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ドイツ語検定 Goethe B2(≒独検準1級)に9ヶ月で合格したので、方法論をまとめてみた

ドイツ語で、ゼロから検定試験の準1級(CEFRのB2)レベルに到達する方法をまとめました。準1級の語学試験に合格するための方法論に特化して書いています。ネイティブのように流暢に話すための方法論ではないので、ご注意をば。


ぼくは何者なのか

あきらと申します。趣味は語学でございます。オンラインゲームが好きで、よく外国人とプレーしています。世界中のプレイヤーを巻き込みながら魔界のドラゴンを倒しています。より早く世界平和を実現するために、語学の勉強に励んでいますw

これまで様々な語学の試験を受けて参りまして、英検は1級、中国語はHSK6級(中国語検定準1級相当)、ドイツ語はGoethe B2(ドイツ語検定準1級相当)に合格してきました。日英中独は真面目に勉強してきました。

そして、今回の記事のメイントピックですが、ドイツ語は、ゼロから始めて9ヶ月で準1級相当の試験に合格しました。この経験から、検定試験の合格に向けた勉強法をお伝えできると思ったので、記事を書くことにしました!

合格に必要なこと

結論から入ると、準1級レベルでは、以下の3つが合格に必要です。

  1. 文法を全部学ぶ

  2. 単語を3000個暗記する

  3. 簡単な表現を発話できるようにする

文法と単語が分かれば、読み書きは十分できるようになります。
簡単な表現を使いこなせれば、スピーキングもできます。
リスニングは、1,2,3ができれば試験問題の70%ぐらいは理解できるはずです。

これらを生活のルーティンに組み込んで効率よく学習すれば、合格することができます。以下、私がどのようにやってきたかを解説します。

ルーティンをこなす

1. プライベートレッスンを週2で受ける

週2回、1時間ずつのプライベートレッスンが全てのベースです。人間は怠惰です。強制的に授業を受けることで勉強のルーティンを作ります。
昔、韓国語やスペイン語をレッスン無しで勉強して挫折しました。レッスンの力は絶大なので、頑張りたい人はマジでおすすめです!

授業では、まず文法を一通り全部学び、その後はひたすらライティングとスピーキングの添削をしてもらいます。

1-1. 文法を一通り学ぶ

文法は、「解説」と「練習問題」があるものを一冊やります。授業前までに文法の解説を予習して練習問題を解いておき、授業中は分からなかった点を質問します。言語にもよりますが、本気を出せば4ヶ月〜6ヶ月ぐらいで文法書は一通り終わると思います(もちろん言語によりますが)。

ドイツ語の場合、英語と日本語の文法の知識が役に立ったので、4ヶ月ぐらいで文法書を一通り終えられました。文法を早く習得できるかは、既に知っている概念がどれだけあるかによります。例えば、英語の「過去形」「現在完了」「過去完了」を理解していれば、ドイツ語の同じ概念も理解できるはずです。逆に、ドイツ語にしか無い語尾の活用の概念もあったので、そのあたりは苦労しました。学習期間の長さは既存の知識に大きく左右されると思いますが、焦らず丁寧に理解することが重要です。

1-2. ライティングとスピーキングを練習

文法書が終わったら、ひたすらライティングとスピーキングの添削をしてもらいます。検定試験のライティングとスピーキングの形式に合わせて実践練習をします。僕がやったドイツ語のB2試験は、200文字の作文と、4分のスピーチが中心だったので、それを3ヶ月間やりました。授業でやった内容をミス無く再現できるように練習すれば、検定試験に必要なライティング力とスピーキング力は必ずつきます。

例えば、「クリーンエネルギーの例を複数上げ、それらのメリットとデメリットを複数述べよ」というスピーキングのテーマがあったとします。始めて見た時は「絶対ムリw」ってなるんですけど、冷静に分解すると以下の要素しかありません。

  • 「風力発電」「水力発電」「太陽光発電」という単語

  • メリット:「CO2を出さない」「原子力発電のような危険性が無い」

  • デメリット:「建設費用が高い」「建設できる場所が限定される」

冷静に眺めると、この3つの表現を覚えて、接続詞でつなげて話すだけです。意外と簡単です。話す時は自分で使う単語を選べるので、簡単な表現を使えばいいです。「CO2を排出する」ではなく、「環境にとって悪いガスを出さない」とか簡単な表現でも大丈夫です。準1級レベルのスピーキング試験では、メッセージが伝わることが重要で、難しい単語を使う必要はせん。

以上のように、プライベートレッスンを中心に勉強を組み立てることがおすすめです。

ちなみに、僕はitalkiというプラットフォームで見つけた先生に教えてもらっています。ドイツ語学習の1ヶ月目からずっと同じ先生に教えてもらっています。

2. Pimsleurをやる

日本で外国語を学ぶ場合、スピーキングをする機会がありません。そこで、Pimsleur(ピンズラー)という音声教材を使って補います。
 Pimsleur 公式
 Pimsleur App (iOS)
 サンプル:Pimsleur German Lesson 1 (Youtube)

Pimsleurは、簡単な日常会話で使う表現を音声教材のみで教えてくれます。文字の教科書はありません。音声教材は英語なので、高校程度の英語力が必要ですが、そんなに難しくありません。以下のような音声イメージです。
 

ナレーター:You are at the airport. You met a German woman, and you want to start a conversation. Say "Excuse me".

(空白の5秒) ※ここでドイツ語で"Excuse me"を自分で発話する※

男性:"Entschuldigen Sie" ※ここで正解が流れる※

こんな感じで、「Excuse meって話しかけてみて」って言われるので、ドイツ語で「すみません」って自分で発話します。その後に正解が流れるので、そこで表現を覚えて定着させます。

メジャーな言語では75時間分(30分 × 150授業)あるので、全部やりましょう。僕は全部やりました。振り返って見ると、基本的に出張先で男性が女性に話しかけているシチュエーションが多いので、ナンパっぽくて面白いです笑。準1級レベルの試験では、この教材で学んだ基礎的な表現を元に、単語を組み合わせるだけで十分対応できます。

3. Ankiをやる

単語を効率的に覚えるために、Ankiというアプリを使います。Ankiとは、単語カードをスマホ上でめくれる、暗記のためのアプリです。一点、アナログの単語カードと大きく違う点があります。それは、カードが出題される頻度や順番が、アプリ側で制御されているという点です。正解率が高いカードは登場頻度が低くなり、正解率が低いカードは頻度高く登場します。このアルゴリズムに沿って最も効率的に単語を定着させることができます。SRS(Spaced Repetition System)という理論に基づいて開発されており、学術的にも効果が証明されています。

Ankiアプリに3000個の単語を登録して、半年間やれば、3000個は覚えられます。

詳しい解説は他のサイトにあるので、そちらに任せます。
参考:【最強の英単語アプリ】Anki の使い方のコツとカードの作り方

4. Discordで会話の練習をする

検定試験にスピーキングがある場合は、会話の練習をする必要があります。「間違いだらけでもいいから、自信持ってとりあえず堂々と話せるようにする」状態を目指す必要があります。授業だけでは不十分なので、話し相手を見つけましょう。

僕はDiscordというプラットフォームで、ドイツ語学習者のチャンネルに参加し、「練習ボイスチャット」に参加して練習していました。初心者からペラペラな人までいましたが、日常会話をドイツ語で話しながらお互いの国の話をしたりしました。

Discordのドイツ語コミュニティの例

日常会話で使われる表現と検定試験で使われる表現は全然違うので、日常会話をマスターするうえではかなり役に立ちました。

5. 模擬問題集をやる

最後に、試験の1ヶ月前ぐらいから模擬試験問題集を購入して1週します。
ドイツ語の場合はGoethe B2のTestbuchをやりました。

ぶっちゃけ、検定試験は対策することで点数をかなり伸ばせます。準1級レベルだと以下のようなテーマが出ると決まっています

  • 頻出テーマの例

    • 環境問題(例:ゴミの量を削減するには?)

    • 金銭の問題(例:奨学金制度はどうあるべきか?)

    • 住居の問題(例:賃貸と持家、どちらが良いか?)

    • デジタル化(例:オンラインショッピングの是非)

これらのテーマの単語を中心に覚えることでかなり対策ができます。逆に、「食べ物」「色」「動物」に関するテーマはほとんど出ないので、私はドイツ語でも中国語でもこれらの単語を覚えていません。お恥ずかしながら、「スプーン」や「フォーク」といった基礎的な単語も、どっちがどっちだっけ…とドイツ語でも中国でもたまに迷うレベルです笑。

検定試験の模擬問題集を全部やれば、頻出テーマは網羅できるはずです。

以上の内容を9ヶ月間やることで、ドイツ語は0から準1級レベルに至りました。ちなみに、中国語はHSK6級を取るまで7年ぐらいかかったので、中国語では勉強効率がとても悪かったです。。。反省。

どこまで話せるようになったか

上記の内容は、あくまでも検定試験に受かるための方法論です。私はこの方法論で準1級レベルに中国語でもドイツ語でも到達しましたが、正直あまり流暢に話せる自信はありません。

参考までに、「私がドイツ語を9ヶ月でいかに勉強したか」というテーマで日本語、英語、ドイツ語でそれぞれ話したムービーを置いておきます。日本語と英語は話し慣れていますが、ドイツ語は明らかにグダってます。準1級の検定試験にギリギリ合格した人の会話レベルはこれぐらいだという目安にしてください。

[日本語版]

[英語版]

[ドイツ語版]

最後に:一番むずかしいこと

この記事では「やること」にフォーカスして書きました。
「文法を一通りやり、単語を3000個覚え、簡単な発話ができればいい」と書きました。

これらをやりさえすれば良いのですが、問題はモチベを維持し、愚直に取り組めるかです。僕はこの9ヶ月中、数ヶ月ぐらいはモチベが下がる時期もありました。それでも毎週2回のレッスンを挟むことでなんとか頑張れました。

モチベを保つ方法はまた機会があれば書きたいと思います。

少しでも参考になったならば幸いでは!Tschüss!

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