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生き写しバトル【毎週ショートショートnote】

「……ここか」

男たちは顔を見合わせて頷くと、古ぼけた部屋のドアを叩いた。

「はい?」

出てきた青年の顔を見て、男たちは声ならぬ声を洩らした。

「そっくりだ……」
「まさに生き写し……!」

「何ですか、あんたたち」
「君、一生困らない財産を手に入れる気はないかね?」
「は?」

男たちは必死の形相で話し始めた。
偏屈で孤独な資産家が亡くなったこと。
妻も子供もいないので、親族が相続で揉めていること。
遺された会社と財産を守るため、亡き当主に生き写しの男性を探して、隠し子になりすましてもらう計画であること。

「――というわけだ。悪いようにはしない。君は一生……」
「興味ないです。帰ってください」

青年は有無を言わせずドアを閉めた。
悄然と引き上げる男たちの姿を窓から見ながら、ため息をつく。

「――やっぱり来たよ、父さん。実はその死んだ当主も替え玉だったとは知らずにさ。やれやれ、15年前に突然死したそいつと父さんの他人の空似が、とんでもない生き写しバトルを生み出したな」

(421字)
少しオーバーしました

【あとがき】
ちょっとわかりにくいかなあ…
ううう、また来週がんばるー!!

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