温情で卒業させるシステムでいいのかなあ

学生の頃からもう何十年も悩み続けていることがあります。
かなり大袈裟ですね(笑)。
日本の教育制度というか、学校教育の実質的な仕組みのことです。

日本の後期中等教育=高校。
先生たちは生徒たちを卒業させるために、あの手この手で「水を飲みたくない牛に水を飲ます」ことをやってます。
追試を何度やっても「赤点」とってしまう生徒=勉強する気が全くないを生徒、を卒業させるために課題を与える。
それでもやってこない生徒にもっと簡単な仮題(教科書をうつすだけでいいからみたいな)をやらせて、なんとか卒業させる。

「お願いだから、課題をやってください」

と、お願いするのは先生の方。

それって、どう思いますか?

「それはいかんだろう!」

と思っているあなた。

高校や大学で、

「一生懸命やったのだから」

という判断で、試験の結果はともかく、努力点で単位をもらったり、よりいい成績をもらったことはないですか?

結局、日本の学校教育って、結果より「頑張ったこと」を優先してますよね。

そう言う私も「テストの結果はアウトだけど頑張ってレポートも書いたし」で、沢山の学生に単位をあげてきました。それでも、相対的にはかなり厳しい先生だったので、多くの学生からクレームがきて大学からお叱りを受けました。受講生の半数以上を落としたこともあるので仕方ないかもしれません。

小学校から「落第」があるアメリカとは違い、日本の義務教育には落第はありません。
ということは、掛け算九九が分からなくても中学生になれるということです。
そしてそれは、義務教育ではない高校も同じで、いまや地方の私立大学でも実質的に同じです。
厳しい先生ほど学生からの評価が低く、大学当局からも睨まれます。

そういう日本の影の教育システムのメリットは、「治安が守れる」ということだと私は思います。

もし厳格に「これだけの結果を出せなければ卒業させません」とやると、小学生の30%、中学生の50%、高校の80%、あるいはそれ以上の児童生徒が卒業できなくて仕事にありつけず、若年失業者が増えて、暴動が起きるからです。医学部や高偏差値の大学はともかく、殆どの大学も同じです。
身も蓋もない言い方をすれば、目の前にいる学生に対する温情で単位をあげているのです。

さて、それがいいのか、悪いのか?

私にはわかりません。

どう思いますか?

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