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コラムの裏側 Another Story        ラグビーW杯にハマってる      

https://the-ans.jp/photo/360359/

​コラムの裏側、今日はウォークライからAnother Story.

​ウォークライ(Warcry)って、ご存知ですか?

ニュージーランド、フィジー、サモア、トンガ、各代表チームが試合前に行う戦いの舞です。今回のW杯でその全てを撮影した。​

その中で最も心に残ったウォークライ、それがトゥールーズでのサモア戦後に見たもうひとつのウォークライだった。

サモア戦を終えてメディアルームへと戻ると、またもや隣のボランティアの控え室から歓声が上がった。日本VSチリの時にもそうだった。トゥールーズにはいつもイベントが付いてくる。試合写真の編集作業の手を止めて、控え室へと足を運んだ。

選手にしては顔が幼い、レンズ越しに揃いのジャージの胸に添えられたワッペンを除くと「HI SCHOOL」の文字が見えた。

大勢のボランティアたち、ざっと数えて50人以上はその場にいた。彼らの前で、高校生たちは吠え、歌い、拳を天突き上げていた。それがなんというウォークライで踊りや歌詞がどのような意味をなしているかはわからなかった。おそらく高校生を見つめるボランティアたちも私と同じだ。

ただそのウォークライは見るものを熱くさせるものがあった。戦いのためではなく、感謝のためのウォークライ。国境や言葉、文化を超えて伝わるものがある。

Google翻訳やDeepLでも、きっと彼らのウォークライは訳せない。この時、この瞬間に立ち会わなければ知らなかった世界がそこにはあった。

​試合はもちろん、その前にも後にも、W杯にはどれだけドラマがあるんだ!体は1つしかない。全ての試合を撮影することは不可能だ。私の知らない物語がそれぞれの試合にきっとある。そう思うといてもたってもいられなくなる。

今回で7回目のW杯取材というフォトグラファーのAさんの言葉が頭に浮かんだ。

「ラグビーのW杯ってのはさ、中毒性があるんだよな。やめられないんだわ」

​その言葉の意味がわかった気がした。


トゥールーズのラグビーバーClub Des Supporters Le Rouge & Noir
試合後のチリ代表
各国のファンと共に目指すスタジアム。トラムやメトロはいつもにぎやか

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