錦織圭はチリッチに勝てるか~全米オープンテニス2018 10日目展望

全米オープンテニスも残す試合は数える程となりセンターコートでは大坂なおみのベスト4を懸けたツレンコとの試合が始まった。この試合が終わると錦織圭がチリッチとの準々決勝を同じくセンターコートで迎える、そこに勝算はあるのだろうか。

両者のこれまでの対戦成績は錦織8勝チリッチ6勝と錦織が勝ち越している。直近の対戦は今年4月のモナコモンテカルロでのマスターズ(クレーコート)、錦織が6-4,6(1)-7,6-3で勝利した。
ここまでは錦織にポジティブなデータだが両者の全米での対戦成績は錦織1勝チリッチ2勝、2010年の2回戦では錦織がフルセットの末チリッチを下したが2012年の3回戦ではチリッチがセットカウント3-1で勝利そして2014年はラオニッチ、ワウリンカをフルセットそして準決勝ではジョコビッチを3-1で下して決勝に進出した錦織だったがフェデラーをストレートで下して決勝に勝ち上がったチリッチが勢いそのままに錦織をストレートで下した。
チリッチの高身長を活かしたサーブやストロークはクレーコートよりも全米の高速サーフェスに適している、モンテカルロでは錦織が強さを見せたが難しい戦いになるだろう。

では錦織がチリッチに勝つには何が重要かというとまずは1stサーブ、テニスファンにとっては何を当たり前のことをと言われてしまうだろうがチリッチのサービスゲームをブレークすることは現役屈指のリターナーの錦織をもってしても難しい以上錦織もサービスキープでついていくことが絶対に必要。そのためにはサーブ特に1stサーブが重要だ、2ndサーブの弾むボールが甘くなるとチリッチの高身長から放たれる強打が決まるシーンが増えることが予想される。だからといって2ndサーブも厳しいコースを狙うとダブルフォルトのリスクを背負うことになる、サービスエースにならなくてもチリッチに満足なリターンをさせないサーブが増えると錦織が優位に立ってサービスゲームを進めていけるだろう。

後は錦織の国を背負った戦いそしてその後の強さに期待したい。全米で決勝進出を決めた2014年は直前こそ怪我に悩まされたが2月にはデビスカップが現行の形式で行われるようになってからは初めてのベスト8進出という快挙を東京の声援の前で単複3勝という活躍で達成した、また2016年はリオデジャネイロオリンピックでナダルを破り銅メダルを獲得その後の全米では地元ウィンブルドンでの優勝そして五輪連覇で勢いに乗りこの年最終ランキング1位を獲得するA.マレーを破りベスト4進出と錦織の心の内はわからないが勝敗以上に試合に関わるものが錦織の力になるのだとしたら大坂なおみの日本女子史上初のベスト4進出という快挙、その流れが錦織を勝利に導くことを期待したい。

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