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ニューヨーク市における、高校選びシステムについて思うこと(4)

ニューヨーク市における、高校選びシステムついて思うこと(3)の続きです。
(1)(2)はこちらから。

高校見学に行って思ったことは……

生徒集めって大変なんだな、

と言うこと。

学校それぞれですけれど、講堂や図書館に集められて、校長先生や教頭先生から学校のことを説明してもらうんですけれど

ニューヨーク州で100番以内に選ばれている良い学校だ。
・去年はどこどこの大学に入った生徒が○人いる。
・某大学と提携している。
・ある部活はニューヨークのトップ3に入っている学校を大会でやっつけて優勝した。
・大学に行くための、こういった特別のコースがある
などなど

聞いていて、頭が痛くなってきました。

だって、だって、だって!
息子はまだ13歳です!

考えてみても下さいよ、自分が13歳の時に大学のこと、考えていました?

確かにアメリカでは14歳から高校生になってしまいますけれど、13歳の時の自分は少女漫画家になることしか考えてなかったですからね〜。
大学のことなんて、まだまだ先だと思っていました。
いや、高校デビューを狙っていたので、大学に行くことすら眼中になかったですね(デビューできませんでしたけれど!)

なので、先生達の話を聞きながら、そんなことも念頭に置いて考えないといけないのか、と衝撃を受けたのでした。

なので「我が学校はこんなにすごいんだぜ(学力的に)」をアピールしまくる学校は密かに外していました。

とはいえ、学校見学をしていて、教育って何だろう? と思ったのも事実です。

というのも、大学はMITって決めているし〜と思いつつ、シリコンバレーでは、カウンセリングにかかっている人たちが多い、という話もちらりほらりと耳に入ってくるようになったのも、この頃です。

つまり、理系の人たちは、個人的にできる自分たちだけの世界で生きてきていて、それ以外の人たちとのコミュニケーションの問題、「心」の問題をうまく扱えない、そのバランスを崩してしまっている人たちが多い、なのでカウンセリングを受けている人たちの数が他と比べて多い、ということなんです。

そしてスペシャライズドの学校に入った生徒たちの、ネガティブな話も聞こえ始めたのも、この頃です。

悩みます。
一体何が「いいこと」なんだろう、と。
息子にとって。

さて、できる限り高校見学をして、いよいよ12校選ばないといけなくなりました。

でもね、12校選ぶって難しい。

だって見学先では「もしもこの学校にあなたのお子さんを入れたいのなら、1番目に選んで下さいね」と言われまくりです。
でも、確実に入れるとは限りません」とも言われて。

なんやねん!

と思わずエアーで突っ込みしましたね、ハイ。

申請するときに一番行きたい学校を一番最初に選んで、そこから、第2志望、第3志望……とオンライン上で選んでいくんです。

中には申請する前に、息子と同じ学校を卒業したお母さんから「○○の学校は見学に行った? あそこは息子さんに合うと思うわよ」と言われたり、幼なじみのママ友からもある学校を見学に行って「絶対息子くんに合うと思う!」と言われて、見学にも行っていないにもかかわらず申請したり。
それも第3志望にしちゃいましたよ!

とはいえ、第1志望にしたからといって「入れる保証がない」って怖くないですか?

どういったシステムなのかわからないんですけれど、教育委員会の方で、学校側が求めている学生と、申請した学生がコンピューターシステムで一致したら「入れる」的なことを聞きました。

まるでマッチングアプリのようじゃないですか!
いや、まさにそのものですよね。

どちからかというと、生徒の意志よりも学校側が求める生徒の方が強いみたいです。

つまり、基本的には第1志望の学校に入れる的なことを言いながら、志願した生徒が学校側と一致しなければ入れない、みたいな感じ。

実際に、あたしの友達の娘さんは第7希望の学校だったし、ある友達の息子くんは第12希望。
でも恐ろしいことに、12校選んだにもかかわらずどこにも入れなかったパターンもある。
新学期が始まる9月まで「自分がどこの学校に行くのかわからない」場合もあるんですよ。

これってヘンだと思いません?

自分の子どものことを考えてSHSATのテストを受けさせ、さらに一般高校も申請しながら、どこにも行けない……。
もちろん私立の学校も見学しても、まあ、高いです。学費が。目玉が飛び出しますよー。年間500万円なんて支払いできませんって。

日本のように、行きたい学校の試験を受けて合否が決まる。
実に分かりやすくていい!

なんでこんなに複雑なんでしょう?

ストレスを感じながら、白髪を増やしながら申請をして、あとは結果を待つのみ。

ってねー、SHSATテストは10月末。
一般高校の申請締め切りは12月2日月曜日(お約束で週末まで延びて。毎年のこと)。
そして発表が翌年2020年の3月20日金曜日。

幼稚園、中学校と経験してきているから、発表に時間がかかることはわかってはいるけれど、それでも時間かかりすぎですよね〜〜〜。
本当にどんなシステムなのか知りたいですわ!

結果発表は「は〜い、お子さんの高校の結果が出たからこちらのサイトからチェックしてね〜」と教育委員会からメールが届いて、リンク先をクリックして結果をしるという……。

なんてあっけない。

結果としては、息子が希望していたスペシャライズドの高校には行けず。
でも正直言うと、ネガティブなことをたくさん聞いていたので「行けなくて良かった!」というのが本音です。

そして一般の高校結果は……

わたしが一番息子に行って欲しかった学校に決まりました!

息子としては、もちろんスペシャライズドに行きたかったから、この結果に落ち込んでいるんだけれど、わたしとしては万々歳。
息子的にも、スペシャライズドに入れなかった時の、滑り止めではないけれど、1番最初に決めた学校に行けることになったので、ちょっとまだ消化し切れていないみたいですが、良しとしています。

ってね、でもその学校、実は第1希望にしてなかったんですよ。第2希望にしていました。
申請するときに記入していくんですけれど、てっきり入った学校を第1希望にするかと思っていたら、第2希望とのこと。

第1希望は友達の息子くんが行っているところでした。
ちなみに第3希望は息子の幼なじみのママ友が見学に行ったお墨付きなところでした。

ということで、ニューヨーク市の高校選び狂走曲、高校が決まったので、いったんここでお終いとします。

余談ですが、学校選びをしていて常に考えていたことは

・ここの学校は本当に息子に「合う」のだろうか?
・親のエゴで選んでいないだろうか?

ということです。

どうしても親の見栄……
つまり「えー、○○くん、▲▲の学校に行っているの? すごいね〜」と、親のプライドを満たすために利用していないか?

わたしの糞みたいなプライドのために、息子は我慢しなきゃいけない人生にならないか?

そんなことをずっと、幼稚園から今に至るまで、考えてきた学校選びでした。





2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。