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ジェラート専門店TiG(ティグ)「オープン1ヵ月で5000名集客できた理由」を聞いてきた!

「オープンしてから1ヵ月で来客数が5000名を超えていました」

そう語るのは、2020年5月に秋田県美郷町にオープンした「ジェラート専門店 TiG(ティグ)」のオーナー、内田清文(うちだ きよふみ)さん。

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プロフィール
《名前》内田清文(うちだ きよふみ)
《生年月日》1988年2月24日
《出身》美郷町(旧六郷町)
《経歴》大曲高校卒業後、玉川大学へ進学。その後イギリスへ留学。現在は測量計測機器の販売などを行う仕事をしながら、「ジェラート専門店TiG(ティグ)」の経営をする。

内田さんは秋田県の「若者チャレンジ応援事業」に採択されたのち、補助金を活用しジェラートの本場・イタリアのジェラート専門学校へ留学。帰国後は地元である美郷町に店舗を構え、週末には500個以上のジェラートを売り上げる人気店へと成長しています。

どうやったらこんなに人が集まるのだろう…。その真相を探るべく、TiGのオーナー内田さんに「オープン1ヵ月で5000名集客できた理由」を聞いてきました!

ざっくり!
オープン1ヵ月で5000名集客できた理由

①競合が少ない事業に取り組んだ
②イタリア留学で高い製造技術を身に着けた
③指導者・専門家からアドバイスをもらった

競合が少ないからこそ可能性がある

―なぜ秋田県で「ジェラート専門店」を始めようと思ったんですか?

ずっと前から地元で飲食店経営をしたい!という野望を抱いていたんです。どうせやるなら自分の好きなもので挑戦したかったので、子供の頃から好きだったアイス(ジェラート)を販売したいなと。でも最初は、低コストで開業できるカフェ経営を考えていましたよ。リスクヘッジのために。

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でも、もし仮に経営が不安定になったとしても、自分の好きなものだったら頑張れる。そう思ったので、低コストで経営できるカフェよりも、自分の好きなジェラートを売るお店を開こうと決めました。カフェと比べると、結構コストがかかるんですどね(笑)

―コストのかかるジェラート屋さん。売れる実感はあったんですか?

秋田にはおいしい食材がたくさんありますよね。そのおいしさを活かしたジェラートを製造できれば売れるのではないかと思いました。それにジェラートに合う食材って意外と多いんですよ。

県内で「こだわりのジェラートだけを販売するお店」がなかったのも、この事業をはじめた理由のひとつです。「競合が少ない」「オリジナリティーがある」というのは事業をする上で大切かなと。

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<ジェラートに使用される牛乳は全て秋田県産>

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<取材時(6月上旬)は13種のメニューが注文可能>

―なぜ人口約2万人の美郷町に、これだけ多くの人が集まる場所を創出できたのでしょうか?

僕もそうですけど、秋田の人って「新しいもの好き」だと思うんです。新しいお店がオープンしたらついつい行ってみたくなる、みたいな。そんな傾向がある秋田だから、オープン1ヵ月で5000名以上集客できたと分析しています。

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今後も多くの方にジェラートを楽しんでいただけるように、季節ごとのジェラートを開発したり、メニューを増やしたりと、お客様を飽きさせない仕掛けを用意していきます。

イタリア留学で得たもの

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―ジェラートの本場・イタリアでの留学はやはり特別なものでしたか?

そうですね~。日本では学ぶことができない体験ばかりでした。そもそも日本のジェラート屋さんって、1000店くらいだと言われています。対してイタリアは3万店と言われていて、ジェラートは日常的に親しまれています。

イタリアではジェラートが美味しい店もあれば、そうでもない店もある。留学先では美味しい店だけにこだわらず、あらゆるジェラート屋さんを食べ歩いて勉強していました。

食べ歩き

<イタリアでのジェラート食べ歩き>

―留学ではどんなことを学びましたか?

留学先の先生はジェラート屋さんを経営している方だったので、トップレベルの技術を間近で学ぶことができました。日本じゃこんな体験、まずできないですよね。

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<ジェラート作りの指導を受けている様子>

「あそことあそこの店、どっち美味しいか感想書いて来てね」と先生が課題を出してくれたこともありましたね。自分の味覚とお客さんの味覚をすり合わせるにはベストな課題でした。

留学では本格ジェラートづくりのノウハウを学べたほか、休日には北から南までイタリア各地のジェラートを食べ歩き、地域ごとに特徴の異なるジェラートを体験してきました。

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<ジェラート作りの先生たちとの記念写真>

―以前からイタリアでの留学を考えていたんですか?

全く新しい分野への挑戦だったので、本場イタリアでしっかり学ぶ必要があるとは考えていました。留学を踏み切ることができたのは、県の「若者チャレンジ応援事業」があったからというのが一番大きいかもしれません。海外への渡航費も対象になるとのことだったので、大変助かりました。

―事業計画はしっかり練ったんですね。

しっかり考えましたが、飲食店の事業計画を作るのは初めてだったので、ダメ元くらいに考えていました。県のチェックが入るので、たとえ採択されなかったとしても、「ジェラート屋さんは違ったんだな」って一旦立ち止まって方向修正することができる。

逆にジェラート屋さんが"売れる事業"なら採択されるし、成功する確率は高まる。結果的にどちらに転んでも、僕にとってプラスにしかならない募集だったんです。

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―県内で開業したい!と思っている若者にはもってこいの応援事業ですね。

そうだと思います!事業の失敗リスクを回避できるのが、若者チャレンジ応援事業のいいところ。秋田でチャレンジしたいと思っている人は、僕のように「とりあえず応募してみる」っていうのもアリだと思います。

若者チャレンジ応援事業はただ補助金をもらうだけじゃなく、採択後は指導者やアドバイザーから個別にサポートを受けられるんです。これは飲食店経営のノウハウが少ない自分にとって、かなり嬉しいサポートでした。

―新しい人脈も広がってるのでは?

広がりましたね~。事業の進捗状況などを報告する「成果発表会」では採択者同士の繋がりもできて、ネットワークが広がります。新しい世界がどんどん開けてくる感じがして、とても刺激的です。

指導者や専門家から本気のアドバイス

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―指導者や専門家からはどんなサポートを受けていますか?

zoomなどのウェブサービスを使い、定期的にアドバイスを受けています。採択された最初の年は、東京で働きながら秋田の農家集団「トラ男」を立ち上げた武田昌大さんが指導者でした。事業の進め方やブランディングなど、あらゆることを相談できるので、課題や問題に早く気づくことができましたね。

そして現在はオンラインショップを立ち上げる計画をしているので、オンラインショップの専門家からサポートを受けています。現在やりとりしている専門家は、30秒でオンラインショップが開設できる「BASE(ベース)」で働いていた経験がある方です。

―県からの本気度が伝わってきますね。

本当にそう思います。こんなにサポートが手厚い事業は秋田県ならではじゃないですか?「〇〇という理由で困っています」となれば、その分野の専門家から定期的にアドバイスをいただけるので、経営の舵取りがしやすいですね。おかげ様で1週間頭フル回転ですけど、自分が頑張った分だけ成果として表れています。

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―今後のビジョンを教えてください!

秋田市、仙台、東京、海外へと出店を予定しています。海外展開までは必ずしたくて…。今は野望のようなものですけど、いずれは実現させたいです。東北では移動販売車でジェラートを売るのもいいかなと。そして今は、オンラインショップでの販売や、飲食店やスーパーなどにTiGのジェラートを卸す準備もしています。

やりたいことはたくさんあるのですが、スタッフ不足で忙しくて。ありがたいことにオープンしてからこれまで、ほとんどフルメンバーで店に立っている状態です。もう少し余裕がでてくれば、さらに面白い仕掛けができると思います。

【取材・文:秋田ブロガー兼YouTuber じゃんご】https://dochaku.com/

【ジェラート専門店 TiG(ティグ)】
《住所》秋田県仙北郡美郷町六郷馬町102(65テラス内)
《営業時間》11:30~16:30(定休日:木曜日)
《SNS》インスタグラムはこちら