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プロの味を自宅で!?元東京のシェフの「出張料理」が人気!TreSorelle(トレソレッレ)塩原俊介

大館市中町にあるハチ公小径(こみち)。2010年にできた商業施設です。

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最初は5店舗で始まったものの、2019年10月には最後の1店舗が閉店。それから約9ヶ月間、出店がない状態が続いていましたが、2020年8月にイタリアンレストラン「TreSorelle(トレソレッレ)」がオープンしました。

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席は全て予約制で、取材した12月はその月の予約がほとんどとれない人気っぷり。明かりの消えたハチ公小径に現れたイタリアンレストランは、たちまち人気店へと成長を遂げるのでした。

このお店を営んでいるのは、神奈川県から移住してきた塩原俊介(しおばら しゅんすけ)さん。

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<名前>塩原俊介(しおばら しゅんすけ)
<出身地>神奈川県横浜市 
<生年月日>1989年5月4日
<略歴>
東京都港区でイタリアンレストランの料理長として従事。2019年5月、妻の実家がある秋田県大館市へ移住。2019年8月からは自身のスキルを生かし、自宅で本場イタリアンの味を楽しめる出張料理や地域での料理教室を開始する。2020年8月には大館市中町のハチ公小径にレストラン「TreSorelle(トレソレッレ)」をオープン。

今回のあきたびじょんBreakでは、塩原さんが大館に移住したきっかけや、移住して間もない頃から始めた「出張料理」について取材しました。

秋田の食材も取り入れるイタリアン

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― あまりにも塩原さんの料理を食べたくて、さっそくおすすめパスタを注文してしまいましたが...これはどんなパスタですか?

レンコンとカラスミ、アンチョビを使ったペペロンチーノです。お味はどうですか?

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― レンコンがしゃきしゃきしてておいしい!普段は煮つけで食べることが多いので...なんか新鮮です。

それはよかったです!トレソレッレは全国の旬な食材を取り入れているのが特徴で、料理によっては秋田の食材も使っています。

― 例えばどんなものを?

とんぶり、じゅんさいですね。とんぶりはドレッシングに、じゅんさいはアクアパッツァのアクセントとして使っています。なかなか想像できない組み合わせですけど、都会のイタリアンでは秋田の食材って結構使われているんです。

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<スプレータイプのしょっつる(ハタハタ)はカルパッチョなどの仕上げに使用。アンチョビのようなクセ感を出せるため重宝しているとのこと>


― そういえばお店のメニュー表、写真や説明が無いですね。これには理由が?

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お客さまにもよく聞かれるのですが、あえてつけていないんです。

お客さまの想像をかき立てたい...というこだわりがあるんですよね。料理をお出しした時のサプライズ感を大切にしたいというか。

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それと僕、コミュニケーションをとりたくて。
写真や説明がないことで、会話が生まれるんですよ。どんな食材を使っているだとか、どんな料理が好きなのかとか、お客さまとコミュニケーションをとることで「食べる」という行為のほかに、楽しんでいただける「空間」も提供できるんじゃないかって思うんです。出張料理に行く際も、せっかくなのでお客さまと楽しく会話したいなという思いがあります。

自宅で本格イタリアンが食べられる!

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―「出張料理」ってあまり聞き慣れない言葉ですね。どんなものなんですか?

出張料理は、ご依頼があったお客さまのご自宅やイベントスペースなどへ食材やお皿、調理器具などを持ち込み、その場で料理を提供するサービスです。メニューはイタリアンのコース料理か大皿などのパーティー・ビュッフェコースからお選びいただくことができます。ご予約の時点で苦手なもの、アレルギーのあるものをお伺いし、お客さまに合わせた料理を提供していますよ。

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― 始めたきっかけは?

秋田にイタリアンレストランが少ないことが一つ。そして秋田はご家族や親戚の集まりに会食する機会が多いので、出張料理は喜ばれるのではと。始めてまだ1年程度ですが、秋田の風土に合ったサービスなんだと実感しています。

― どのような方が利用されていますか?

ご家族や親戚の集まり、長寿祝いなどでご利用いただくケースが多いですね。実はこの取材の前にも出張料理をしていて、そのお客さまは結婚記念日のパーティーとしてご利用いただきました。

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<出張料理のイメージ写真>


― 反応はどうですか?

料理を楽しんでいただけるのが素直にうれしいです。お客さまから質問してきてくれたり、僕が調理しているのを興味深く見てもらったりと、コミュニケーションがとれるのもすごく楽しいですね。たまに「この野菜使ってけれ!」というオーダーもありますが、そんなむちゃぶりにも対応しています(笑)

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<広告・宣伝には力をいれず出張料理を開始したが、SNSで自然と口コミが広まり利用客が増えたと塩原さん。県内では珍しいサービスとして人気を集めたと分析している>


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<定期的に開催される料理教室。全員に調理過程を覚えてもらえるよう参加者は毎回10人程度としている>


移住のきっかけは「子育て」でした

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― 塩原さんはずっと自分のお店を出したい!と思っていたのですか?

思っていませんでしたね(笑)。大学時代に飲食店のバイトを始めて、そこから料理が好きになりました。当時は自宅でレシピ本を見ながら色々作っていました。

大学卒業後は洋食屋を経て、東京のイタリアンレストランの料理長となるのですが、そこで大館出身の奥さんと出会って...。結婚して秋田に移住し、お店を出すきっかけとなったのは「子育て」が大きいですね。

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僕は横浜出身ですが、案外田舎のほうだったので自然と触れ合う遊びをたくさんしてきました。自分の子供にも、そういった体験をさせてあげたかったというのが移住の決め手ですね。秋田ではたくさん土に触れたり、虫取りしたりできるので。

そして、仕事をしなきゃいけない!となったとき、僕に残っていたのは「料理」でした。秋田は都会と比べ、イタリアンの激戦区ではないし、なにより家賃をはじめとした経費を安く済ませることができる。なので「自分のスキルを生かせるイタリアンレストランを出してみようか」と。

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<三女の父である塩原さん。店名の「トレソレッレ」はイタリア語で"三姉妹"という意味で、子供たちとお店の成長を願って命名した>


隠し味はコミュニケーション

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― 今後やってみたいこと、挑戦してみたいことはありますか?

オリーブオイルを始めとした調味料や、よりすぐりのワインの販売をできたらなと考えています。あとは住んでいる家に畑があるので、そこで育てた野菜をお店で使ってみたいですね。西洋野菜のトレビスなんかは、この辺りでは珍しいと思うので、いずれは挑戦してみたいです。

トレソレッレのようにコミュニケーションをとりながら料理を楽しめるお店は、この先ずっと続けていきたいなと思っています。やっぱり人って会話からうれしさや楽しさが生まれてくると思いますし、料理の説明を口で伝えるだけでも味の感じ方は違ってくると思うんです。

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トレソレッレはがっつりとしたイタリアンレストランではないので、お気軽にご予約いただけたらなと思います。

― 取材しながら、プライベートでまた来たいな~って思いました!今回はありがとうございました。

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【TreSorelle(トレソレッレ)】
《住所》秋田県大館市中町1(ハチ公小径)
《営業時間》ランチ11:00~ / ディナー18:00~ ※要予約
《連絡・予約》ホームページ内のお問い合わせより
《HP》https://tresorelle.jp/

【取材・文:秋田ブロガー兼YouTuber じゃんご】https://dochaku.com/

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