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短いお話

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短い、小説になりきらないものを、載せていきたいと思ってます。
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#短いお話

【少女の使い方】(短いお話)

 目の前で、少女だったものの股が裂かれて放り出されていく。ぎ、や、じ、と重ねられていく音…

とし総子
1か月前
4

『かたち』(みじかいお話)

                 わたしたちは、マルや三角、四角に星型、様々な形をして発…

とし総子
1か月前
5

【殺してほしかった僕】(短いお話)

   パパはママを殺して食べた。  朝ごはんのベーコンが焼きすぎだといって、ママを殴って、…

とし総子
2か月前
6

【川の流れの中へ】(短いお話)

 文章を各自が書き、持ちよって読み合う集まりに参加して一年半ほどが経っていた。  そこで…

とし総子
5か月前
13

「海のたね」(短いお話)

 生まれた場所は、それは小さな島だった。  自然は豊かで、花や蝶の彩は、鳥や魚にも写し込…

とし総子
5か月前
8

『花の娘の園』(短いお話)

 私が越してきた地域には、不思議な土地が存在する。 その土地は私の暮らすアパートのすぐ隣…

とし総子
6か月前
10

「いつか君が恋をして」(ちいさなお話)

 君が好きになったものは、全部覚えているんだ。 それは菫色の雲の棚引く時間。君が好きになった背の高い男の子は、眼鏡が似合っていて、焦げ茶色のベストをよく着ていた。あの公園のベンチは座る部分が木製で、雨が降るたびに弱くなっていくような時期があった。そんなベンチに座って、男の子は文庫本を広げていた。革のブックカバーは使い込まれていて、小さな金色のアルファベットが二つ、くっつけられていた。傾いた日がその金色に触れると、まるで音楽のような瞬きを生んだこと。君は、それを遠くから見つめ

【揺れていたもの】(短いお話)

 あの木の陰に揺れていたものが、目の中で僕に顔を知らせようとしていた。それを必死で拒絶し…

とし総子
1年前
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