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カンブリア宮殿の放送を終えて。食べチョクのこれまでとこれからをまとめます。(5/15追記)

おはようございます。食べチョク代表の秋元です。

昨夜、テレビ東京系列「カンブリア宮殿」で私の運営する食べチョクが取り上げられました。ご覧いただいた皆様ありがとうございました。

見逃してしまった方やもう一度観たい方は、テレ東BIZさんより見逃し配信がされているようなのでよければ是非こちらでご覧ください↓↓↓


ありがたいことに番組を受けて多くの反響をいただいてます。改めて私たち食べチョクチームの思い、これまでの歩み、今後についてお伝えできたらなと思い、noteにまとめさせていただきます。


●立ち上げの背景

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私は神奈川県にある農家の長女として生まれましたが、中学生の時に実家の農家が廃業しました。昔きれいだった畑が荒れ果ててしまったのを見て、「色鮮やかな農地を取り戻したい」という思いで2016年に立ち上げたのが株式会社ビビッドガーデンです。

ビビッドガーデンには「色鮮やかな(vivid)農地(garden)」という意味を込めています。実家だけではなく、私と同じように昔好きだった景観がなくなり、悲しい思いをする人がでないように、全国の今ある農地を守りたいという想いが込められています。

創業後、いろんな生産者さんに出会う中で、生産者さんの抱える販路の課題に気づきました。

「こだわってもなかなか利益が出る価格で売れない」
「今栽培にこだわっているのは自分のエゴ」
「だから息子には継がせたくない」

そんな話を聞いて、生産者さんが消費者さんに直販する場を作りたいと思い立ち上げたのがオンライン直売所「食べチョク」です。一つ一つ梱包する手間はかかりますが、生産者さんが自分で価格を決めて売れる、小中規模の生産者さんに使いやすいサービスを目指してスタートしました。

私たち食べチョクはサービス立ち上げ時から「生産者のこだわりが正当に評価される世界」を目指しています。こだわって作ったものが正当な価格で売れて、生産者に正当な利益が入る世界を作りたいのです。


●うまくいかないと言われ続けた日々

カンブリア宮殿の番組内でも触れられた通り、最初は苦難の連続でした。

「あなたのように産直のサービスをやりたいという人はたくさん来るんだけど、誰一人長く続いてないんだよね」

産直サービスは10年以上前からたくさんありますが、 大きくなっているものは存在せず、企業が参入しては数年で撤退することを繰り返していた領域でした。当時25歳。社会人経験も浅く、農業経験なし。生産者さんからも最初はなかなか信頼してもらえませんでした。

生産者さんも集まらなければ従業員も集まらない。社員ゼロだった期間は10ヶ月にも及びました。

資金もなかなか集まりませんでした。「一次産業の領域は事業として成立させるのが難しい」「過去の成功事例がほとんどない」「アイディアも目新しさを感じない」というのが主な理由でした。

厳しい道であることは最初から分かっていたので、とにかく会社を長く持続させることを考えて経営してきました。創業初期ではごく当たり前のことかもしれませんが、自分自身の出張には夜行バスやドミトリーなどを活用、オフィスなどの固定費は極限まで下げる。一方で長期的な価値となる人材への投資は積極的に実施。また生産者を向き続けて事業をするためには私が経営権をしっかり持っておく必要があると考え、資本政策にも細心の注意を払いました。

番組中でも取り上げられていましたが、2億円の資金調達が必要になったときに何十件もの投資家に断られたことも。9ヶ月かけて交渉を続け、断られても理由をしつこく聞くと、7割は自分の説明不足、3割は本質的な事業課題でした。いただいたフィードバックを踏まえて、サービスと事業計画の改善を重ねる日々を繰り返し、最終的には希望の条件で心強い投資家の皆様に参画いただくことができました。


●直近1年間の急成長

2020年2月末、突然複数の生産者さんから「急に販売先がなくなってしまった」と連絡がありました。新型コロナウィルスの影響によるイベントの中止、学校の休校による給食への出荷停止などが主な理由でした。

これまでも、台風などの悪天候によるSOSがくることはしばしばありましたが、全国からここまで多くのSOSが寄せられたのは初めての経験でした。

「一次産業に想像以上に大きな影響が出るかもしれない」

という危機感が一気につのり、すぐにチームで対策の検討を開始。3月2日より「コロナでお困りの生産者さん」の特集をオープンし、全商品の送料500円分を食べチョクが負担する支援プログラムを開始しました。

誰よりも早く動いた姿を見て、多くの生産者さんから問い合わせが殺到しました。生産者さんの声に応えるべく、次から次へとできる限りの施策を実施。追加で資金も集め、2020年7月には初のテレビCMも放映します。

おうち時間充実ニーズの高まりもあり、振り返ると2019年→2020年で流通額は42倍、ユーザー数は50万人を突破、生産者数は2021年4月末時点で4,300軒に。利用率や認知度、アクセス数など6つの項目で国内の産地直送サイトNo.1を獲得し、生産者1軒あたりの月間最高売上は1,479万円となりました。


●食べチョクの今後について

前述の通り、食べチョク内では月間1,000万円以上売り上げる生産者さんも出てきていますが、私たちが大事にしているのは「事業規模に関係なく、品質で正しく評価をされること」です。資本力があるところが有利にも不利にもならず、「こだわりが正当に評価される」サービス設計を常に意識しています。

例えば2020年末に発表した「食べチョクアワード2020」の上位には、家族経営の生産者さんも多くノミネートされています。今後も、規模の大小に関係なく、こだわりを持った生産者さんが輝ける場を目指して改善を続けていきます。


その意味で、今後注力したいと思っていることの1つが高齢の生産者さんのサポートです。ネットに不慣れな方でも品質の高い食材を生産されている方はたくさんいらっしゃいます。地域内でしか流通していないような食材にも光が当たり、全国の方がアクセスできる状況を作りたいです。

カンブリア宮殿でも取り上げていただきましたが、「食べチョクご近所出品」はその解決策の一つです。若手の生産者さんなどが近隣の生産者さんを束ね、ご近所のグループとして商品を出品いただく機能です。

2020年7月にリリースした機能ですが少しずつ広がっており、最近はご近所出品をきっかけに最高齢98歳の生産者さんも食べチョクに登録してくれました


ご近所出品だけでなく、地方自治体さんとの連携も強化し、より幅広い生産者さんにご活用いただけるサービスを目指していきます。(自治体の方でご興味ある方はぜひ info@vivid-garden.co.jp 宛にご連絡ください!


●上場について(追記)

少し語弊があるようなので正しく伝えたいのですが、私は上場自体を目指しているわけではありません。上場はあくまで手段であり、会社を成長させるために必要であればするべきですし、そうでなければ他の手段を取れば良いと思っています。

「VCが入っているから上場したいんでしょ?」という声もいただきましたが、順番が逆で、私たちは上場など何かしらのEXITが視野に入ったタイミングで初めてVCを入れています(公にリリースが出ていますが、それまでは個人の方のみから集めていました)。またEXITの方法は上場以外にもあり、最適な手法やタイミングは事業や会社の思想によって変わるので、少なくともビビッドガーデンに出資いただいているVCさんから変な上場圧力を受けたことは一度もありません。

数年前から、202X年までに「上場できるくらいの規模になっている」ことを目指してきました。私たちの会社では、事業インパクト=一次産業への貢献量と定義しています。上場できるくらいの事業インパクトが出せないと、そもそも私たちの会社が存在している意味がないと思ったので、しばらくずっとこの目標を掲げていました。

しかしその当時より100倍以上の規模になった今、「上場できるくらいの規模」ではまだまだ日本の一次産業への貢献量は少ないと思うようになりました。もっと先の大きなインパクトを考えなければいけないですし、今集まっているメンバーとだったら、そんな未来にも到達できると信じています。

もちろん事業インパクトが大きいから偉い、ということが言いたいわけではありません。小さくても目の前の一人に貢献できれば間違いなく立派な事業ですし、心から尊敬しています(だから小規模生産者向けの事業=食べチョクをやっています)。あくまでビビッドガーデンの場合においてという話で、上記の定義で事業も組織も作っていきたいと思っています。

番組ではとても分かりやすくまとめていただいており、内容を否定する意図はありません。ただこれだけ影響の大きな番組だからこそ、誤解のないように伝えたいなと思い、詳細の説明を追記しました。

創業初期も、今でも、自分の実現したい世界に向けた達成度は1%程度です。会社が成長すればするほど、やりたいこと/手が届きそうなことが広がる=ゴールが遠ざかっていき、ずっと1%から進捗しないのです。それだけ伸び代のある領域にチャレンジできていて、本当に幸せなことだと思います。

これからも、チーム一丸となって「生産者のこだわりが正当に評価される世界」を目指していきます。


●採用情報

事業成長に伴い、採用を強化しています。一緒に一次産業に貢献する事業を作りませんか?PM、エンジニア、SRE(インフラ)、デザイナー、CSマネージャーなど、募集中の職種は以下をご覧ください。

いくつかイベントも開催予定です。5/20(木)20時からはご興味のあるかたはどなたでも参加できるミートアップを開催します。食べチョクを運営する中の人をちょっとのぞいてみたい…そんな気軽な気持ちで大丈夫なのでぜひご参加ください!

エンジニアさん向けのミートアップは5/27(木)19:30から。食べチョクを支えるシステムの詳細など赤裸々にお話しします!

(お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、カンブリア宮殿の放送中に大量のアクセスが集中しましたが、遅くなることもなく安定してサービスを提供できました。エンジニアの皆さんに感謝です。)


●食べチョク内のおすすめ紹介

食べチョクは生産者さんから食材やお花などを直接取り寄せられるオンライン直売所です。全国から4300軒の農家さん漁師さんが登録し、現在約2万4000点の商品が出品されています。

ここからは食べチョクに興味を持っていただいた方向けに、今やっている特集や最近始めたサービスなどをご紹介します。

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初めての場合だと悩まれる方も多いので、初回限定BOXをまとめました。お試しセットでまずは気軽に食べチョクを体験してみてください!


野菜セットを買いたいけど誰から買ったら良いかわからない、、、という声もいただくので、好みにマッチする生産者さんから野菜セットが届く「野菜セット定期便」も用意しています。今ちょうど2000円オフになっているので、気になる方はこちらをお試しください。

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●法人向けのサービスも開始

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先日、法人向けのサービスも開始しました

テレワークの増加に伴い、オフィスでの福利厚生だけでなく、それぞれの自宅を充実させる福利厚生のニーズが増えています。定期的に社員の自宅に野菜を送るなど、様々なケースで活用いただいています。

また、販促キャンペーンなどに食べチョククーポンをご利用いただいたり、法人のギフト対応なども行っています。

ご興味ある会社さんはお気軽にお問い合わせください!


●生産者の皆様へ

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食べチョクに出品したいという方はこちらのサイトに詳細を載せていますので、ぜひご検討ください!プロとして栽培されているかどうか、などを審査させていただき、審査通過しましたらすぐに出品を始められます。(申請をいただいてから1〜3営業日で審査が完了します)


●一次産業に少しでも興味がある方へ

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食べチョクの枠を超えて一次産業に貢献していきたいなと思い、一般(消費者)の方でも主体的に企画に参加できるオンラインコミュニティ「一次産業みらいラボ」を設立しました。

これまでなかったような生産と消費双方が交わるコミュニティを通して、一次産業や食について当事者意識を持ったメンバーが集い、持続的な産業をつくるためのアクションをとっていきます。

すでに生産現場からのインスタライブ配信など、少しずつ企画が動き始めています。ご興味をお持ちいただいた方はまずはClubhouseなどから気軽にご参加ください。


●より詳細を知りたい方へ

最後に、もっと食べチョクやビビッドガーデンのことを知りたい!と思っていただいた方向けに、関連する記事などをご紹介します。


▼急成長した5ヶ月間の軌跡をまとめたnoteはこちら。


▼直近の6億円資金調達時のリードインベスターであるジャフコさんのメディアで資金調達を苦戦していた日々の話をしています。


▼食べチョク立ち上げの思いを詳しく知りたい方はこちら。


▼農協って敵ですよね?とよく聞かれるので…考えをまとめています。ちなみに双子の弟はJAさんの職員です。


▼毎日Tシャツを着るメリットを知りたい方はこちら。


●最後に

1年間で大きく成長したとはいえ、まだまだ生産者さんに貢献できている量は少ないと思っています。実績を出せば出すほど、生産者さんからの期待が増えていることを感じる日々です。その期待を裏切らないように、現在に満足することなく、着実に成長していきます。

これからも多くの生産者さんのこだわりを届けられるように、チーム一体となって邁進しますので、ぜひ食べチョクチームを応援いただけたら嬉しいです!

読んでいただきありがとうございました。


●カンブリア宮殿の見逃し配信

テレ東BIZさんで本編と未公開のロングインタビューが公開されています。見逃した方やもう一度観たい方は是非こちらからご覧ください!

▼本編@テレ東BIZ

▼未公開ロングインタビュー@テレ東BIZ


いただいたサポートは、サービスを支えてくれているメンバーに野菜やお酒にして還元します。(*^-^)ノ■☆■ヾ(^-^*)