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親不知を砕いたことと、途中覚醒の罅

(これは九月のはじめに書いていたのに書ききれなくて放置していたもの。)


私には、親不知が四本あった。
すでに二本抜いていたけど、できたら全部抜いてしまいたかった。
私は口内炎によくなるらしい。
らしい、というのは、私は痛みにめっぽう強いらしく、中が痛くなってもあまり気になったことがない。
歯医者さんで「口内炎になりやすいでしょ」と言われて、はじめて「そうなのかも」と思ったくらい。
それなら抜きたいと思ったので歯医者さんに口の中の炎症(それも親不知関連で起きてた)を診てもらった流れで、抜くことになった。それをラッキーくらいに思っていた。
私の親不知は横に生えてる。
それも根本が神経と大きな血管に接触してしまうかもしれない位置らしい。
まあやってみなければ分からないよね、と始めてもらったのだけど、そこは小さい歯医者さんで、スタッフが先生と二人しかいないので、電話が鳴ったり、患者さんが来たりするたびに手が止まるので、二時間くらいかかった。
まさに町の歯医者さん。
そんなわけで、口を開けたままにするのに疲れ、顎が痛み出し、いったいこの麻酔いつまで効いてるんだろう、、、とちょっと不安になったころ、やっと最後のかけらが取れて、縫合となったのだけど歯茎がチクチク。
あれ?痛いぞ、、、と思いつつ、もしかしたら痛いもんなんじゃないかと思って、これくらい我慢してるものなんじゃないかと思って、言い出せなかった。でも先生が二回も糸を引きちぎってしまい、三回目を縫い始めるまえに「あれ?もしかして痛いですか?」と気づいてくれ、頷くと急いで麻酔を追加でしてくれた。
あとから親不知を抜いた人に聞いたら(仕事場に二人いる)、「麻酔してたら何にも感じないんだよ!痛かったらすぐ言わないと!」とびっくりされた。仕事場で私は痛みに強いと言われているが、それにまたひとつエピソードが追加されてしまった。
先生はできたら今日は休んで、叶うなら数日、本当は一週間は休んだほうがいいと言ったのだけど、そんなわけにはいかず、歯医者を出てすぐに仕事場に電話をして「たぶんいけると思います」と言った。
言ったのだけど、自転車に乗って帰ったら母に「顔色がすごいよ」と言われ、夫には「やめたほうがいいよ。顔色がすごいよ」とすごいを連発され、うーんと考えた結果、立ち上がれなかったのでこれはヤバいと電話した。
そしてそのまま二階の自室で横になったまま夕方までまったく起きなかった。夕方になっても血もいっぱいでたし、ふらふらだった。
そんなふうに親不知を砕いた夜は、口を開けるのも困難なまま過ぎていった。
そして次の日、朝一の診察にいき、いい感じですね、と言ってもらったのに、昼ご飯を食べていたらいきなり口の中が生ぬるい液体でいっぱいになり、吐き出すとすぐにまた血が溜まりはじめてしまう、という状況に。血が止まらないから口を閉じられず、歯医者に電話しようにもしゃべることができなかった。母に電話してもらい、今すぐ来るように言われて車を出してもらう。歯医者に着いてもなかなか血は止まらず、どうやら残った一本の親不知がなかなか鋭くて、それが下の抜いて(砕いて)縫合した場所の糸を切ってしまったらしい。なのでまた麻酔をして、縫合をしてもらった。
今度は丈夫な糸で縫ってくれたらしく(笑)一回で縫ってくれた。
その日も出血をけっこうしたのか、体が動かなくて一日寝ていた。
仕事がもともと休みでよかった。
次の日からふつうに仕事に行き始めた。
痛み止めと化膿止めを出してもらっていたのだけど、夜は痛み止めが切れる時間に目が覚め、そのまま朝を迎えるなんてことがよくあった。
一週間で糸をとってもらい、その時に先生は少し黴菌がはいったのかもしれない、とまた抗生物質と痛み止めを多めにくれた。
くれたのだけど、それも飲み切ってしまいそうなほど痛みがずっと続き、次の診察の日が待ち遠しかった。
痛み止めが切れるのじゃないかとドキドキしていたが、なんとか我慢して持たせた。
待ちに待った診察日、先生が診たところ、どうやら親不知がくっついていた骨に黴菌が入って、骨炎症になってると言われた。あと一週間くらいは痛いかも、、、と言われた。その時には夜に切れたら飲む用の痛み止めも出してもらって安心して過ごした。
こんなに抜くのも、抜いた後も痛くて大変なのは初めてだった。
痛みでいうと、次男を産んだ時の次に痛かった。
(ちなみに三番は長男を産んだ時)

この頃中途覚醒がひどかった。
毎日のように二時や三時に目が覚めて、そこから眠れない。
六時の目覚ましを鳴ると同時に消して、やっとすこし眠たい気がしてくる。
仕事中も少し眠たく、帰るころにはへとへとだった。
早く寝たいと思うのに、やらなきゃいけないことをこなしていると23時ころになる。そしてやっと横になるのに、やっぱり二時や三時に目が覚める。
疲れがとれない、眠たい、子供のささいなことで怒ってしまう、と悪循環がぐるぐる続いた。
それもあったのか、体調も悪くなり、もう病院にいかないと無理だと思うところまでいった。
病院に通っていて分かったことだけど、治る気がないのには行ったてって、薬を飲んだって、よくはならない。でも、眠る薬だけはあそこにいかないともらえない。眠る薬は本当に助かる。とにかく眠ることできるようになる。それが心の支えのようになって、がんばった。

ここからこの前のnoteに続く。


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