"村の魅力"を映すYouTubeチャンネル「KANAME~要~」 東成瀬村地域おこし協力隊 奈良悠生・内野翔太・倉持和貴
【第1部】~地域おこし協力隊として~
【第2部】~YouTubeチャンネル『KANAME~要~』への思い~(本記事)
第2部では、2020年に東成瀬村の地域おこし協力隊として着任した奈良 悠生(なら ゆうき)さん、内野 翔太(うちの しょうた)さん、倉持 和貴(くらもち かずたか)さんたちが手掛けるYouTubeチャンネル「KANAME~要~」を詳しくご紹介します。
動画の主役は"要"となる人たち
― 「KANAME~要~」というチャンネル名に由来はありますか?
奈良:名前は僕と倉持で考えました。地域おこし協力隊に着任した際、村の人たちに「この村の魅力って何ですか?」と質問したんです。そしたら話をすればするほど「自然があるところ」など、当たり障りのない答えばかりで...。なんていうか、僕たちはもう一歩踏み込んだところを聞きたかったんです。
<青森県出身の奈良 悠生(なら ゆうき)さん>
改めて僕たちで「この村の魅力は何だろう」と考えた時、村の人たちも真剣に考えたことがないのかも、って思って。なので動画で村の魅力を共有できたら意識の変化が生まれるんじゃないかな?という発想から、面白い事業や挑戦をしている人たちを「村の要となる人たち」として発信しようと決めました。
1人ひとりが東成瀬村で経験してきた歴史の中に村の魅力があると思っているので、その人のバックグラウンドを動画にし、「これも魅力なのか」と気付くような内容にしています。
<埼玉県出身の倉持 和貴(くらもち かずたか)さん>
<鹿児島県出身の内野 翔太(うちの しょうた)さん>
― 取材の対象は皆さんが探しているんですか?
奈良:そうです。自分たちで探し、直接取材のアポをとっています。僕は青森県出身なので秋田弁は理解できなくはないのですが...。
内野:ご年配の方たちの秋田弁は聞き取れませんでしたね~。同世代の方は、僕たちに合わせて標準語で話してくれるので助かります。
リアルな言葉も伝えたい
― これまで公開した動画で、印象に残っているものはありますか?
奈良:村唯一のわらじ職人の佐々木 友信(ささき とものぶ)さんの動画ですね。
奈良:この動画は、僕たちが初めてインタビューしたもの。村の人たちと関わりが少ない中での撮影だったので緊張したのを覚えています。だけど今になって振り返ると、思った以上にすてきな仕上がりになっているなと感じます。
倉持:僕も友信さんの動画は印象的ですね。実家の鮮魚店を継いだ谷藤 達也(たにふじ たつや)さんをインタビューした「孫の挑戦」にも思い入れがあります。自分で撮影・編集した動画なので、ひとつの形を作り上げたという点で感慨深いなと思っています。
内野:僕が印象的なのは、そば店の店主・伊藤 裕芳(いとう ひろよし)さんを取材した動画。始めはぎこちない雰囲気で取材がスタートしましたが、話が進むにつれて心を開いてくれたのがすごく嬉しかったです。うまく話を聞けたか...は分かりませんが、個人的にはすっきりしたというか、満足のいく動画になりました。
奈良:最初は聞きたいこと(村の魅力)を聞き出せない、とモヤモヤしましたね。けれど今は、「自然がある」という当たり障りのない言葉だけでなく、ネガティブに感じとれるリアルな言葉も引き出せるようになってきました。
内野:取材は幅広い年代の人にバランスよくしたいと思っています。でもやっぱり、「何かしたい!」という熱量を持っている人は若者に多いと感じています。この村の若者をもっと取材したいのですが、なんせ人数が少ない。中には「取材NG」という方もいらっしゃるので、取材したいけどできないもどかしさも感じています。
内野:取材がNGでも、この村で輝いている方たちはとても貴重です。動画にすると伝えられる部分は大きいと思うんです。なので出演してもらえるよう、何度もアポをとって交渉しているのですが...難しい。ゆくゆくは学生さんだったり、面白いことをしている方だったりをたくさん取材したいです。
― 「KANAME~要~」の動画は、視聴者にどんなことを伝えたいのでしょうか?
奈良:"何か"を伝えられたらいいと思っています。それこそネガティブでもいいし、ポジティブでもいい。動画を見た人が"何か"を感じて、村の活性化につながる行動のきっかけにしてほしいです。
倉持:村の人たちが「KANAME~要~」の動画を見て、意識を改めて東成瀬村に向けてくれるような、気持ちの変化があったらいいなと。動画をきっかけにいろんな議論が飛び交うとか、共感したりだとか、"何か"を始めるきっかけになってくれたらうれしいです。
内野: ありのままの東成瀬村を、村の外の人に伝えたいです。変に飾るのも違うと思いますし、動画を見たそのままの印象を持ってもらえるのが一番いいのかなと。それを見て、「東成瀬村って面白そうだな」と感じた人がこの村を訪れてくれるよう、きっかけを作るのが、僕たちの役割だと思っています。
この村の魅力って何ですか?
― 皆さんは東成瀬村のどういうところに魅力を感じますか?
奈良:初めて東成瀬村に来た時は、それこそ「自然がある」とか「村の人たちがあったかい」とか思ってました。けれど最近では「何もない」というところもいいなと思ってて。青年部や商工会の人たちの話を聞くと、「もう少し新しいことをしたい」、「もっと頑張りたい」という意見が多いです。そんな熱量のある人たちが集まって何か新しいことをするには適した場所だと感じます。可能性を秘めてるっていうところが、この村の魅力なのかなと。
内野:自然が豊かなので釣り・登山・アウトドアなどを満喫できるところが魅力かな。また村で「YouTubeで地域おこし」という新たなチャレンジをしているところにも魅力を感じますね。
倉持:埼玉県出身の僕にとって、人と深くかかわる時間はそんなに多くありませんでした。この村は、通りすがりの人も必ずあいさつをしてくれるし、よそ者の自分たちを温かく迎え入れてくれている。わらじ職人の友信さんのように、都会では経験できないことを生業としている人もいます。自然もそうですけど、この村の魅力はやはり「人」だと感じます。
― 「KANAME~要~」は今後、村にどんな影響を与えていきたいですか?
内野:動画を通して、それぞれ感想を抱いて、最終的に東成瀬村で「何かしてみたい」、「地域おこしに参加したい」という人の流れを作りたいです。
奈良: できるだけ多くの人を取り上げたいです。その中で意識の共有じゃないですけど、村民1人ひとりが感じていることを村全体で共有できるようなチャンネルになればと思います。
【取材・文:秋田ブロガー兼YouTuber じゃんご】https://dochaku.com/
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