見出し画像

不動産は最悪の条件で見るべし。

もちろんマイホームの購入にも当てはまりますが、大家さんになりたい方は必見です。


1.不動産は最悪の条件で見るべし。


わたしが実際に不動産を見に行くときに心がけていること、
それが、
できる限り天気の悪い日に見に行くことです。

不動産の内覧と言えば、できる限り天気のいい日に行きたくなりませんか?

そもそもお出かけは天気がいいほうが気持ちがいいですし、不動産であれば日当たりや窓から見える景色が気になるものです。
晴れの日に窓から見える美しい景色と、室内に差し込む太陽光は何にも代えられない宝です。

しかし、賃貸業的には真逆です。

できる限り天気の悪い日に見に行き、物件の最悪の状況を見ておくことがとても重要です。


2.物件の最悪の状況とは(雨編)

物件の精査には主に、土地と建物の両面から状況確認することが重要になります。

1.土地


歴史的大雨が毎年のように襲ってくる日本列島。

道路の排水溝が溢れ、道路が川のようになっているのが、毎年のようにニュースになっています。

被害の少ない地域だとしても、他人ごとではありません。
雨水は大なり小なり不動産の価値に影響を与えるものです。
入念に調査することをお勧めします。

ニュースになるような大きな被害ではないにしろ、地域の土地の高低差によっては、隣地や道路から、敷地に向かって水が流れ込んで来ます。

大雨の際には当然、大量の雨水が敷地に流れます。
住宅への浸水もしやすいといえます。

少量の雨でも、雨水は低い土地に流れますから、高い土地よりも湿気がひどいことも予測できます。


2.建物

次は建物を見てみましょう。

雨水はちゃんと雨樋を通って排水溝に流れていますか?

雨樋が劣化してあちこちから水がこぼれていたり、
竪樋が排水溝につながっておらず、建物の周りが水浸しになっていませんか?
敷地の水はけの状態も注意が必要です。
かつて水田だった土地だと水はけが悪く、日の当たらない場所は特に、年中ドロドロだったり、湿気を含んで室内がカビやすい場合もありますので注意が必要です。

これは後に修繕費が掛かって来たり、雨水による生活の不具合につながったりもします。


それから、室内に入ったら雨漏りの形跡がないか入念に確認しましょう。
天井裏が見れるならのぞいたほうがいいですし、室内の天井や押入れの天井も確認しておくといいでしょう。

雨漏りは原因の特定がとても難しく、修繕がとても難しい場合があります。

足場が必要になると修繕費も高額になる場合が多く、修繕費用も購入費用に大きく影響します。価格交渉の材料になる場合もありますので雨漏りの有無は必ず口頭でも確認するといいでしょう。

また、古い家だと板金屋根に雨が当たる際にひどい雨音がする場合もあります。
入居者さんから苦情のリスクになりますので是非確認しておきたいものです。

3.物件の最悪の状況とは(雪編)

わたしが住む、山形県は全国的に見て、積雪が多い地域といえます。
田舎なので公共交通機関は壊滅的に不便で、社会人は必ず自動車を所有するのが常識となっています。
そのため、冬季間の雪対策は、生活するうえでとても重要な要素なんです。
これは積雪が多い地域特有かもしれませんが、参考になる方もいるかと思いますのでまとめました。

1.土地

積雪が多い地域は、地方公共団体の除雪車の除雪作業や、地域の排雪の方法がとても重要になります。

近年の大雪のニュースを見ると、一晩で40センチや50センチも珍しくありません。

そんな日の朝、前面道路が除雪されていなかったら、どこにも行けません。
もちろん、仕事にも行けません。

敷地の前面道路が、公共の除雪車が入る道路かどうか確認することが大事です。

また、排水溝に雪を流せるようになっている地域や、道路に消雪の設備がある地域はまだいいですが、そうでない場合は駐車場の雪を排雪する必要があります。

敷地が広い家なら問題はないですが、雪を寄せておく場所がない場合は、地域の排雪場所まで雪を運ぶ必要があります。

たまたま物件の近くならまだしも、遠くな場合、費用をかけて業者にお願いする必要が出てきます。

これがばかになりません💦

大雪の年だと年に何回もお願いすることになります。

逆に除雪しなくてもいいようにカーポートを作ることも有効ですが、これだと大きな初期費用がかかります。

この、雪対策にかかる費用も計画に入れる必要がありますし、物件選びの際に、雪対策の不要な不動産選びをすることも重要になってきます。

2.建物

雪の場合も雨と同様、雨漏りや雨樋の確認はとても重要になります。

さらに、雪に特化しているのは、屋根からの落雪対策です。

積雪と雪解けを繰り返して、屋根の雪は重く、固くなります。

軒先からはつららが人の背丈ほどにもなることも珍しくありません。

これが、日中気温が上がった日などは突然落下してきます。

これはとても危険です。

屋根の雪止めは劣化していませんか?

人が出入りする部分には落雪防止のスノーストップはついていますか?

駐車スペースへの落雪で車に直接落ちる心配はありませんか?

お隣の敷地に落雪していませんか?

(これは必ずもめごとに発展しますので十分注意が必要です。)

災害に対しては火災保険を利用することで損害はある程度カバーできますが、事故やケガにつながる場合はお金の問題ではなくなります。
安全面での確認も十分行いましょう。


4.まとめ


不動産の内覧は日中と夜の2回は見た方が良いという話をよく耳にしますが、雨の日に物件を見る機会はなかなか作れないので逆に雨の日に内覧された方はラッキーです。

晴れた日の日中はどの物件も良く見えますので、あえて条件の悪い日に物件を見に行くことが失敗しない物件選びに直接的につながります。

また、雨の日や雪の日の通勤時間の道路状況などを確認しておくことも重要です。

 
つまり、「一番最悪な状態でも『欲しい』と思えるものを買え」ということです。
 

中古の物件を購入するということは、新築と比べると、大きく、かつ、たくさんのリスクが考えられます。

大切なのは、一番最悪の状況に陥っても、あなたが大家業を続けられる状態を作ることです。
終わりさえしなければ、かならず次の物件購入につながります。
万が一、損害が起きても、いずれ回収できます。

一番最悪の状況に陥っても、あなたの大家業が成り立つことが最大の目的です。
 
できる限り、現況を把握して、損をしない不動産業をしてほしいと思っています。


5.空家のお医者さんに相談しよう。


物件選びや修繕費の予測、資金計画など、なんでもご相談ください。

不動産賃貸業と言っても、いろいろなやり方があります。
あなたに合ったやり方、あなたに合った物件選びをサポート致します。

他にも賃貸業に関する記事をUPしていますので是非参考にしてください。
あなたの安定した賃貸業を応援しています☺

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?