見出し画像

人が繋がり、集まる地 ― 男鹿市増川 ―

初めまして。

Time Colors Lab.代表の伊藤晴樹です。
私は3年前に秋田県男鹿市に移住しました。

地域おこし協力隊として活動していましたが、なぜ今もこの地域で活動しているのか
1つのストーリーを紹介させていただきます。

私が住む増川は100世帯ほどの集落です。
目の前に広がる青い海、背には濃い緑の森林が広がるまさに絵にかいたような自然豊かなところです。

画像1

画像2


そしてもう1つ。
男鹿市は”なまはげ”という伝統行事が有名ですが、実はどこの集落でも行われているわけではありません。


この増川では担い手不足などの理由から13年前に途絶えてしまったのです。

C0007_09530553 モノクロ



最初にこの地区と関わるようになったきっかけは「ゲストハウス男鹿」という宿泊施設のオーナーさんとの出会いです。木工職人でありながら、ダイバーの資格を持つ三浦さんは山にも海にも詳しい方で、まさにこの増川にぴったりな人材です。
宿泊の他にも子どもたちが木工体験をしたり、人が集まるスペースは最初の出会いからはまだまだ未完成で床や壁を塗ったり、暖炉を作ったりとオープンしてから様々なことに関わらせていただき、ちょっとずつ三浦さんの完成図に近付いてきました。


様々なことのお手伝いをしているうちに時は過ぎていきました。


地域を巻き込んだイベントを企画しよう
そう考えていると、町内会長さんと出会った際に地域の現状を話してくださったのです。


特に衝撃だったことは

「祭り」がなくなったという話

進む少子高齢化。様々な問題が出ています。



「この増川地区のなまはげも12年前に途絶えてしまってね…。」



とても残念そうに話す会長さんの言葉を聞いて、私も悲しい気持ちになりました。
そして、なまはげをまた見たいと思うのは会長さんだけではありませんでした。



私にできることは何だろう。



そう考え。1つの答えを出しました。


外部の人たちの力を合わせ

なまはげ行事を復活させよう。


担い手が集まるか不安もありましたが、徐々に地域の方も私に力を貸していただき、1人また1人と人が集まってきました。



そして12月31日の夜。
「うぉー、うぉー わりい子はいねぇがー」
13年ぶりになまはげの叫び声が集落の中いっぱいに響き渡りました。



復活して2年目。
今では更に人が集まり、ちょっとずつ昔の状態に戻ってきています。

画像14




地域に溶け込むことができた私は、もっとこの地で人の繋がりを意識した活動を継続したいと思い、教育と人材育成を行うTime Colors Lab.を設立しました。香りや色など五感から個性を磨く教育プログラムを提供し、クラフト作家さんやサロン経営、若手農家、地域おこしなど様々な分野で頑張る方々の背中を押し、夢の実現のサポートをしています。

画像3


最初は3年後の姿は全く想像できなかった私も、この地区に関わらせていただき、住むことに決めたのです。


そこにあったのは間違いなく土地と人々の引力だなと実感しています。
ではなぜ、この土地に人々は引っ張られるのでしょうか?


最後に私の他にも引き寄せられた方々のお話を聞いてみましょう。



ゲストハウス男鹿オーナー三浦豊さん

画像4


工房とギャラリーにいい物件を探していたところ、この先にある鵜ノ崎海岸という癒しのスポットに行く時にここに見つけました。
ここは2階もあって、いずれは民宿も経営できればと思っていました。私が若い頃は「ペンション経営」が流行っていて、それに憧れて購入を決めました。
9年前に購入し、ゲストハウスとしてオープンし、4年経ちましたが、いまだに最初の目的の工房とギャラリーとしては利用できてないけどね 笑。

画像15


全国のお客さんをお迎えしています。
SUP(Stand-up Paddle Board)とカヤック、カヌーなども体験できます。
町の中ではできない体験をしてもらえればなと思っています。

画像5


特に工房ができたら、旅行に来た人も含めて、親子で木工体験できる場所になればいいなと思っています。
最近はアウトドアが得意なお父さんが少なくなってきている気がします。火起こしをしたり、魚をさばいたり。
それから昔はドライバー1本あれば、家の中の修理をできるお父さんがいたと思いますが、今は少なくなりました。
ものが壊れたら、新しいものを買ったり、修理をする時も他の人に依頼したり、
お金を出せば、解決するってことが増えてきたと思いますが


お金で買えないものもあって


画像6


そんなことを親子で学んでほしいなと思っていますし、そんな場所にしていけたらいいなと思います。


また、業種は限りませんが、様々な分野の作家さんが集まればいいなと。
伊藤さんと前から話しはしていますが、手作りの工房を周るツアーなどが隣の地区と連携しながら、組めたらいいなと思っています。


三浦さんありがとうございました。



次はお食事処おがんしゃ代表の西村かほるさんにお聞きしました。


うちの次男がヒップホップをやっていた時、そのステージでなまはげ太鼓を偶然見て、演者さんがかっこいいなと思いました。その影響もあってか今は次男が男鹿海洋高校で実際になまはげ太鼓をやることになり、親としてもとても嬉しかったです。
また、長男が釣りが大好きで何度も男鹿に来ていました。そして2年前に漁師なると言った時に男鹿の漁師さんと出会い、とても良くしてくれました。

画像7



子どもたちが男鹿に大変お世話になりました



住むのにいい物件がないかちょうど1年前に探し始めた時に、二間続き、縁側があったので「楽しく過ごせる集いの場」ができるなと思いました。

また、20年以上前に秋田市の工房で通っていた木工教室の先生が三浦豊さんで、男鹿に来るようになって、久しぶりに連絡をすることになりました。



三浦先生がいるのが大きな決め手ですね。



私の旦那の兄が料理人でして、ここで料理をしてみんなに振る舞いたいなと言い出し。
昨年5月まで着工、7月4日にオープン。
振り返るとバタバタでした。



不思議ですが、引き寄せられたと思います。



男鹿の旬の食材を使った和食をメインに土日に営業しています。平日の日中は地域の人たちが集まるサロンをやろうと思っています。
私はみんなで会話をしながら、ワイワイするのが好きなので。色んな人に頼られる男鹿の母さんみたいになりたいなって思います。


あとは集まった人たちがそれぞれのいいものを持ち寄って産直みたいなものができたらいいな。町の小さな道の駅ができたらいいなと思います。



ゲストハウスに宿泊した人がうちで料理を食べて、自然を使ったアクティビティーを体験し、お客さんが男鹿に来てよかったと思ってもらいたいです。


あとは地域の人たちも気軽に来てもらえる場所になってほしいなと思います。


また、移住者がご家族連れだったときに、すいか割りとか体験させたい。
前に遊びに来た人がやったことないって。

正直、びっくりしました 笑。
家族で体験して、みんなが楽しむ遊ぶ場所にしたいなと思っていますよ。


男鹿での出会いに感謝で「おがんしゃ」


長男が水揚げした新鮮な魚と次男のなまはげ太鼓の演奏でおもてなしをしたいと思っています。


料理だけではない、体験も味わうことができる場所になりそうです。

画像8

西村さんもありがとうございました。



いかがでしたか?100世帯ほどの地域に今は木工職人、料理人、調香師。
それぞれ違う分野ですが、私を含め移住者が3組もこの地区に集まってきています。
まさに人が人を引き寄せる引力が働いていますよね。


ぜひ1度 男鹿市の増川に来てみませんか?
お待ちしております。

画像9


最後に今回、取材に協力してくださった方々の情報を載せておきます。

・ゲストハウス男鹿HPはこちら
 Facebookページはこちら
・Time Colors Lab.のFacebookページはこちら
・おがんしゃ
(営業日時 土日 昼|11:30-13:30、夜|17:00-20:30 お問合せ 0185-44-1090)

画像10

画像11

画像12

名物の海宝丼、秋田錦牛のローストビーフ丼
それぞれ1800円(税抜き)


【著:Time Colors Lab.代表 伊藤晴樹】