見出し画像

空き家の庭木どうしてる?

先日、空き家の現地調査を行ったときのお話です。


1.お隣のお家の人が困っていた話

空き家の所有者さんと現地で待ち合わせて現地調査を行いました。
内部をひととおり確認していると・・・
チャイムが♬

お隣のお家の方がいらっしゃいました。
おそらく、所有者さんがいらっしゃるのを待ち構えていて、ここぞとばかりにご挨拶にいらっしゃったのだと思います。

お隣さんのお話は、
「庭木の処理のおねがい」
でした。

怒っているというよりは、困っている風。
どうやら、何年も放置していたお庭の木が、隣地にまで伸びて害を成していたようでした。
隣地のお宅では、空き家の所有者さんと連絡も取れずに、ご自分で少しずつ対処してくださっていたようでした。


2.空き家を所有する責任

空き家の所有者さんの娘さんが今回立会してくださいました。

娘さんは草刈り鎌をご持参くださっていて、駐車場から玄関までの草を刈ってくださいました。
おそらく、時々はこうやって様子を見に来て、出来る限りの対応はしてくださっていたのでしょう。

しかし、100坪近いか、それ以上の敷地の草刈りは容易ではなく、ほんのアプローチの部分ですらままならなかったに違いありません。

そして、祖父がお好きだったという庭木はもはや雑木林になっており、2階の屋根を超すほどの大木になっているものもありました。こうなってしまうと、もはやご家族での剪定や倒木は無理でしょう。専門家に頼むよりほかありません。

そして、ご自宅の裏にあるかつて畑だったところには、物置小屋の残骸がそのまま残っており、また、その中にあったものもまんま、残っている状況でした。そしてそのまま草木が生い茂り、蔦が絡まり、もはや近くにも行けない。向こうのほうにコンクリートの基礎のようなものもありましたが、もはやその全容はわかりかねました。

そしてその畑だったはずの敷地にも何やら大きな木があり、その幹は大人が二人でも腕を回せないほど太い幹に成長しており、その枝はトトロの木のように見事に両手を広げてどっしりと存在していました。
これはもう専門の業者に依頼して、専門の機械を入れて、切り倒し、伐根するしかないでしょう。この木だけでも4tトラックがいっぱいになるほどの大木です。

しかも、ここに来るまでには障害もたくさんあります。庭木をすべて切り倒して重機を入れる道を確保しても、倒壊した建物があるのでそれを撤去しないと、おそらく重機を中に入れることはできません。
それに、畑だった土は柔らかく、鉄板をひかないと重機は入れない可能性があります。これは思った以上に大工事です。
そこまで詳しくはお話してきませんが、かなり費用が掛かることはお伝えしてきました。

立会してくださった娘さんは、私の話を聞いて納得してくださり、ご家族で相談してみるとおっしゃってくださいました。
せめて、ご近所にご迷惑をかけないように、庭木だけでも先に何とかしなければいけないとお考えいただけたようです。

空き家を所有するということは、責任も重く、お金もかかるのだと、実感してお帰りになられたかと思います。

しかし、その責任を放棄するわけにはいきませんし、先延ばしにしてもおそらく得になることは少しもありません。

出来る限り早いタイミングで、適切な処理ができるようお手伝いが出来ればと思います。


3.空き家の活用は管理次第

空き家の所有者さんとそのご家族は、空き家をどうすればいいのか、また、なにかしらの対応をしなければならないと、常々お考えだったそうです。

すでにご高齢の所有者さんと、その相続予定のお子様方御兄弟で、お金を出し合ってやれることからやりたいというご意向。

建物を何かしら活用できるか知りたいというご相談でした。

残念ながら建物は老朽化が激しく、また住宅設備も新築当初のままお使いになっており、50年近くたっているもので、活用するには資金がかかりすぎるということをお話させていただきました。

立地が良ければそれでも活用できたかもしれませんが、山あいの集落の、その中でも中心地でもない立地では、なかなか買手もつかないと、想定できます。時間をかけて買手を探すには、空き家の期間がすでに長すぎます。

ボイラーやエアコンなどももはや使えるかわかりませんし、台所や廊下の床はふわふわしてカビが生えていました。ひょっとすると、シロアリの被害もかなり進んでいるかもしれません。

瓦屋根だけは数年前に補修したということでしたが、それだけではもうどうしようもないとお見受けしました。本当に残念です😢


4.せめて畑が使えれば

田舎暮らしにあこがれて移住される方も増えています。
2拠点生活のための田舎の小さい空家をお探しの方もボチボチいらっしゃいます。

古くてもこぎれいな家や、すぐにでも使える畑が整備されていれば、タダ同然であっても手放すチャンスができます。

手放すことさえできない空き家は、やはり、管理状態が悪いものばかりです。

日々の生活に追われている私たちですが、追われるばかりでなく、手に余るものは早めに手放すことも時には大事です。

空き家を放置されている皆さんが、空き家を持て余す前に何かしらの対応をして頂き、使えるうちに使いたい人の手に渡ればいいなと、今日も考えているのです。

微力ですが、お手伝いしたいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?