百人一首ツイノベ解説 #004
学生時代、悲しいことがあるといつも大学裏にある公園の高台へ行く。そこにある寂れたベンチに座って、向かいの何だか分からない建物を眺める。ある日、今でも自分の中で一番の友人だと思う奴とベンチに座った。
冬の日だ。「将来が見えない」とか「友人関係が面倒だ」とか、たぶんそんな話をした気がする。あのときのささやかな気持ちは、今、雪のように溶けていった。名残水で足下を濡らさないように歩き続けるしかない。
(注:和歌の歌意は今日マチ子さんの著書『百人一首ノート』から拝借しています)