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【デジタルファッション】mfersから学ぶ次のコミュニティのかたち

こんにちは。アキスケです。

海外のデジタルファッション関連の
プロジェクトを調べていたら
面白いストーリーを持っている
プロジェクトを知りました。
今回はそのお話をします。

正直あんまりファッション関係ないんですけど
使い方によってはアイコンとして良さそうですし
何より思想がかっこいいと感じました。

早速ですけれどそれは
「mfers」という名のプロジェクトです。
(読み方わかりませんでしたw)
トップバナーに貼ったのがそれで
とてもシンプルなイラストをしています。

一見誰でも書けそうなイラストたちは
一体一体NFTアートとして販売されています。

NFTマーケットプレイスopenseaでの
販売価格は最低でもおよそ19万円

作者が突然消えたプロジェクト

このmfersの何が興味を引いたのかというと
作者が突然いなくなったということと
誰も中心人物がいないのに
プロジェクトは終らずに活動が続いていることです。

なんかミステリアスな感じと
調べてみてわかった、
近い将来ネットで盛り上がりそうな
王様や管理者がいない活動のかたち
に惹かれました。

ちなみに後にも書きますけれど
いなくなったのは事件など
ネガティブなものではないようです。
プロジェクトの理想形のため
姿を消したと言われています。


mfersは遊びの中で生まれた

mfersのことをもう少し深掘りすると
2021年に「Sartoshi」という方が作者となって
リリースされた10,021個のNFTアートです。

Sartoshi氏は素顔や国籍はわかっていません。
有名なイラストレーターというわけでもないようです。
2021年にCryptoPunksというNFTアートに惹かれて
購入したのがNFT界隈に入ったきっかけとのことです。

CryptoPunksというNFTは今では一体数千万円で
取引されることも珍しくない世界でも
トップクラスにネームバリューあるNFTです。

しかしSartoshi氏が購入した頃は
まだ初期だったようで
そのあとに価格が劇的に上がり、
Sartoshi氏はネット上の仲間とCryptoPunksを
売買して遊んだのだそうです。

CryptoPunks
mfersの作成にも影響を与えた

仲間たちとのコミュニケーションの中で
Sartoshi氏は自作の漫画とかmemeを書いて
投稿していたそうです。

その中にはバズるものもあったらしく
仲間内から「君はNFTコレクションを出すべきだよ!」
とか言われていたそうです。

ちょっと端折りますけれど
その後実際にNFコレクションを
発行することになります。
それが「mfers」です。

mfersを初めて販売した時のwebサイト
今はここから買うことはできませんが
サイトはまだ残っています。

生みの親 Sartoshi氏突然いなくなる

mfersがリリースされて数ヶ月後の
2022年の6月Sartoshi氏は

プロジェクトの管理をコミュニティに渡し、
姿を消しました

といっても事件性のあることではなく
ネットの世界から消えたようです。

その正確な理由は明かされていませんけれど
おそらくmfersというプロジェクトの理想の形としては
作者という中心的存在が必要ではないため
と思われます。

下記にSartoshi氏が残した
mfersが生まれるまでの経緯と
mfersのありたい姿、哲学が語られています。

読んでみるとSartoshi氏は
カリスマ的存在が動かすトップダウン式ではなく
コミュニティによるボトムアップ式の仕組みを
理想としていることが見えてきます。

なのでもしかしたら今は別のアカウントで
mfersに関わっていたりしているかもしれませんね。
なんかエモいです。


中心がなくとも共通の価値観で動き続けるコミュニティ

mfersはどのように運営がされているのでしょうか。

webサイト・Twitterアカウント・Discordなどが
存在しているものの、公式なものは無く、
全てmfersコミュニティの初期メンバーの一部が
運営しているようです。

実際にSartoshi氏の哲学が
どれほど残っているのかまで調べていませんけれど
いなくなってから約1年たち
「NFTの冬」と言われる今でも
mfers NFTは一定の価値を保ち続けています。
それは今も哲学が生きているからこその証なのでしょう。


誰でも許可いらずで二次創作OK

ここまでmfersの誕生経緯と
その哲学について簡単に触れてきました。

それ以外にも特徴的なところがあります。
CC0ライセンスを採用していることです。

簡単にいうとコンテンツの作者が
著作権による利益を放棄しています。
それによって、他者は著作権による制限を受けずに
自由にアレンジを加えたり機能を追加したりなどできます。
グッズを作ったりして商用利用することも可能です。

mfersのNFTを持っているかどうかも関係ありません。

先にSartoshi氏はコミュニティによる
ボトムアップ式の仕組みを望んでいると書きました。

CC0を採用していることも
それと繋がっているのでしょう。

mfersの哲学を理解する人たちによるコミュニティで
自由にどんどん遊んでもらって発展していくことを
望んでいるのでしょう。一貫性がありますね。

それとSartoshi氏はmfers作成前に
インターネット上のジョークで
仲間たちと楽しんだ過去があります。

そういう遊びをmfersを使うことでも
やってもらって、楽しい思い出を作って欲しい
という気持ちもあるのかもしれませんね。


まとめ

長くなりましたのでまとめます。

■mfers
・10,021個のNFTアート
・Sartoshi氏が仲間たちとの
 遊びをきっかけに生んだコレクション
・リリース後しばらくしてSartoshi氏が消える
・中心のないコミュニティ主導の形が理想のため
・作者の哲学を共通認識とするコミュニティで
 自発的に活動している
・CC0採用により誰でも二次創作など
 作品をつくって楽しむことができる
 
以上になります。

中心的存在である作者が自ら消えることで、
プロジェクトのより理想形に近づこうとする、
珍しくもあり今後さらに増えるであろう
ネットコミュニティのひとつの型を
学ぶことができました。

価値観とそれを理解し合うコミュニティ。

現代では製品のパッと見のクオリティは
どれも甲乙つけがたいレベルになっていますから
上記のような「形のないもの」で
何を生み出せるのかが一層ポイントになりそうですね。

それでは。また。

■mfers WEBサイト

■mfers  OpenSeaページ

https://opensea.io/collection/mfers

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