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「真空」の解説のような

こんにゃろーーー、な詩です。

絶望の中にいるのは、
意外にゆるやかに時間が過ぎ、
どこか牧歌的なものさえ感じます。
絶望しない、しきらないことにこそ、
または絶望から這い出して来るときに、
歯はくいしばられるのです。

その為ならば、
全部の歯を噛み砕き、
老婆のように歯茎だけで笑ってやるよ、
という詩です。

絶望しているのか
絶望に浸されて
ふやけた線を眺めているのか

文字が定まらない
言葉の硬さを見誤る
空いた空の青が真空で
わたしの息を吸い上げる

絶望ではなく
哀れなのか
口を開けたきりもどれない

それに安堵を重ねるな
せめて食いしばった歯を砕き切り
老婆の喉奥で
わたしは息を吸い返す

「真空」

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