2010年に会った人の半生

年末年始、帰省の折に掃除をしていたら片隅から出てきたメモの話。


私はレシートをや走り書きのメモを収集しておく癖がある。日々の出来事、感じたことや考えたことを何かのタネにしたく、いつか振り返り再検討したい、まとめたいと思いながらただただ積み重なっている記憶の山がある。掃除をしようと思ったとき、大抵この山に目を通す時間になり、一枚一枚を見て色んなことを思い出しながら何かを供養し、片手におさまる程度の紙切れをゴミ箱に移して、少しだけ山が小さくなって満足する。もちろん掃除は遂行されず、私の時間と精神はこれに向き合うことに費やされる。私の中では大掃除がされているのに、部屋の見かけが変わらずよく怒られていた。

山を切り崩していくとき、大抵、誰と何をしていたときのものか思い出すことができる。友達と近所のスーパーにお菓子や飲み物を買いに行ったときのレシート、待ち合わせまでの時間潰しに図書館の馴染みのないジャンルの書架を彷徨って読んでみたい本の名前を書きだしたメモ。しかし、今回出てきたメモは珍しく、全く記憶がなくて本を読んでいるようだった。

画像1

自分の文字で、人の話を聞いた内容が書かれていた。走り書きのようなものではなく、結構な分量がある。人の話を聞きとってメモをしたみたいだ。紙の裏には、夏休みの買い物の金額やバイトの給料の受取日が書いてあり、記憶を辿ると2010年、私が高校生の頃のもののようだ。メモの量から、30分程度は話してくれたのだろうか。何か啓発めいた言葉もあるし、学校が講演会のようなものを設定してくれたのだろうか。全く思い出せない。
いつもはさらっと読んで、こんな頃もあったな、でまた山に手を伸ばすのだが、今回はネットの海にシェアして供養してみようと思う。

※以下、メモのままの表記で書く。

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今まで言ったことは気にしないで。

これは忘れないで。一ヶ月前はとても死に近かった。

運があってもう1度どうやっていきるかを決めるチャンスをもらったとても幸運だわ。

それは血液型が同じで、ラジオを聞いていて、健康で緊急だったせいで年を聞かなかったからなのよ。

この時間はもっと多くの幸運のために

若い時に結婚。軍人と。第二次世界大戦で死亡。

結婚はとても幸せだった。死後、私は他の男性を好きになることはなく、結婚しないことを決めた。

たくさんの男性–お金持ちや有名な人達が結婚しないのかと聞いてきた。なぜならその頃は賢くて、したいと思うときに美しくなれたから。しかし、答えはいつものNo.そのかわり小さなペンションをかって。

旅をした。数ヶ月〜数年も
たまに英語を教えてお金をもらいたくさんの友をつくった。

文通している金持ちと結婚すると大きい家、半使用人。

しかし、私はそれを望まなかった。そんなことは大切じゃない

世界を見たい。面白い人に会いたい。

それなら小さい部屋に安い食べ物でいい。

素晴らしい人生をたくさんの幸せをもらった
生きてきた

間違いもしたし、病気や危険な目にもあった。

怖くて、こ独なときもあった。

たくさんの冒けんがあった。

私のやりたいように生きてきた。

自分が生きることについて良い決定をできる

わかった?運もあった。不運もあった。
だけどあなたは生きている。もしもあなたが望むならあなたの好きに変えなさい。

2ヶ月後、車の保険のお金がくる。会社をやめて、シドニーの安い小さな部屋。

絵に必要な道具を買う。
果物、野菜 お気に入りのカフェで1杯のコーヒーを飲み、新たな友達と1時間話す。

彼らは大体画家。
作家やその他の人々と話したかった
これは彼の人生の中で幸福な時間だった。

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たくさんの男性–お金持ちや有名な人達が結婚しないのかと聞いてきた。なぜならその頃は賢くて、したいと思うときに美しくなれたから。


ここなんて英語を訳したような書き方みたい。しかし、そうだとしてこんなに漢字を書くだろうか。この頃長い英文を聞き取る能力はないのだが。

んー、今になって聞き取りのテストの文章とかだったような気もしてきた。
国語の聞き取りってなんだよと思ったあれかもしれない。

さて、今日も掃除ができない。

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