オカンと17歳息子の欧州珍道中紀行 in フランス+スペイン〜プロローグ〜
「お母さん、今年こそ日本に帰りたいよ」
と息子に言われて続けていた今年の頭。
うーん、確かに2018年以来、日本には帰っていないし、息子も2019年から2020年になる冬休みに帰ったきり(オカンのメンタルがやられている時)。
本当なら2020年の夏に帰る予定にしていたけれどパンデミックになってしまって、高齢でもある両親のことは心配だけど、だからこそ帰るのをためらっていたら、ありゃりゃ5年も経ってしまっていたではないか!
いつもなら実家にがっつり滞在するけれど今回は「滞在はできないよ」と最初に言われちゃったし。
わからないでもないよね、もう80歳越えているし、二人っきりの生活に子どもと孫がやってくるのはいささかいやだろう、いくら肉親とはいえ。いや、肉親だからこそ、なのだ。
とはいえ、息子も16歳。この夏で17歳だ。
日本語の読み書きはまだ不安だけど「聞く・話す」には問題ないので、一人で余裕で行動できるし、日本へ完全に帰国してしまった幼なじみの家にも泊まりに行く予定だったから、ずーーーーーーーーーっと実家にいるわけじゃないから……と思いつつ、難しいのかな、と葛藤をしていたら、あっ! という間に航空券が値上がってしまっていた。
航空券を探したのは5月。
他の人と比べるとやや遅いけれど(だいたい皆さん2月くらいから探し始める)、直行でなくてお一人さま$1200ちょっとならいいか! いつ買おうかな〜と思いながら、滞在場所をどうしようか、とうだうだしていたら、チケットがとんでもなく高くなっていた。
当たり前よね、6月の末だもん。
7月の末くらいから日本に帰ろうと思っている人の行動じゃないですわ😅
「安い」と言われている米系の旅行会社に電話してみたら、何が安いねん! というお一人様1500ドル。話しにならないわ、と思って日系の旅行会社に連絡して聞いてみたら、さらに高くて、な、なんと!
ずばりお一人様$1600ドル。二人で$3200ドル。二人で800ドルの差額。1ドル140円計算しても11万円くらいの損失。
高いなーと思っていたら、電話口の向こうから「今ならヨーロッパ、パリが安いですよ」と教えてくれた。
ヨーロッパ!
パリ!!!
そういえばヨーロッパ、ここ久しく行っていないな。
前回行ったのって1995年の秋じゃん? かれこれ27年前??? 28年か。
航空券の値段を聞いてみたら、一人650ドル。二人で1300ドル。
日本に帰る一人分よりも安い! (距離が違うからね、当たり前なんだけれど)
電話を切った後に、むくむくと「そうだ。ヨーロッパに行こう!」という気持ちが湧いてきた。
実はヨーロッパに行く目的として
推しの久保建英選手の開幕戦ゲームを観る!
そうだ、彼が所属しているスペインのバスク地方のサンセバスチャンに行こう!
彼が18歳でレアル・マドリッドに移籍してから、いつか観たいと思っていたのだ。
元々あたしはドーハーの悲劇の頃から、サッカー日本代表の試合はよく観てて、W杯も1994年のアメリカ大会から見ている、ゆるいサッカーファン。
そんな中、久保建英選手のことはちょっとは知っていたけれど、日本に戻ってきてからレアルマドリーに行くまでのJ1での活躍をYouTubeなどで見たときに「この子の動き、日本人じゃない! ガイジンじゃん!!!」と思ってより注目するようになったのだ。
時差の関係と、ロナウドとメッシの関係もあって(そりゃ息子の小学校でも二人は人気を二分していた)ラリーガを見たりしていたので「いつか現地で久保建英選手を見よう」と思っていたのだ。
そう、その瞬間が目の前にやって来ている!
そう思ったのだ、この時。
だったらパリ経由じゃなくて、スペインのマドリッドかバルセロナ経由のほうがいいよね?
と調べてみたら、750ドルから800ドル。
ちょっとアムステルダム(オランダ)にも寄ってみたいから幾らくらい? と調べてみたら、な、な、なんと! お一人様1200ドル。たけ〜!!!
「なんで日本じゃなくて急にヨーロッパに行かなきゃ行けないんだよ!」
と急遽ヨーロッパに行くよと息子に伝えたら、上記のような反応だった。
当たり前だ。
日本の航空券が高いこと。
実家に泊まれないこと(他に泊まるところを探すのが困難なこと)
を伝えたら納得してくれて、心を切り替えたのか
「イタリア行ってイカスミのパスタを食べたい」
「イタリアにはピザの自動販売機があるからそれを観たい」
「アムステルダムに行ってみたい。景色が綺麗だから」
とまあ、出てくる、出てくる。
計画している期間は2週間。
パリ経由のスペインからのイタリアーオランダ経由のパリ戻り。
そんな距離、果たして2週間で廻れるのか?
でもヨーロッパは鉄道の国だからね!
サクサク移動できるだろう。
ユーレイルパスですべて移動予定だから大丈夫!
と思っていたこの頃。
旅行する場所が決まったら、まず何をするかというと『安宿』探し。
今だとインターネットで何でも調べられちゃうけれど、やはり元バックパッカーとしては旅行本で調べなきゃ。というよくわからないプライドがありまして😅図書館で懐かしのロンリープラネットを借りてきた。
ネットでもいいんだけれど、個人的には体感的にその街がどんな感じなの知りたくて本で調べてしまう。
さらにネットでは莫大な量のホテルに関してもランク付けで書かれているので、まずは本で調べてからネットで似たようなホテルを探すようにしている。
ってまあ、最終的にはBooking.comにめちゃめちゃお世話になってしまったんですがー。
いやあ、やっぱり旅の仕方が変わりましたね!
すごいなインターネットって!
そして本をさらさらっと読んでわかったことは、アムステルダムとスペインのサンセバスチャンが思ったよりも物価が高くて驚いたこと。
イタリアに関してはどの街に行くかはっきりと決めていなかったから本を借りたけれど、開かなかったこと。
パリの治安がよくわかっていなくて、治安が良くないとはどのくらい「良くない」のか。ハーレムと同じくらいなのか、それよりも悪いのか。
1995年の秋に行ったとき、3週間くらい友達の家に住んでいたのに、どこに住んでいたのかの記憶もなく、宿探しが難航してしまった。
とはいえ、ここがいいなーと思ったところに予約しようとしたらなぜか予約ができなかった(おパリ)。
スペインに関してはメールアドレスもなく「電話してね❤」とスペイン語で書かれていたこと(えっ!? 国際電話しろっての??? 今となってはどこの宿に泊まろうとしていたのかもわからない)。
今どき英語対応しておらんとは……なかなかやるな。つか、どんだけハードルの高い宿なの?
アムステルダムに至っては3泊しないと取れないとか、ロンプラに書いてあった安宿はネットで調べたら全然安くなかったり。
あ! そうか!
夏はハイシーズンだから通常よりも高くなるんだ!
いつもは皆が旅行しない時期に行っていたからすっかり忘れていたわ。
そして
ヨーロッパ旅行=ユースホステルに泊まる
という方程式を持っていたあたしにとって「18歳未満は泊まれません」とアムステルダムに泊まりたいと思ったユースホステルからメールが来て「えええええ?! 18歳以下が泊まれないってどういうこと?!」とも思い。
あれ? もしかしたらプラン変えないとダメ?
と思いつつ、取りあえず航空券2人分往復と、パリ当日に泊まるホテルだけを取って、あとはまあ、昔取った杵柄で「なんとかなるか」という楽観的気分で27年ぶりにヨーロッパに行くことを決めたのでした。
そして旅行に行く前から怒濤の珍道中が始まることをこの時は知らなかったのでした。
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2006年生まれのアメリカ人とのハーフの男の子のいるシングルマザーです。日々限界突破でNY生活中。息子の反抗期が終わって新しいことを息子と考えています。