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詩、誌、氏

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詩だ、と言い切れない。でもたしかに私の書いたもの。 短くて、要領は得ない文章のかたまりなのだと思う。 でも書きたくなるから、こうして出してしまう。
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2024年6月の記事一覧

「夢」(詩)

夢を抱く 大切に抱えていく 夢自体を透かして 見られる自分を飾る それのどこが 夢なのか 抱…

とし総子
3時間前
3

「ぬくもり」(詩)

あったらいいけれど 無くても愛してあげるわよ ほしいのならばあげてもいい 神様に逆らって 見…

とし総子
21時間前
5

「ひかり」(詩)

わたしは光とはならずに 導きましょう とおく とおく 馬でも 車でも ロケットでも 行くことの…

とし総子
1日前
5

「あげたい」(詩)

わたしはあなたにふつうをあげたい あたりまえではない ふんだんのふつうを あったかいベッド…

とし総子
2日前
4

「蒼」(詩)

ああ この蒼と別れて わたしは生きていく ああ この蒼に還るため わたしは生きていく いつ…

とし総子
5日前
8

「みずたま」(詩)

生きるということが 在るということが 死ぬということが 無に着想されたことならば この世界は…

とし総子
6日前
7

「白粉」(詩)

これは口惜しいではない これは苦しいでもない 息苦しさ いいひとのあいだに湧く わたしの罅を隠す 白粉を吹かないで 息を離して 息を殺して

「海」(詩)

海を前にすると 私は海につくりかえられる 波は私を過ぎ 白い波の花は遠く背中の月に 耳から入…

とし総子
9日前
12

「海の向こうの車窓」(詩)

電車に乗って 窓に張り付いて 海を見ていた ゆっくりと建物に隔てられていく波 時折 きらりと…

とし総子
9日前
10

「折れるもの」(詩)

折れていくものがある 無数に それはまだ使える長さかもしれず 幾度も折った 指先のさきほど…

とし総子
10日前
9

「わたしのペン」(詩)

ペンも紙も選ばずに 土に指でも書いてやろう と、覚悟をしているけれど どうだろう このお気…

とし総子
12日前
7

「クリーム」(詩)

分かろうとして分かったこと どれほど分かったというの 言えるその口の端 舐めきれなかったク…

とし総子
13日前
8

「紫煙」(詩)

トカレフ かっこいい銃ね 私のこめかみが強請ってしまう カトレア なんて可愛い花なの 耳に挿…

とし総子
2週間前
4

「水面に立つ玉」(詩)

あなたと向き合う水面 あなたは下に黙り 笑う わたしは上で藻掻き 水滴を零す たった一面の うすい水の膜のようなこれに どれほどの時空は重なっているのか あなたはかわらない目で微笑む 黒い水晶をはめそうになる思い出を やさしく正す あなたを見ていたい あなたのそばにいたい それは相反して私を暴れ泣かせる 静かに見つめることさえできれば おそらく心は添うのに そう呟いてみても 結局私は 水面に崩された水玉をつくる 水滴があなたを濡らすのも構えずに