気がついてくれた保健師さん


 私の住んでる市では、毎月行われる相談室がある。

ここで毎回大丈夫だと言われていたので、次のステップ「発達検査」までは遠い道のりだった。

涙ながらに訴えた後、何回も顔を出している相談室で、初めて見る保健師さんがいた。


おとなしくできない息子を、息子が好きな太陽系のマグネットを持たせると、やはり静かに座っている。

それを見ると、

「大人しいし、大丈夫だと思うんだけどな…」

そう言われる。

またか…そう思った。

「お母さん、お母さんから見て、今この場での息子さんはどうですか?いつも通りですか?」

初めての質問。踏み切ってくれたと思った。

「猫被ってるなって思います。」

その答えにその保健師さんは、考えるように息子に色々な質問をしはじめる。

「好きな食べ物は?」

「好きな絵本は?」

「今日は誰ときたの?」

その質問に息子は「わからない」「全部好き。」「お母さんと」と答える。

そして息子が場所になれ始めた頃。

保健師さんと話し始めて1時間は経っていた。

息子は今までの大人しさが嘘のように騒ぎ始め、近くのソファーを飛び回り始めた。

保健師さんは

「お母さん、わかりました。心配してること、わかりました。」

そう言ってくれた。

今まで門前払いかのように、15分ほどで大丈夫!と言われていたのに、この人はわかってくれた!

そしてその人は、睡眠のこと、迷子のこと、一つ一つゆっくり話を聞いてくれた。


そして発達検査という次のステップに繋がることができた。

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