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ナッツを食べたら人生変わった!?一粒に懸ける思い。 木能実(きのみ) 髙濱遼平・髙濱奈保子

2017年9月、能代市に気になるお店がオープンしました。お店の名前は「木能実(きのみ)」。ナッツとドライフルーツの専門店です。木の香りが漂う店内には、県産の果物や野菜を使った商品が並んでいました。

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<珍しい商品がズラリ>

オープン以来、幅広い年代のお客さんから愛されている木能実。商品は重くなく、日持ちするため、プレゼントとしても好評です。

経営するのは、髙濱遼平さん、奈保子さんご夫婦。

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《名前》 髙濱 遼平(たかはまりょうへい)/髙濱 奈保子(たかはまなおこ)
《生年月日》1986年6月5日 / 1986年10月6日
《出身》栃木県小山市 / 秋田県能代市
《経歴》
2011年、神奈川県小田原市に黒糖マカダミア専門店「wara no bag(ワラノバッグ)」をオープン。2017年9月、店舗移転の話が出たタイミングで妻・奈保子さんの実家がある能代市へ移住し、ナッツとドライフルーツの専門店「木能実(きのみ)」をオープン。

今回のあきたびじょんBreakでは、お店を始めたきっかけや、こだわりについて取材しました。

マカダミアナッツとの出会い

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遼平:僕、もともと牛丼チェーン店の店長をやっていて...

― 意外です!ナッツやドライフルーツとは接点がない仕事ですね。

遼平:僕がこのお店をやろう!と思ったのはハワイでマカダミアナッツを食べた時。ふと、ひらめいたんです。「黒糖と合わせたらおいしいだろうな」って。それから帰国し実際に作ってみたら、めっちゃおいしくて。

― それで会社を辞めて、黒糖マカダミアを武器に起業することに?

遼平:相当無謀ですよね(笑)行動に移せた理由は、帰国後に起きた東日本大震災の影響もすごく大きくて、「これからは、本当にやりたいことをしよう」と思えたんです。そして、大学時代から環境問題や食への興味があり、考え着いた『自分の健康=地球の健康』という思いを、黒糖マカダミアはかなえることができると確信したからでした。

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<遼平さんの人生を変えた黒糖マカダミア>


遼平:スタートしてからは、当然ながら全くうまくいかず、5回くらい辞めそうになりました。でもその度に人に救われて、2年くらい経てからは、少しずつ軌道に乗り始めました。毎週のようにイベントに出店して、たくさん話して、試食してもらい、名前を覚えてもらいました。

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― そこから、秋田へ移転(移住)したきっかけは?

奈保子:私が「秋田の農産物を使った商品を作りたいな~」と思ったのがきっかけかな?あと、私はおばあちゃんっ子で、能代で暮らすおばあちゃんと一緒にいたいということもあって。

― 奈保子さんがきっかけだったんですね!

遼平:僕はどんな土地でも順応できる性格なので、移住への不安はありませんでした。水と空気がおいしくて食材もそろっているから、秋田いいじゃん!という感覚でしたね。

奈保子:移住を決めてからは二人だけで相談せず、東京都有楽町にある「Aターンサポートセンター」にお世話になりました。活用できる補助金や、先輩移住者の起業事例を紹介してもらい、開店の準備を進めました。

オリジナル商品で魅力を発信!

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<主力商品である黒糖マカダミアのほか、酒粕の燻製、ドライりんご、ドライ枝豆、チョコレートをコーティングした干し柿を試食させてもらった>

― ナッツとドライフルーツの専門店、秋田では珍しいですね。

遼平:ひとつひとつ製造して販売しているのが特徴です。食材は地元の生産者から直接、仕入れています。

奈保子:秋田には本当においしい果物や野菜が、まだまだたくさんあります。なので少しでも木能実の商品を通じて、地元の農産物の良さを知って欲しいと思っています。

小川豊治ぶどう園さん_1

<横手市の「小川豊治ぶどう園」を訪れた様子。2020年には当園のぶどう3種類のドライフルーツを混ぜた食べ比べパックを販売した>


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<仕入れた食材は店舗内で製造。取材時には枝豆の皮むき作業を見学した>



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<夏にはスイカのドライフルーツも>

こだわり抜いた商品の数々

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― 秋田の食材を使った商品がたくさんありますが、こだわりはありますか?

遼平:棚に並んでいるものは全て自信をもっておすすめします。世界で一番おいしい!くらいの気概で作っています。

りんごといえば青森ですが、鹿角のりんごもおいしい。さくらんぼといえば山形ですが、湯沢のさくらんぼも負けないくらいおいしいって思うんですよね。なので木能実は、そんな食材の"よさ"を知っている、「おいしいを求めている人がたどり着く場所」でありたいです。

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<鹿角のドライりんご>

― 木能実の商品を知ってもらうために意識していることはありますか?

奈保子:珍しい商品も並べているので、店内で試食ができるようにする...くらいですかね(2021年1月現在 試食サービスは休止中)。お客様がお知り合いの方に当店商品をプレゼントしてくださることで、多くの方に知っていただいています。

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<商品の製造は遼平さんが、お店の経営は奈保子さんがそれぞれ担当>

― コロナ禍でネット通販の販売数が伸びたのでは?

奈保子:需要は高まりましたね。神奈川県でお店をやっていた頃からリピートしてくださる方も、ネット通販をよくご利用いただいています。お店にもお客様が足を運んでくださりありがたいです。

― それだけ地域に根差しているということですね。

木能実から「おいしい」を広めたい!

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<明治時代、能代は製材業が大きく発展し「東洋一の木都(もくと)」と呼ばれていた>

― 今後、挑戦してみたいことは?

奈保子:多くの方に秋田県内の果物を使ったドライフルーツやナッツのことを知っていただけたらと思うので、ふるさと納税に出品できたらと思います。

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遼平:ドライフルーツやナッツの端切れを有効活用できたらなと考え中です。あとは、ペアリングの研究ですね。例えばドライフルーツとナッツ、ピスタチオとクランベリーといった、「一緒に食べたらおいしい組み合わせ」を見つけて商品化してみたいです。その組み合わせを考えるワークショップをみんなでできたら...楽しそう!

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【木能実(きのみ)】
《住所》秋田県能代市彩霞長根35
《営業時間》10:00~18:00 定休日:水・木
《連絡》TEL 0185-88-8670
《HP》https://www.akita-kinomi.com

【取材・文:秋田ブロガー兼YouTuber じゃんご】https://dochaku.com/

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