに掲げているとのこと!!とても嬉しいです。
アルバリンクは、空き家問題に取り組む企業で、老朽化した空き家や売却が困難な不動産の再生を行っています。具体的には、リフォームや用途変更、賃貸付け、権利調整を通じて不動産の価値を高め、市場に再流通させているとのこと。

リフォーム後の物件は、自社サイト「不動産投資の森」を通じて不動産投資家に提供され、LINE@で2~3日に一回の頻度で物件情報を発信し、4,000名以上の登録者に向けて販売を行っています。また、外部の不動産投資家コミュニティと連携し、物件情報の共有や交流会を実施しています。アルバリンクは、空き家や訳あり物件の問題を解決し、新たな価値を提供することを目指しています。

パネルディスカッション(空き家の買取再販)

買取再販の事業紹介はサクッと終わり、黒田さんのファシリテーションで井口さんと会場の皆さまとのパネルディスカッションが行われました。
テーマは、下記の3つで、オフレコということを生かし、会場の皆さまから多くのご質問にもお答えできました。
1. 空き家市場の動向と将来展望:空き家市場の現状と今後の空き家市場の未来について
2. 空き家を購入するにあたり、所有者に対しての交渉術やテクニック、価格交渉のポイント(お互いの妥協点も)
3. 空き家の評価と査定:空き家の適正な評価や査定のポイント、価値向上のためのアドバイス

交流会

各社の事業紹介やパネルディスカッションの後は、みなさんが楽しみにしていた交流会でした。参加者一人一人の自己紹介〜交流会と、空き家の活用に関心がある方同士集まっているので、とても盛り上がりました

最後に

参加者の声

イベントに参加した皆さんからは、「このイベントを通じて、空き家問題への理解が深まりました。特に具体的な活用事例は、自社での取り組みに大いに参考になります。」「空き家の活用方法について多くのヒントを得ました。自身の空き家をどう活用するか、具体的なイメージが湧きました。」「めちゃくちゃ濃い内容で、本当に参加してよかった」などの声をいただきました。
ご参加の皆さま、本当にありがとうございました!

まとめ

空き家問題は、地域社会の未来にとって重要な課題です。本イベントを機に、さらに多くの人々がこの問題に関心を持ち、具体的な行動を起こすことを期待しています。
今回のイベントの詳細や次回開催情報は、空き家の会Facebookや、空き家の会公式ウェブサイト(空き家の会)をご覧ください。参加者の皆様、そして興味を持ってくださった皆様、ありがとうございました。

●空き家の会Facebook

●空き家の会公式ウェブサイト