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プライマリー(基本的)親権ってなあに?

離婚をしよう!

と思ったとき、じゃあ、具体的にどうやるの? という問題が出てきます。

正直言うと、わたしもその辺りをさっぱり覚えていなくて。

ただ裁判が行われた場所が、家庭裁判所なので、そこに行って「離婚したいんですけれど、先ずは親権をどうにかしなさいと言われました」的なことを、相談窓口みたいなところで伝えたと思います。

そこから「原告であるわたし」から「被告である旦那」へ、家庭裁判所から「この日に裁判を行うから来るように」という手紙が届きます。それで裁判の日にお互いが行く。
とはいえ、私も彼もお金がないので弁護士が雇えません。そこで国選弁護士がついてくれます。

この時に驚いたのが、息子にも弁護士がつくこと。
といっても当時の彼は4歳だか5歳くらい。詳しい日程は覚えていません。
多分、幼稚園に通っていたか、通っていない日だったら、たった1度だけでしたが家庭裁判所内にある託児所に預けたことがあります。

なぜ息子にも弁護士がつくのか。

息子の「人権」を尊重しているからなんです。

父親と母親が離婚をする。それに関して子どもにとって1番いい選択をする。
そこを判断するために、弁護士がいる。

わたしからしてみれば「わたしに決まっていんじゃん!」と思ってたのですが、ここはアメリカ。
ドラッグやアルコール依存症の母親や、子どもを使ってお金を稼ぐ母親だっています。簡単にはいかない。
産みの親なんだから、子どもは母親を恋しがるから、だからわたしで決定。そんな「感情論」は通じません。

裁判をしていつも思うんですが、裁判で使用される英語って本当に難しい。もっと簡単な、優しい単語で言ってよ、と思うんだけれど、それができないというのか形式的にむりなんですかね?

もちろん日本語通訳者を頼むこともできるんですが、なぜかその時は頼まなかった。どうしてなんだ? 知らなかったのかしら?

わたしを担当してくださった弁護士さんも、多分、似たような顧客が分刻みでいるんでしょうね。裁判の5分、いや10分前くらいに来て、ぱぱぱぱぱっと打ち合わせをして、いざ裁判。わたしとしてみれば「ちゃんと伝わったのかな?」そんな心配ばかり。

一緒に住んでいた旦那を追い出して、半年も経たないうちに親権裁判。
向こうにしてみれば、寝耳に水ではないけれど、追い出されるし、自分と結婚してグリーンカード(永住権)を取ったから、もしかしたら「偽装結婚されたんじゃないのか?」と思ったらしく、会えば二言目には「俺を騙したな」「お前は●●だ」「You are FXXk'n BXXch.」などのカースワード言葉をたくさん投げつけてきて……ああ、キツかったなあ。
どーん、と堕ちます。

家庭裁判所ビルの6階待合室のロビーに彼が入ってくると、真っ先にわたしを探して、そしてにらみつける。そのオーラが離れていても伝わってきて、心がえぐられます。
わたしはわたしで、息子を守るためだもん、頑張るぞ。負けないぞ、と戦闘モード。

初めての裁判の時は、お互いに弁護士が必要、ということで、弁護士を紹介されてお終い。本格的な裁判は2回目からスタートでした。
なんだかんだで1年以上やっていたように思います。というのも、1回やって次回は3ヶ月後とかそんな間隔だったような。そして1度裁判長が風邪のため、一回飛んで前回から5ヵ月経ってたということもありました。なので足かけ2年近くかかったのではないでしょうか?

その時に判断された親権内容は「プライマリー親権」というものでした。

プライマリー親権? なんでしょう、それ。

【与えられたこと】
・息子と一緒に住む権利
・息子を育てる権利
【旦那に相談しなければならないこと】
・息子が行く中学、高校を両親2人で考えること。
・ニューヨーク州以外を旦那の許可なしに引っ越しすることはできない。
・アメリカ国外への旅行は旦那の許可を得ること。

こんな内容でした。

息子はわたしと一緒に住めるし、わたしが育てられる。旦那にはその権利はない。でも「息子に会う権利(面会権利)」はあり、隔週末は息子と会えるし、サンクスギビングやクリスマスは旦那の家族と過ごす、などと、ホリデーの細かいことも決められました。

学校に関しては相談するつもりは小指の爪ほども考えたことなかったし、ニューヨーク州以外に引っ越すつもりもなかったし、夏休みに日本へ帰国することだって黙っていればわからないから、正直気にしていませんでした。でも、わたしが気になっていたのは、息子のアメリカパスポートのことなんです。

アメリカのパスポートってどこで発券してくれるかご存じですか?
郵便局で発券してくれるんですよ。
それも日本みたいに書類出して終わりなんですが、子どもの場合は違うんです。親子揃って、いいですか、大切なことなのでもう一度いいます。親子揃って申請するんです。父親と母親と子どもと雁首揃えて窓口に行って「お願いします♡」と申請するんですよ!

果たしてプライマリー親権で、わたし1人で息子のアメリカのパスポートを申請できるのか?

ここがわたしが1番気になっていた部分でありました。

ちなみにプライマリー親権をもらったのが、2012年(だったはず)。
単独親権を取れたのが2016年の夏前。

この間の親権問題は、非常に悩ませませました。

続きます。


2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。