コラムの裏側 誰もが物語の主役。その熱量を伝えたい
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コラムの裏側。今日も3位決定戦イングランドvsアルゼンチンより。スタンドで見つけたAnother Story.
70,000人を超えるスタジアムの中で、どうやって被写体を見つけているのですか? W杯報告会をする中で質問を受けた。明快な答えを伝えることはできなかったが、ファインダー越しにスタンドを見つめていると「見つかるんです」と説明した。この日の試合で見つけた家族は、まさにそんな存在だった。
400㎜のレンズに1.4倍のテレコンバーターを装着、レンズは560㎜の超望遠となる。アンセムがサン・ドニが流れると同時に、見つめる先をピッチの選手からファンたちが見守るスタンドへと移した。ゆっくりとその表情を追いかけていくと、グッと惹きつけられるような被写体をいくつも見つけた。この試合で最も魅力的だったのが、このアルゼンチンファンの一家だった。
肩を振るわせ、涙ぐむ父親の全身からパッションが溢れ出ていた。肩を抱く母は優しさに満ちていた。きっと娘の歌声は選手たちに届いただろう。息子のキラキラとした表情にこの試合に込める期待が伝わってきた。
遠くアルゼンチンからやってきたのだろうか。この日のためにどれだけの時間と労力を費やしたのだろう。選手と同じく、W杯に捧げてきたそれぞれの思いは尊い。その熱量はレンズ越しにもちゃんと伝わってくるもの。その気持ちをフォトグラファーとして受け止めたい。思いを込めてシャッターを切った。
試合を見つめる全ての人に物語がある。ついに最終章、フィナーレの時がきた。W杯2023フランス大会決勝戦の舞台に、肩を振るわせ、涙ぐむ自分がいた。
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