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感覚を文章で召し上がれ

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#コラム

優しさの連鎖

家に帰る途中、無性にお寿司が食べたくなり、近くのショッピングモールにある「巻き寿司のテイクアウト専門店」に車を走らせた。 駐車場に車を止め、お寿司の味を想像しながら、軽い足取りでショッピングモールの中へ向かう。すると、お店に着いたタイミングで看板の電気が消え、時計とみると時刻は18:01をまわっていた。 「あ、18:00で閉まるのか...」と、肩を落とし、お寿司を諦めようとした瞬間、一人で閉店準備をしていた韓国人の男性と目が合った。 「あいてますか...?」 電気が消

迷ってもいいけど悩んだらだめよ。

どの小説だったか忘れたけど、ずっと自分の中に残っている言葉。 どこで読んだのかも、表紙さえもまったく覚えていないのに、内容だけはなんとなく覚えてる。 「タイに行った駐在員が恋に落ちる物語」。 不倫だったけど。 不倫の小説の中から「迷ってもいいけど悩んだらだめよ。」という言葉をピックアップすると、奥さんを選ぶかその不倫相手を選ぶか、みたいな状況なんじゃね?と推測されそうですが、たぶん違う。覚えてない。 そんなことはどうでもよくて、この言葉は人を救う、という話。 「迷う

アイデンティティの迷子

Photograph: _jasminewho(ジャス) Model : Koyoi Tsujii 「あなたはどんな人ですか?」 この質問に対してすぐに答えれる人がどれだけいるだろう。よりも、この質問に対して何を答えにすればいいか分かっている人はどれだけいるだろう? 相手の反応を気にしたり、1番伝えたい事が言えなかったり、肩書きをたくさん並べたり、過去の栄光を自慢したり。 でも本当のアイデンティティってそんな簡単に知る事なんてできない、と思う。というよりも、簡単にアイ

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